荻窪は印象に乏しい街だと感じていた。中野、高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪、吉祥寺それぞれの個性に比べると特徴がつかめにくいし名所に乏しい。その印象は総合的には変わらないのだけれども、荻窪には何があるかと聞かれれば太田黒公園とこの「Chamber Of Raven」、教会通り、杉並アニメーションミュージアムが頭に浮かぶ。この「Chamber Of Raven」は荻窪を代表する名所認定してしまってよいかと思う。
これらに興味があって、コロナに万全の配慮がされていて安心して食事できるカフェレストランを求めている人には最適。
外観からして店舗建築なのだろうか。それとも転用できそうな洋館を大がかりにリフォームしたのだろうか。
完全予約制。大きな両開きの扉を開けて入ると世界が変わる。ここまで作り込んでいるとは驚嘆。ハリボテ感を感じさせない濃密度空間。
流石にレプリカだろうが、こんな巨大な骨格標本が階段ホールに鎮座する。東京駅前の東京大学博物館インターメディアテクに通じる雰囲気。
階段には様々な絵画がかけられている。
白梟の剥製が階段から張り出した止まり木に鎮座。顔を傾げ、躍動感のある生々しい剥製。剥製は埃を被ってカビたような残念なものが多いが、ここの剥製は質が高い。
本棚に止まる印度孔雀。光沢ある羽根模様が煌めく計算された照明設定。高架の書棚にかける梯子も角に鉄飾りが嵌っていたりと細部まで手が込んでいる。
天井の装飾まで抜かりがなく、博物蒐集趣味のある貴族の館のよう。
ユニコーンの木馬。少しコンセプトに外れていても、アンティークとして調和して溶け込んでいる。
映画を観たことも本を読んだこともないのだけれどもハリーポッターの世界はこんな感じだろうか。私にとってはナルニア国物語であり、ジュールベルヌの世界。
チェックのタイルが良い。ヘリンボーンの木床なんかにしてしまいそうだが、暗く成りすぎるのでこの白黒チェックがバランスが良く感じる。あくまでカフェレストランなので飲み物をこぼしてしまったりすることを想定するとタイルの方が機能的だ。
卓越した先達がその深い造詣の世界に案内してくれるような店。
完全予約2時間制
12:00〜19:00 (コロナ期間中の変則か)