映画「鉄道員 ぽっぽや」

鉄道員の自己陶酔が理解できない。

駅員の代わりなんてどうにでもなるんだから家族を大事にしろよ。代わってくれる人はいるから、少しは甘えろ。

娘の最期に立ち会えよ。

苦労をかけた妻の最期に立ち会えよ。

後悔だらけじゃないか。

1歳で亡くなった娘が幸せだったなんて言いにくるわけあるか。

 

「ぽっぽや」だからとか何言ってんだか。「不器用だから」なんて努力を放棄した怠慢じゃないか。

 

中学生になろうかという女の子が定年間際の駅員に目を瞑らせて口移しで珈琲牛乳を飲ませて「キスしちゃった」と浮かれるなんて気持ち悪すぎるオヤジの妄想が過ぎやしないか。

 

高倉健も鬼籍に入った。

筑豊炭田が廃坑になって流れてきた男を若い志村けんが熱演していた。

小林稔侍が定年後に職をもらうというトマムのリゾートホテルは今や売られ中国資本の手に。

廃線になった北海道の鉄道は瞬く間に原野に帰る。

 

いろいろと観ていてしんどい映画だった。何の為の発展なのだろう。グレタさんが指摘した「私たちは絶滅に向かっているのに、あなた方が話すことはお金の話か、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり」という強烈なフレーズが脳内再生される。

 

エンドロールの坂本美雨の透き通った声が染み込む。