箱根一帯に八つの温泉宿を展開する一の湯旅館の品の木別館に泊まった。宿泊者は八つの宿のどの風呂でも入れるそうで、食事前にススキの原を眺め、さらに近くの別旅館で濁り湯に入らせてもらった。濁り湯は目で愉しむ温泉でこれに勝る温泉に入ったという満足感はない。
品の木別館は和室の小上がりにベッド、そして掘り炬燵、さらには個室付き露天風呂がある。幼児連れにとって他の様式の客室には泊まりたくなくなるほどの快適さ、便利さだった。部屋の中で自由に歩き回らせら、嵩の高い快適なベッドで有りながら幼児が落ちる心配もない。部屋から移動することなく夫婦二人で手伝いながら幼児を風呂に入れることができる。貸切家族風呂のある旅館も世には沢山あるが、追加料金を払わねばならないし、オムツやら着替えやら息子やらを抱えて移動するのも手間だ。露天風呂も家族四人でも入れそうな大きさで、とろみのある泉質に塩素臭はしない。簾を開けると緑の中庭を眺められる。露天風呂付きの個室は幼児連れにはなんとも快適だと学んだ。
更に食事が部屋食だと完璧だが、ここは食堂での食事となる。奇を衒う豪華食材は無いが味噌煮込みは満腹になるものだった。どうせ、幼児連れにはゆっくり味わう食事など無理。
これで1泊2食で1万2000円はなかなかのお値打ち。幼児連れの間は再訪したいと思わせる。