フランスでしたいことリスト。話題の店、場所、趣味の店など。

毎年恒例のフランス出張。フランスと言えば私のなかでは敬愛する変態サブカル愛好者に溢れた国なのだが、観光大国のフランスにいざ行っても表面に幾層も覆うキラキラとした観光資源に触れられるだけで、私の趣味関心に突き刺さるものが何処にあるのか未だにわからずにいる。

東寺の弘法市のような、高円寺の商店街のような、神保町の古書店街のような、あとはセミプロ作家の作品展時販売店が集まったような場所はないものか。情弱。ネットで目的の情報を探し当てることは私には簡単ではない。


したいこと
Au Bascouで王家の野兎(lièvre à la royale)を食べる
日本酒とフランス料理を合わせた店を探す
ギメ美術館で東洋美術の集積を拝む
国立陶器博物館で西洋陶器を鑑賞
手頃なフランス陶器を買う
パリの多肉植物店でフランスのセンスを探る
適当な自画像を描いてもらう
日本画家の友人に画材を買う
ポンピドゥセンターの近代美術館
クリニャンクールで掘出し物を探す
プロヴァンの街並みに浸る
ロレーヌの古城を拝む
ドラゴン納豆を食べる
朝のパリをジョギングする
ハンドメイド作家のクラフト市。日程合わず。https://keikoparis.exblog.jp/22816868/


したこと
◎「グルニエアパン」でパリで一番のバゲットを食べる。クロワッサン、エクレアなや菓子パンも美味。
◎ジャックジュナンの生キャラメルとチョコを食べる。フルーツの生キャラメルは格別。
○マイユ現地店限定のシャブリマスタードを買う。トリュフマスタードはクセが強すぎた。
マリアージュフレールで現地限定フレーバーを買う。
△ワインテイスティング
△ブラッディーマリー発祥のバーで飲む。
△兎を堪能する。
◎鶉を堪能する。濃厚な味と香りに感心。
○二つ星のレストランで食べてみる。
○三ツ星と同じ仕入れ先のドライエイジング肉店「Le Severo」。
◎陶芸作家の工房へ突撃訪問。貴重な体験。
ルーブル美術館
オルセー美術館
◎ケブランリー美術館。見せ方がカッコいい。
△クリュニー美術館
△香水博物館
△ダリ美術館
◎レンヌ美術館。猪の陶器鍋。ブグロー作品。
セーヌ川クルーズ。
△ベルサイユ宮殿。
○サンシャペの青ステンドグラスを鑑賞。
○オペラガルニエの豪華絢爛を楽しむ。
ラファイエットの華麗なガラス天井を鑑賞。
カルチェラタンを散策。
△マレを散策。物価が高くて買うものはあまり。
エッフェル塔界隈を散策
×ヴァンヴ蚤の市を散策。ガラクタが中心。
◎クリニャンクール蚤の市。1日飽きない。
◎特注フェルト帽を父に贈る。
アメリのカフェドゥムーランでブリュレを食べる
ハウルの舞台になったらしいコルマーへ
ストラスブールを散策
○ニースを散策
ボルドーでワイン畑めぐり。安くはない。土壌の水捌けが悪いのが予想外。
モンブランに登る。絶景なり。
○ノルマンディーの街エトルタで牡蠣を楽しむ。ミルフィーユ状の断崖絶壁が壮観。
○ランスでシャンパン蔵を訪れる。
△結婚十周年のヴィンテージシャンパンを買う。ランスでも安くはない。
○レオナール藤田の作品を鑑賞。

子供のスキーデビューを考える。湯沢中里スキー場。

  • 家から2時間半。関越自動車道湯沢インターからすぐ。東京方面から湯沢方面で最も近い一つ
  • 20年前よりもスキー費用は安くなっている
  • コンビニでの1日リフト券前売割引購入。3400円。レンタル500円割引券付き。
  • レンタル板やブーツが充実。バックルがしっかりしたブーツにカービングスキー。3200円。
  • 石窯ピザなどゲレンデ食が美味しい。窯焼きたてのピザは街中でも競争力のある味で隔世の感。
  • リフト乗り場のすぐ下まで車乗り入れ可。駐車場からの移動の苦痛が少ない。
  • こどもの休憩所あり。
  • 無料温泉あり。
  • 初心者、初級者向け緩斜面ゲレンデが豊富。
  • 早朝出発で5時間滑り昼過ぎに帰るピークの先手を取り続けるプランが快適。
  • 関越自動車道の上里SAが熱い。
  • 焼きたてパン屋のパン、草餅、ソフトクリーム、厚揚げ、地産の野菜や果物など充実。

