これまた半年近く、窯場に置かれていた大雀蜂鉢。オオスズメバチバチは声に出すと語感が悪い。
生きた大雀蜂は外で見かけただけで危機感を感じる。こちらを見ながらホバリングし、大顎をカチカチ鳴らされた日には冷や汗が出る。そんな凶悪、獰猛な大雀蜂の禍々しさが少しは感じられる見た目になったと思っている。
鉢を横に倒して写真を撮ると、蜂が壁にめり込んでいるかのよう。
毒針が鋭いままに焼き上がってくれたのは良かった。
蜂も蟻も近縁だからタイワンアリタケなどの菌に寄生されたりするのだろうか。タイワンアリタケは蟻に寄生すると筋肉系に侵食し宿主を高い木の小枝まで登らせ、菌は何某かを分泌して顎の筋肉を強制収縮させて枝に噛みつかせて絶命させる。その後、後頭部を突き破って子実体を作り、樹下の蟻に胞子を降らせて次の宿主を探す。もう調べていても書いていてもホラー。 脳や神経系を則ることなく筋肉を操作するというのだから、蟻からしたら恐怖。意識とは反して体が動いて死んでいくのだから。
蜂に寄生する冬虫夏草「ハチタケ」をリアルに作るならば腹からではなく頭から生えさせた方が良いのかもしれない。次回要検討。
大雀蜂鉢は脚が細く混みあっているので植える植物は根元がすっきりしたものがよい。あまりアクが強くない植物。
そこでカランコエ「仙女の舞」を選んだ。なぜか「仙人の舞」よりも「仙女の舞」のほうが毛深い。茎が一本、すっきりとまっすぐ伸び、先に黄金色のビロードのような毛を生やした葉を広げる。
蜂のサイズに対して随分と立派な多肉植物が植わった。根を整理して挿し込んでいるのだが、無事に根を張ってくれることを願う。