1か月後 雑記 何をきっかけに鬱気分を抜け出すか

2020年の2月はここ数年で最低な1ヵ月だった。

 

久しぶりにハラワタが煮えくり返る思いをしていた。それなりの地位にある者には人格が伴っているべきという私の勝手な期待の押し付けといえばそれまでの話だ。退職願をバーンと叩きつける妄想を脳内で繰り返した。



機嫌が悪い時にはあれこれが癇に障る。このご時世でも満員電車でマスクもせずに咳をし続ける男なんてのが毎日のようにいるもので、私はあの咳をする男にすごい嫌味な視線をぶつけていたに違いない。咳が出るのにマスクをしないことを許さずに怒っていたのではなく、彼に非があると左脳で確信して怒りをぶつける相手が見つかっただけなのだろう。本質的には八つ当たり。

 

 それにしても周りに期待せずに、自分に諦めず希望を持つというのはなかなか容易では無いものだな。




子供と親密に過ごせるのはせいぜいあと5年程度だからそれを充実させよう。だから余裕のありそうな仕事内容に妥協しても良いのではないかと思ってみたり、

 

現状なんぞ投げ出してやれ。そもそもそんな石橋を叩くような慎重な姿勢で生きてきていないではないか。自分を追い込む進路を選んだ方が常に結果は正解だったではないか。今、仕事で自分を追い詰めて成長させないとしんどい50代が待っているのではないかと思ってみたり、

 

成長が目的化していやしないか。ガムシャラに仕事する先にあるものをそもそも私は求めているのかと自問自答してみたり。正しい努力ってものがある。ただ全力で走ればいいってものでもない。そうも思ったり。

 

なんてことはない、2年前から陥っている中年クライシスの波。繰り返されている波の少しばかり大きいやつ。

 

あれこれ考えて悩んでもどこにも辿りつかず、世間体、良い業績評価、理性にまだまだ囚われていることを痛感した1ヶ月。なるようになるし、ならぬものはならぬ。両転び。どちらにころんでもOK、正解という状況と精神状態を作り出すのが吉だろう。早まらず、その場の感情に捕らわれずに食べて寝て時間を置いてからまだ同じ気持ちかを確認するのも重要。


西加奈子サラバ!

ここ2年ほどで最も心に刺さった小説。海外生活やらあれこれ親近感を感じる境遇だから一層、共感の持てる葛藤や焦燥。

「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけない」

妻であれ息子であれ、人の人生を代わりに生きることはできない。


五十嵐大介「リトルフォレスト」

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「自分が感じたこと考えたこと 自分の責任で話せることってそれだけだろう?」

「なにもした事がないくせになんでも知ってるつもりで他人が作ったものを右から左に移してるだけの人間ほどいばってる」

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今回、もやもやが払拭できたのは上記2作のおかげかな。


それにしても西加奈子の「サラバ!」に寄せられた又吉直樹のあとがきがこれまた素晴らしすぎた。


本の重さ数100g、体積にして100立方センチメートルに満たない質量の中に閉じ込められた世界の大きさたるや!