 

カムイみさかスキー場

家から1時間半。大人リフト券2600円子供1900円。9:00~13:00半日券2100円。スキースクール小学生2時間3000円、幼児2時間4000円。近くて安いのはここか。要備忘。


佐久パラダスキー場

家から2時間。高速道路SA直結。そしてエクシブ軽井沢まで車で12分。大人リフト券2700円、子供1700円。食事レンタルリフトパックが大人7700円、子供5700円。レッスン3時間8000円で全くの初心者わや滑れるようにしてくれるらしい。ブーツ、小物レンタル1500円とレッスンだけでリフト券無しで3時間スキーを習わせるのでも十分かもしれない。


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2年ぶりにスキーをした。その前は3年ぶり、さらにその前は10年ぶり。

 

4:30 勤め先の先輩の車に乗せてもらい高円寺出発

7:00に湯沢インターを降り、湯沢中里スキー場そばのセブンイレブンで前売割引1日リフト券購入。

7:45レンタルショップでスキー一式を借りる。行列無し。

8:00滑り始める。ゲレンデが空いていて快適。

11:00石窯ピザのゲレンデレストランで昼食。行列無し。

13:30レンタルを返却

13:40出発。渋滞無し。

14:30上里SAで軽食。混雑無し。土産物購入。

15:00出発。渋滞無し。

16:00高円寺着

 

ストレス発散に東京から日帰りスキーをしに行き慣れているという先輩のたどり着いたプランは快適至極だった。客で混む前に滑り倒し、混む前に石窯焼きピザを食べ、道が混む前に帰ってきた。行列や渋滞を回避し続けているので満足度は高い。

 

さらに湯沢中里が子供のスキーデビューにも何かと都合の良いスキー場であることも発見。日帰りにせず、14時に上がってそれからは温泉宿に早めに移動してのんびりするのも充実するかもしれない。

 

とはいえ、子供にスキーに親しませる是非も考えてみたい。東京住まいには何せ金のかかる趣味でもある。

 

メリット

  • 子供の有能感、自律性を育む。(以下詳述)
  • 高校ぐらいまでは子供同士では行きづらく、親子の時間を継続して作りやすい冬季の格好のレジャー。
  • 晴れた雪山の非日常体験は格別。
  • スキー、温泉、美食のコンボが可能。
  • 冬に楽しみながら身体を鍛えられる。子供の有り余るパワーを発散できる。
  • 大学生や社会人になって友人に誘われる機会は多い。
  • 仲間内で余裕をもって他の人を教えられたり、雪山慣れしていると頼りになる。
  • 悪環境耐性がつく。寒さ、重さ、疲れ。

 

懸念、考慮点

  • 妻がスキーをしない。しない人も別行動で楽しめる宿やスキー場選びが必要になる。
  • 金がかかる。交通費、ウェア小物、道具、宿泊。
  • 連れて行く親の体力負荷はかなり大きい。改めて多忙な中、連れて行ってくれた親に畏敬の念。 

まあ、大きくなるまで子供が親と過ごしてくれるというのは親の幸せと満足の為だ。子供にとっても小さい頃からスキーに親しんで上手に滑れると仲間内で出かけた時にも楽しい。スキーは若者同士で泊まりで行くことも多く気後れせずにそういう輪に入っていけると出会いや交友関係も広がりやすい。長男の性格を考えると得意なことを増やしてあげたいという思いもある。

 

とはいえ、スキーができなくて人生にそんなに困るとも思えないし、あくまでスキーに連れて行く余裕があればの話だ。余裕がなくなったら必要はない。

 

小さい頃からスキーをさせる意義として下記のような意見もあるそうな。

「スキー・スノーボードの滑走シーンを思い浮かべてください。そこには、「止まる」「曲がる」「スピードをあげる」といったように、常に自分の意志によって、次の行動を決める必要があり、また、「止まれない」「曲がれない」「スピードを抑えられない」といった、できないことに対する試行錯誤も連続します。

