この春はもうこれ以上は梅の記録は要らないと思っていた。しかしこの光景と出逢ってしまうと記録しておかないわけにはいかない。
Breath taking、息を呑む美しさというやつだろうな。まるで夜桜のような、それでいて夜桜よりも濃い紅色。
この梅を夜に楽しませるためにあるかのように街灯が寄り添って立ち、逆光で花を照らす。
街頭の丸い光が月のようでもある。撮るたびに色味が変わって写るので、どれが本当の色なのか。
芝生に座って酒を飲む。夜桜に比べて夜梅はまだ気温が低い季節だけれども無人の静けさを独り占めできる可能性が高い。
狂ったような咲き乱れ。
「未開紅」が遠目に観ると上向きに走らせた紅色の筆跡のようで素晴らしい。全くもって素晴らしい。
「烈公梅」はこのような雄蕊の長い淡紅の梅だった。確かに名前負けしない烈々しさ。
そして流れ落ちる滝のような枝垂白梅。
眼福、眼福。
昼間に梅の品種と花を見て回るのも良し、
夜にライトアップされた梅を眺めるも良し。
梅里公園が杉並で一番の梅の名所と断定して良さそうだ。