4月中旬の緑道 なぜ年を取ると花が好きになるのか説

在宅勤務が続くと毎日数時間の通勤時間がなくなり、かわりに朝や昼に近所を徘徊する時間が増える。週の大半を在宅勤務できるような社会を目指すべきかもな。それこそが働き方改革

 

それにしても、年取ると植物や花を愛で始める爺さんが多いのはなぜなのだろう。そしてこの年で踏み入れている私は60歳、70歳になって何に新たに興味を持つのだろうか。

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 「乙女桜」という紅葉の芽吹きが今年も鮮烈に紅い。桜なのか紅葉なのか紛らわしい名前。

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乙女桜が綺麗な時期と藤の花の時期は重なっていなかったように思うのだが、今年は暖冬の影響もあってか4月中旬で藤も咲きだした。藤ばっかりは近くで見ると豆の花感が強いので遠目で見るべき花だと思う。 

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 あまり洋花になじみがなくて知らない花。

 

ところで、なぜ年を取ると花が好きになる人が増えるのか。定年後に花を育てたり花の写真を撮る人など、特に男性にその変化は顕著だという。この現象に名前はあるのか。誰か教えてほしい。

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 花期も終盤のシャガ。著莪。学名はアイリスジャポニカだから、シャガこそが日本ならではのアイリスと世界的には認識されてるということかね。カキツバタでも菖蒲でもなく。

 

年を取って花が好きになる説をいくつかネット上から拾ってみた。

1.年を取ると動的なものから静的なものを好むようになる。盆栽、花、写真など。→わからんでもないがなぜ静的なものを好むようになるのだろうか。

 

2.単に気持ちと時間に余裕ができるから。(元から潜在的に興味があった?)→余裕ができることで目が向くようになるものはあるだろう。しかし、なぜその対象が花なのか。台数幾何学(生活に直結しない奥深い世界)でも座禅(誰でも手軽にできる)でもボランティア(他の人に喜んでもらえる)でもなく、なぜ花に向かいがちなのだろうか。

 

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 これまた名前の知らない洋花。なかなかどぎつい。

 

3.年を取ると「花・鳥・風・月」の順に愛でるようになる説。何故かは説明していない。タモリ氏はもう「月」の段階までたどり着いたとか。→そういわれるとバードウォッチングは年齢層が高い印象。さらに突き進むと風を愛でるようになるのか。風流。多肉植物とサボテンが入っていないことに疑義あり。なぜ花鳥風月かは依然、謎。

 

4.目の老化に伴い、花がより(相対的に)綺麗に見えるようになるから。→未だに両眼とも裸眼1.5なので老化に伴って好きになったとは思わない。 綺麗なものに惹かれるだけならば単に綺麗な写真でも構わないのでは。

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 ひとつ前の写真と同じ株なのだけれどもこちらは花弁に筋が入っている。

 

5.自分から美しさが失われるにつれそうであるものへの憧れが増す。→最初からない美しさを花に求めているというならば、私が若くして花も好きな理由としては納得できる。しかし自分にない美を補完したいという発想は私には湧かないのであまり腑に落ちない。

 

6.人間の醜さや汚さを見続け、そうでない花に惹かれるようになる。→花とてグロテスクだし枯れた後の姿は侘しく汚いとも思う。しかも花は花を勝手に摘むような身勝手で醜悪な人を引き寄せる。

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躑躅に日日草の競演。 

 

7.育てる楽しみがある。子育て中は子供という最大の育てる対象があるが、巣立った後の淋しさに花を育てる楽しさが嵌る。→子育て真っ最中だが、それでも花やサボテン、メダカや泥鰌も育てたいと思う。育てることに喜びを感じることは同意。

 

8.死後の景観への興味から。→欧米人は臨死体験中に花畑を見る傾向にあるが日本人は三途の川が多いらしい。花が死後の世界として認識されているとは思い難い。重病の人はより花を好むのだろうか。

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 コスモスにしか見えないのだけれども、コスモスは秋に咲くのではないのか。狂い咲きなのか、見た目の似た花なのか。

 

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 木蓮も5月の印象がある。

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 オオツルボ。大蔓穂。

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山吹。

 なんだか3月、4月、5月の花が一遍に咲いている印象。

  

私なりに花が好きな理由を考えてみると

  • 色彩や形状が多様で面白い。別に必ずしも好きな理由が「美しい」からだとは思っていないが、目の届く範囲内ですら植物の多様性の豊富さは驚異的。
  • 芽吹き、蕾、開花、結実と形態変化が著しい。短い期間で育て、変化を楽しむことができる。
  • 変わらない日常で季節の移ろいや時間の経過を気づかせてくれる。「お。もう咲いたか」「もうこんな季節か」
  • 枯らしても罪悪感を感じづらい。人間の都合で振り回し、悪い結果になっても責任を感じないので気軽に親しむことができる。
  • 生命力が強く、生き物に比べて世話する頻度が少なくて済む。価格も生き物に比べて安く手に入る範囲が広い。
書き出すと露骨な身勝手な理由かもしれないが金魚でも死なせてしまうと悲しみや罪悪感は強い。植物はその心理ハードルが低く、それでいて変化や育てる楽しみが得られる点が親しみやすさだと思うのだよ。自分だけだろうか。