自分で考え、工夫して乗り越えようとする「自己決定」と、課題をクリアしたときの、自分はできるという「有能感」。これらは、子供の「自律性の発達」に高い影響力を及ぼします。スキーやスノーボードは、自己決定し、有能感を感じることができるシチュエーションがとても多いスポーツ。他の自然体験と比較しても同等か、それ以上の効果が期待できるそうです。」

 

 

余談だが小さい頃にはさびれて魅力に乏しい印象だった関越自動車道の上里SAだったが、今回立ち寄ってその新しさと充実ぶりに驚かされた。

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明るくモダンで広いフードコート。

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お菓子や漬物、つまみなども食指の動くものが多かった。水沢うどんを発見。新卒の頃に群馬で初めて食べた際、三大うどんなどと呼ばれた名物うどんに期待したものの、コシがなくて大きく肩透かしをくらった。稲庭饂飩派だ。

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笹団子の笹の香りと餡子の甘さは大好物。冷凍ものでなく新鮮そうな笹団子を置いているのが良い。

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嬬恋高原有機牛乳入りソフトに新潟雪室珈琲ソフト。味は普通に美味しかった。

話題の団子虫ガチャ調達からの中野「ZINGARO cafe」

(ZINGAROは既に閉店)

巷で、まあ限られた一部の人達の間で話題沸騰の玩具がある。ガチャガチャで買えるプラスチック樹脂製の団子虫で、いくつかのシークレットカラーがある。平均的な団子虫サイズの1000%で完全再現という触れ込み。ヨドバシカメラでも売っていなかったし、Amazonで買おうとしたら定価500円の品に1000円の値段が付いていた。希少な色だと2000円だとか。そんな瀬取りに貢献するつもりはない。

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売っている心当たりは中野ブロードウェイしかないので覗いてみた。

通常のガチャガチャと異なり、カプセルに入らずにシュリンクラップで包まれて出てくる。それだけ真球に近い形状だということ。流通上も、包装費用上も素晴らしい商品と言える。

 

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自分の頭の中で描いていた造形と寸法やバランスに大きな違いがあることがわかる。最後部の外殻が長く一体化しており、ここは丸まらない。

 

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第一触角と思っていたものは実は第二触角で、本来の第一触角は退化して目では確認できなくなっているそうな。脚は七対。節も7つ。孵化したばかりでは脚は6対しかなく、最初の脱皮時に2本生えてくるのだそうだ。団子虫は餌は口から食べるが水は尻から飲むことなど、知らないことが多い。

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脚は広げて歩行時を表現し、丸める際には中に閉じるギミックがある。500円也。これを500円で販売できるとは工業大量生産化は素晴らしい。現代の恩恵だ。

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昼食を摂りに「ZINGARO cafe」へ。村上隆のアートと趣味をちりばめたカフェレストランで観光客に人気がある。この日は中国人、韓国人、そして欧米人で埋まっていた。

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巨大な犬の人形が立っていた。

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このアニメ的カワイイ花柄は全くもって興味はない。好きではなく、嫌うほどでもなく、単に興味がない。

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しかしそれでもZINGAROに来てしまうのはアースカラーで落ち着く店内で、予想外にカッコいい陶器を置いているから。一応、展示販売という扱いで値札が付いているが、9万円だの5万円だの、なかなか手の届くような値段ではない。

 

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村上隆氏はかなりの陶器収集家という別の顔を持っている。彼の好みの器は私の好みのものも多い。そこに親近感が湧く一方で全く興味のない位相的には随分と遠距離にあるアニメ柄も描くので、理解しかねる人でもある。

 

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映えるよね。みな、儀式のように写真を撮ってから食べ始める。

 

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1300円。見た目勝負のボッタクリかと思いきや、無難に美味しいのだよな。

 

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家に帰ったら、風呂に入れたりと子供が団子虫で遊んだ。湯船にはあっけなく沈む。脚の数は14本だとか、一回に産む卵の数は50個程度だとか、基礎的なことを覚えた。

わんぱくそうな友達でも、虫を触ることのできない園児が多いと聞く。こういうところから虫にも親しんで欲しい。蝉の抜け殻、蟻、カナブンなど1000%シリーズをバンダイには展開していって欲しい。

