門からの並木のアプローチが美しい
紅葉の大木が見事
樹肌が苔生した古木がたくさん
正統派な和のしつらい
大田黒邸リビングの壁紙が秀逸
池の錦鯉が立派
錦鯉への餌遣りが楽しい
入場無料
荻窪にこんなに癒される公園があったとは。
和風な立派な門を抜けると
新緑とはこれだと言わんばかりの清涼な銀杏並木。銀杏の新緑はこんなに爽やかだっただろうか。
竹林が綺麗に維持されており、おそらくその竹を用いて柵などが更新されている。
管理の楽なプラスチック製が使われてしまいがちだけれども天然素材製はやはり良い。京都に住んでいた頃には散歩先にこんな光景が溢れていたのだよな。子供が巣立ったらまた住んでみたい気持ちはある。
大田黒邸のリビングのまるで金箔、銀箔を押したかのような壁紙。薄暗い中で鈍色に輝いて秀逸だ。これと同じ壁紙を自宅のどこかに採用したい。
暖色で撮ってみると黄金感が増す。
どこのメーカーのなんて型番だろう。
スピーカーからクラシック音楽が流れている。大田黒氏は著名なピアニストであったらしい。しかし門から家屋まで立派な並木道を通るような広大な敷地はピアニストとしての財では築けない。経歴を見ると父は芝浦製作所、つまり東芝の前身会社の経営を立て直した実業家である大田黒重五郎だそうだ。重五郎氐と学友であり親友でもあった二葉亭四迷の「浮雲」は重五郎氏をモデルにしているそうな。
広大な日本庭園、茶室、池。42年前に亡くなった大田黒氏の私邸と敷地をほぼ現存保全しているそうな。これだけのものはやはり実業家の父の遺産に負うところが大きいのか。
苔生した古木。これがイロハモミジだとは俄かに信じ難い。樹齢100年やそこらではこの太さにはならないので、どこかから移植されたものなのか。
水面に映る紅葉も美しい。
松の樹肌の美しさたるや。緑青を吹いているような藻苔類。緑青銅釉を使ってこんな風合いを再現してみたい。
桜の古木だと思うのだが、どのようにしたらここまで苔が生してかつ、住宅街の中の公園なのに維持できるのだろうか。
柑橘類に竹の柵。どこを向いても写真映えする風流な光景を見つけることができる。写真散歩に好材料な公園。
日本庭園の池も立派なのだよな。紅葉の下を泳ぐ錦鯉。
しかも錦鯉の色が多彩で見事。新潟から贈られたものであるらしい。
一袋100円で鯉の餌が売られている。過食にならないように数量は限られているので餌は午前中でないと売り切れてしまう。必死にパクパクとせがむ姿が愛嬌があってあっという間に30分経っているぐらい地味に餌遣りが楽しいのだが、こんなに立派な錦鯉に餌付けできることもそうはあるまい。
暗いところで見ると、キラキラと雲母のように輝く。
ドビュッシーを始め数多くの作曲家を日本に紹介した西洋音楽の大家であるそうな。この素晴らしい日本庭園と洋館を訪れて始めて大田黒元雄という人を知った。地位と名声の理想的な後世への残し方だと思う。
立派な巨木紅葉が紅く染まる秋にまた来たい。