ロッキー一作目に肩を並べる名作。スタローンがラズベリー賞での名誉回復賞をもらうだけある。確かに声が上がっていたようにアカデミーの主演男優賞はもうこれが最後かもしれないスタローンのほうが収まりが良かったとさえ思う。
なんだか涙もろくなった。
困難を乗り越えていく物語なのだろうけど、仕事もできて、継母は大金持ちで、ロッキーにコネがあって、アメリカでのたった1戦の戦歴で世界チャンプに挑戦でき、一夜にして名を上げて。。。出来過ぎだ。彼の苦悩を丁寧に描くから感情移入して応援しながら見られるけれども、傍目から見たら全てを持っている異世界の理屈では説明のつかない幸運な人にしか見えないのだろうな。
ロッキーのいたジムの旧友の息子。コツコツと17戦を積み上げた息子。ロッキーには全く興味を持って貰えず、トレーナーも引き受けて貰えなかった。そのくせ、ふとアポロの息子が現れた途端にトレーナーを引き受けたロッキーに踏台にされていく。ロッキーにとても礼儀正しく挨拶をした彼がなんだか切ない。物語の主役ではないのだ。華を持ってないのだ。
栄光のロッキー・バルボアも寂しく描かれる。エイドリアンを追って死にたがっているように映る。
名声や成功が幸せをもたらすわけでもない。その過程や生き方が名声や成功として実るだけのことかもしれない。後悔なく自分の大事なものを大事にし続けた人生ってのが幸せなのかね。
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