 

 

豆鹿頭骨鉢施釉。息子制作の鉢の削り、陶人形施釉。

連休のうちの1日は作陶して過ごした。

  • 息子の陶人形が観ていて楽しい。もっと作ってもらおう。
  • 息子制作の自由な造形の植木鉢を仕上げるのも楽しい。
  • 豆鹿頭骨鉢は四号で形になってきたと思う。
  • 今まで使っていない釉薬を試みたい。桃色、呉須結晶、重ね掛け。
  • 赤土2号にトルコ青結晶釉の生掛け一発本焼成の団子虫鉢。素焼きするのと違いが出るか検証したい。

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息子の植木鉢に脚をつけた。幼稚園児の発想だから、この「とぐろ」状のものはまさかウン◯ではなかろうな。立体的にかつランダムに貼り付ける発想はなかった。大人が作るとどうしても整えたり規則的にしてしまう。

 

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脚というか、足。ガニ股の。

息子がつけた渦巻きの装飾がこのほうが目に入りやすかろう、との意図。釉薬はどうしようかね。地をマンガン窯変釉にして、突起は焼締にしようか。同一釉薬一色よりも突起を目立たせるようにしたい。

 

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息子作の父と母像。こういうのは自分には作れない。左に、右に傾いていて対にすると少し狛犬のようでもある。分解することなく素焼きされて窯から出てきた。補強も兼ねて金ラスター釉を筆塗りした。

 

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素焼きされた豆鹿頭骨鉢。並べると、眼の周りの印象が違うのがわかる。鼻先は割れていたほうがそれっぽいが、眼の淵は薄く尖っていたほうがよい。

 

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前回、注意力不足でしくじってしまった豆鹿頭骨の四号鉢も作った。今回は鋳込み15分で泥漿を抜き、1時間乾かしてから石膏型を外した。今回も水分が若干多いのではないか。

 

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いづれにしろ、今回は問題なく作れそうだ。鼻先を割れさせ、眼窩も薄造りに。少しづつ改良されていく。今回は陶製の角を実装してみようか。異なる釉薬に枝分かれした角を差し込めるようにするのも面白かろうかと思う。

 

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素焼きの一つに飴釉を塗り、縁に鬼板を塗った。飴釉は水が多くシャバシャバとしていて、薄すぎやしないか不安になる。数度重ね塗りし、鬼板で縁取りをした。

 

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豆鹿頭骨が3つ、本焼きを待つ。

左から白マット釉に縁を二酸化マンガンで加飾。中央は飴釉に縁を鬼板で加飾。右は金ラスター釉。

 

まだまだ施釉したいアイデアはある。

  • 黒土を塗って藁灰白萩。
  • トルコ青結晶釉、鬼板の縁取り。
  • 呉須か鉄絵で和文様を描いて一号透明釉で還元焼成
  • 黒マットの上に白マット。細かな白水玉。
  • 表面を粗く凹凸させて焼締にし苔を活着。
  • 薄く薄く作ってLED光源を中に入れた蛍手照明オブジェ。
  • 焼締の緋襷を作るには鞘がないか。
  • 呉須結晶釉、桃色釉など珍しい色にも挑戦したい。

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横置きも良し、壁に掛けるも良し。無事にうまく焼けてくれますように。

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団子虫型の陶虫夏草も追加で施釉。素焼きせずにトルコ青結晶釉を施釉して一発、本焼成

 

 

歌舞伎町の雑踏往来と新宿ビル夜景を臨む茶漬けトンカツ「すずや」

 

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新宿駅から歌舞伎町へ向かい、靖国通りを見下ろす角地の5階にあるお茶漬けトンカツの店「すずや」。隠れ家とはこういう所を言うのかね。

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全面窓のまだ誰もいないカウンター席。新宿の一等地だが、混雑しておらず落ち着いている。バルコニーもフェンスも植栽もなく、窓一枚を隔てて道路の上空に繋がる浮遊感。

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カウンター席に座り、ぼんやりと見下ろす。靖国通りを信号が青に変わる度に流れるそれは時計の砂のよう。規則正しい呼吸のようでもある。これら経済粒子はヘモグロビンを運ぶ赤血球みたいなものかもな。ビルという骨格の中の店という細胞に供給が途絶えると細胞は壊死するわけか。なるほど。

