15年来も憧れてきた念願の有形文化財の宿、渋温泉 金具屋の湯

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金具屋の有名な姿が外から見上げた構図。右はロビーなどのある増設棟で、総木造四階建築の姿を眺められるのはここからだけとなる。

 

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まさに歴史の宿。

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宿で貸与される手形と鍵で温泉街の無数の外湯を湯巡りすることもできる。

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源泉が熱いので夏場はそういくつも入浴する体力がもたないが、そぞろ歩くのは楽しい。

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行き交う人達が浴衣なのが良い。下駄の音が響く。店の人は浴衣を見るだけで、ああどこそこ旅館のお客さんね、とすぐ見抜く。

 

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射的に温泉卓球

 

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もう至る所に外湯が散在する。

 

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巨大な芸術折紙を所狭しと陳列している店があった。昼間は体験もできるらしい。

 

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金具屋以外にも風情のある宿があちらにもこちらにも。

 

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とても狭い山合いの温泉街なので、建物の密度が高い。裏路地を歩くと源泉から温泉を引くパイプがある張り巡らされていたりと異世界を覗けて楽しい。

 

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で、肝心の金具屋の風呂へ。

「斎月の湯」という貸切露天風呂へ入った。ここは館内に6箇所もある貸切露天風呂の中で最も大きく、最も新しい。貸切風呂はどれも空いていれば好きな時間に何度でも入ることができる。

 

壁には芸術的なタイルで富士山が描かれている。雲間の月のように見えるのは円窓で、外へと繋がっている。

 

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天井にもぽっかりと穴が。雨の当たらない箇所へ通気孔として常時解放されているようだ。

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湯船は花形で優に8人は大人が入れる規模。家族で借りるには十分すぎるほどの開放感だ。洗い場も、シャンプーやボディーソープも備え付けられている。ちなみにシャワーの温水は温泉湯だ。

 

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こちらの脱衣室は改装されてモダンレトロ。

 

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こちらは大浴場の鎌倉風呂。とても雰囲気があって素晴らしいのだが、何せ湯温が高い。大浴場な手前、水で薄めるのも憚られる。

 

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こちらはもう一つの大浴場、浪漫風呂。鎌倉風呂とこちらが常に男湯か女湯となっており、深夜0時でもって切り替わる。

 

この手の古い旅館には露天風呂がないんだよね、と思うことなかれ。男女別の露天風呂もある。

 

難点は湧出温度96℃の源泉掛け流しなので、基本的に熱い。大浴場や露天風呂は浴槽も大きく、水を入れて薄めるわけにもいかないので夏場は熱くて入れない。しかし6箇所の貸切風呂は水で薄めて入る前提なようで、自分好みに調節して長湯できるのでありがたかった。

 

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部屋食の宿泊プランもあるようだが、「飛天の間」で食べるのがやはり気持ちが良い。

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志賀高原IPAを飲みつつ

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舌鼓を打つ。

 

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典型的な昭和の旅館のご馳走といった感じ。

 

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海のない立地で美味しい刺身を求めて苦労するよりも、岐阜の奥穂高の温泉で感銘を受けた朴葉味噌焼きのご馳走のように郷土料理を主体にしても良いのにな、とは思う。

 

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美味しかった。何より、これでもかというぐらいの量がある。いろいろな意味で昔懐かしい旅館のご馳走だ。

 

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チーズケーキと巨峰。幼児メニューにも同じものが付いていたそうで、出し忘れたとのことで部屋まで届けてくれた。

 

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朝御飯はお腹に優しく、黄身だけを混ぜる山芋掛けご飯。焼魚だのが何品も出なくて、あっさりとして良かった。

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金具屋に泊まるにあたって、ジャランやらの口コミもあれこれ読んだ。素晴らしいとの声も多いが、女将の愛想が悪いだの、若当主に気分を害する対応をされただの、食事が期待はずれだの悪評も書かれていた。

 

確かに食事は目玉というほどの感動や斬新さはないかもしれないが、楽しめるものだった。当主の館内ツアーの説明も良かったし、台湾人や東南アジアからと思しき従業員も誠実そうで頑張っていた。他の日本人の従業員の方達ま写真を撮りましょうか、だとかあれこれ世話を焼いてくれた。

 

この宿にも不満タラタラな人もいるのだな、というのが驚きだった。これで文句を言われるのだから、客商売というのは大変だ。