オスマントルコ式「東京ジャミィ」

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自宅から息子達と自転車で下北沢の東京ジャミィにサイクリング。4kmほどの距離だった。

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東京にもこんなに立派なモスクがあるのだね。イスタンブールの通称ブルーモスク、スルタンアフメットジャミィに少し似ている。

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100人近くのトルコの職人が1年近くかけて内装資材も殆どをトルコから輸送して作り上げたのだそうだ。

ふと思い立って東京ジャミィに子供達を連れてきたのは遠藤周作の「沈黙」をマーティンスコセッシが映画化した作品を見て、子供達には様々な宗教が世の中にはあることを知って寛容になって欲しいと思ったからかもしれない。子供達にイスラム建築や美術の素晴らしさを知って欲しかった。ここは自由に写真も撮らせてくれるので、子供達も自分にも写真を撮らせてくれと興奮していた。あっちの綺麗なところを撮らなきゃ、こっちも撮っておこうと。何か感じてくれるものがあったようで何より。

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14:30からは無料の見学ツアーがある。案内の方曰く、明治維新の時に化学、軍事、法律などあらゆるものが欧州から導入されたが残念なことに欧州視点からのイスラム教への偏見も導入されてしまったのだと。妻を4人娶れるといった曲解誇張されたことばかりが広がったのだと。

私は曲解や偏見以前に単純にイスラム教が日本では知られてなさすぎるだけだと思っている。

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イスラム寺院にも賽銭箱のようなものがある。昔はデーツの実が置かれており、食べるに困っている人への施しだったらしい。それがオスマントルコ時代にはお金の賽銭に変わった。日中に余裕のある人はお金を神に対して喜捨する。貧しい人は夕暮れ時にそれを賽銭皿から必要量だけ頂く。神社の懐に入る神社の賽銭箱と違い、喜捨された賽銭は神に捧げられたものであり、救いが必要な人が持っていって良い。

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原種チューリップが描かれることの多いトルコのアンティークタイル。原種チューリップはトルコなどの中央アナトリアが原産。それをオランダが品種改良して手広く商った。


併設の文化センターではイスラム教の授業が行われているようだ。f:id:mangokyoto:20210703135755j:plain

さらにはカフェもあり、食事やチャイ、甘味も楽しめる。こってり甘そうな見た目に反して、甘さは控えめでかなり美味しかった。左がレモンとヨーグルトのケーキ、右が薔薇のケーキ。トルコはバクラバなど強烈に甘い菓子が多く、これは完全に日本人の味覚に合わせたものだと思う。近所に売っていたら買いたい美味しさだった。

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ハラルフードのスーパーも併設されている。子供達がデーツの実が気に入ったので一袋お土産に買って帰った。干し柿のようでほんのりした甘さが美味。


カフェには中東を題材にとった漫画もあれこれ置かれていた。森薫さんの「乙嫁語り」は民族衣装や文化の描写が素晴らしい。そのうち、自転車で来て漫画を読み漁りに来たい。


旅行に行けないけれども旅行気分を味わえた。