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音も無く左右へと滑っていく棒のような電車の往来。特急甲斐路だ。奥に走る馴染みの薄い銀色は西池袋線だろうか。さらに遠景には聳え立つ新宿新都心。何万人があの中には詰まっていてまだ働いている。

別に働かないといけない悲壮感を感じるわけでもない。街として栄え発展していく熱気を感じるわけでもない。淡々と大きさと多さをただ感じる。

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大抵の人は、自分は特別だと思いながら、単なる景色の中の一粒だとも自覚しているのだろう。姿形すら確認できない目線の先にいるはずの誰かにも、本人としては自分ならではの悩みや苦労もあるつもりかもしれないが、側から見たら特別視することもないことばかり。自分が個性だと思っているものは、数万の単位でサンプルが集まるカテゴリーでしかない。

別に否定的に捉えているわけではない。誰もそんなに誰かのことを気にしちゃいないし、意識などしていない。表に出過ぎないように気をつけながら、もっと自由に好きなことをやっても構わないのだと思った。ポジティブな意味で。

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そんなこんなで料理が届いた。ヒレカツ、牡蠣フライ、海老フライの盛合せ定食。キャベツ、味噌汁、御飯はお代わり無料。1650円也。若干高いから得られるこの落ち着きと静けさなのだろうな。

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肉厚な牡蠣フライの半分を齧って断面を見ると丸々としていた。辛子もガツンと辛さが引き立っている。衣はサクサクだ。

職場のフランス人は北洋で採れる薄っぺらい牡蠣が恋しいと言っていた。日本の牡蠣は芳醇すぎるのだと。フランス近海の牡蠣が壊滅した後に日本のそれを移植したのだから品種は同じはずなのに、日本ほど富栄養化していない味が恋しいのだという。

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一人一人、好みもこれだけ違うけれども、それでも同じ趣味趣向の人は呆れるほど大勢いるのだという話。だから他の期待値や趣味に合わせる必要なんてないのだろう、と。

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エレベーターを降りると、店内で牡蠣フライを食べながら「あちら側」だと思っていた世界に入っていく。

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「客引きの言うことは全て嘘です。絶対についていかないで下さい。」該当スピーカーから音声が流されていた。全て嘘とは大袈裟な。ただ一片の真実すらないのかね。

 

息子の陶芸初体験。狗鉢、猪あかべこ、鹿頭骨鉢四号鋳込。

息子、陶芸初挑戦。2時間半で私と妻の人形を作ってくれ、さらに紐作りで植木鉢を作ってくれた。紐で外周に装飾を施したなかなか自由な作品だ。

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さらに3時のおやつのドーナツを食べた後に半時間ほど作陶したが、そこから先はもう飽きてしまったのでスマホで遊んでいてもらった。幼稚園児にしては3時間作業するだけでも集中力が長く続いた方だろう。出っ張り渦巻きの部分は乾きにくいからといって内側から指で穿つなど、教えてもいない工夫をしていた。

面白いな。分厚くて焼成費が嵩むので少しばかり内側を軽量化し、無骨で太い脚をつけ、ラスター釉か何かで焼いてあげよう。何か原始的な、あるいは異形なサボテンを植え込んだら面白いかもしれない。息子と同じ樹齢のオベサ玉やホリダ玉でも良い。

 

なかなか大人と同じペースでやるのはまだ難しいかもしれない。常に何がしか目を配るので私が集中を要する作業ができない。しかし、初回でしかないし、これから色々覚えて自分であれこれ作っていってくれるようになれば良いのかもしれない。月に一回、大人の半分のペースで通えないか相談してみよう。

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昨晩、1時間弱で雑に作った狗鉢は身体は焼締にしてマットにしたい。歯を白マット釉薬、眼を黒マットで光沢を出して異なる質感であることを強調したい。尾や飾りは白化粧しようか。

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これは断じてマンゴー殿ではない。もっと獰猛で醜いぐらいの狗にしたかった。目を大きくすれば、表情はどうであれもう少し可愛らしくなるのだろうけれども、可愛くないブサイクなやつが作りたかった。

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身体は黒土のままで良さそうだ。尻尾が白いのは吉と出るか。

 

