梅、桜、椿 花散歩

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高円寺の梅里公園には無数の梅が一本一本に品種名の名札をつけて植っている。梅の品評会のような公園。
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この品種はある方向性においてとても魅力的な梅なのだと思う。枝に連続してみっちりと咲き桃色の枝となる。花色も華やかで花期も長い。
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幼稚園のお遊戯会に出てくるようなピンクのティッシュで作った花を木の棒につけたような、言うなれば梅の容姿の目指す究極形とも言える。
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個人的にはあまり好みではない。一輪一輪の花の輪郭がしっかりと見えるような花が好きだ。花の数で持って埋め尽くすようなタイプは好みではない。好みではないけれどもこの梅が素晴らしい品種であることは理解できる。
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植っている木の数が最も多いのは梅の専門家もその優れた容姿を認めているからに違いない。それにしても未開紅という品種名が華やかさに欠けると感じてしまう。もっと豪勢な、あるいは雅な名前にしたらよかったのに。
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柔らかに優雅に湾曲した枝を多く出す「酔心梅」は好みだ。花が連続しつつも重なり合わないぐらいの加減がある。色も華やかだ。
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近くで見ると白や紅が複雑に混ざっていて表情豊かなのも良い。濃い紅の蕾が咲くと白と紅に広がる。これで八重ではなく五弁のシンプルな花だったならば完璧な好みだ。
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酔心梅は文字通り心を酔わせる梅だ。
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これもなかなか、と唸らせるのは鹿児島紅。枝に重なるような花付きだが、他の梅には見ない紅の濃さがある。そして蕊がブラシのように長い。
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数は少ないが白梅もいくつか咲いていた。花を見せるタイプの梅ではないようだ。
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織姫という可愛らしい名前の梅は梅干用の品種とのこと。残念ながら梅干用の梅は殆どが白花で「月世界」という品種が珍しく淡い紅色だ。

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他に類を見ない可憐な桃色は紅筆。
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そしてとりわけ濃い紅といかにも梅らしい一重咲きの佐橋紅。
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梅里公園の梅はまだ3〜4分咲程度でこれからが見頃だ。
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散歩していると風情ある和建築の民家の壁の上から素晴らしい梅の枝が伸びていた。
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見事な花梅はなんという品種だろうか。辛子色の抑制の効いた背景色にとりわけ映える。
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大久保通り沿いの紅桜も咲き始めていた。
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花弁が重なった箇所がとりわけ濃く見えて五芒星を描く。
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風車のように回転させたくなる洋椿。
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こちらも薔薇のような色合いの銘花。
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私としては、これが椿。さらにいうならば花がここまで開かない筒形の「侘助」のような藪椿が好みだ。

 

散歩の楽しい季節になってきた。