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目と鼻先に黒マットを塗った。鉄の赤さで怖くなってしまったが焼成後は黒く艶が出るはず。

 

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無論、植木鉢なので尻尾の中に穴が空いており植えこむことができるようになっている。増えた緑蛇を株分けして植え込もうか。焼き上がれば、釉掛けの状態よりも地味に落ち着いた色合いになるはず。

 

 

猪あかべこは飾り毛はマンガン窯変釉、身体は白化粧で毛筋を描いた上から柿渋釉、鼻先や蹄は黒土を露出させて残す。目と牙は白マット。赤伊羅保があれば試したかった。

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下地の白い毛並みは隠されずに出てくれるだろうか。

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そういえば、目を白くしたのだが猪の目は白かっただろうか。野生動物は白眼は目立つので基本的に黒目だよな。間抜けに見えてしまう。

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肝心の鹿頭骨鉢は鋳込みの型外し後に崩壊してしまった。思うに鋳込み時間が長すぎて泥漿を注ぎ出すのが遅れたのが原因だと思う。

他の作業に気を取られて継ぎ足すのも泥漿を注ぎ出すのも時間管理をなおざりにしたツケはしっかりと返ってきてしまった。

 

狗も猪も素焼き工程を端折ったやっつけ作陶だ。ある意味、民芸陶器植木鉢とも言えるのかもしれない。そこらの寂れた古くからの観光地の軒下に並べて売られてそうなシロモノ。


ヘタウマ系の猪やら狗やらを象った鉢を連続して作っているが、次の作品はギアを上げて気合を入れて作り込みたい。身体はざっくりとヘタウマ、あるいは雑だけれども目や表情だけは繊細で細かくしたい。丸めた粘土をくっつけただけでは、上手く表現してもユーモラス、正直にいえば稚拙で間抜けにしか見えないものな。

 

街角道端の巨大サボテン群を見て、巨大「刈穂玉」の 衝動買い

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とある杉並区の街を歩いていたら、とある民家の街角で出くわした光景。どれもこれも樹齢20年以上の傑物揃い。右端のメロカクタス、手前は30cm以上の柱に成長した四角蘭鳳玉、背後に聳えるのは紅彩閣。鬼面閣は大物があるので珍しくはないとしても、さらに大きな大雲閣。

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 右奥は巨大碧瑠璃蘭鳳玉、その隣はモンスト化した龍神木か。真ん中の稜が深い古株はなんという品種だろう。

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 左の碧瑠璃の歪に膨らんだり縮んだりしながら大きく伸びた雄姿。かっこいいな。整然と端正に伸びた碧瑠璃よりも魅力的だと思う。右の巨大な群頭株はなんという種類だろう。

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これだけの大株、巨株、古株が野放図に露地に置かれているなんて、日本はなんて平和なんだろう。

 

私もいつか、古木だらけのバルコニーを作りたい。

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別の街角での一景。トップスレンダーがこんな野趣溢れる生え方をしている。

 

なんだか気分が盛り上がってしまい、高円寺の多肉植物屋で出物のサボテンを買ってしまった。フェロカクタス「刈穂玉」。飲み会1回分と考えると、お得に思えてくる。

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愛好者にとって王道でもあり、サボテンの中のサボテンとも言うべきフェロカクタス。強刺類とも言う。日本では綺麗に育てることがとても困難で手腕と多大なる手間暇が問われる点も、愛好者にとって特別な存在である由縁。

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夜は凍てつくほど寒く、昼は灼熱、そして低湿度。つまり乾燥した激しい寒暖差が必要となる。夜も蒸し暑い夏と朝晩寒い冬が交互にくる日本ではなかなか難しい。この美麗個体は日本で育てたものだが長野の寒冷地栽培によるもの。熱狂的な日本の愛好家は高原寒冷地に雨を防ぐビニールハウスを建て、しかも日中は暖房を焚いて鉢の中の土の温度を高めて育てる。しかもハウス栽培苺ではあるまいし、一冬育てれば出荷できるという代物ではない。それこそこれだけ立派な巨大株ならば15年は経っていると思われる。

 

 

 

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この鮮やかさはやがて失われてしまうだろう。だからこれまでフェロカクタスを家に置く気にはなれなかった。しかしこんな巨大株があの値段で売られているとあっては、つい魔が差してしまった。