社会科見学旅行。香取神宮、伊能忠敬、Coedo佐原

子供の要望で社会科見学旅行

香取神宮で「すずめの戸締り」にもでる「要石」、東郷平八郎の揮毫などを拝見

小江戸「佐原」の映える街並みを堪能

・50歳を過ぎてから日本全国を測量した偉人伊能忠敬記念館を見学

・川沿いのワーズワースで舌鼓

・最も古い様式の銭湯「金平湯」で温まる

・素泊まり宿「コエド佐原」で自由にくつろぐ

・佐原名物の最上白味醂を用いたハイボールを飲みながら漫画三昧

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圏央道、関越道方向への自動車旅が多いが今回は首都高を抜け東関東道を通り自宅から2時間ほどの香取佐原ICで降り、香取神宮へ。

雨の日だったが桜が満開。
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息子が「黒金でカッコいい神社だね」と珍しく神社に感想を言うほどに風格のある神宮。
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奥の院の要石も見学した。水戸光圀公が7日間掘らせても掘り上げられなかったという地震を鎮めているとされる霊石があり、「すずめの戸締り」の映画でも要石が登場することもあって子供の関心もあった。

 

国宝館には軍艦香取の船首に付けられていた巨大な菊紋飾りや東郷平八郎揮毫の扁額など日露戦争縁の品も複数展示されていた。日露戦争当時は隣国の某北の国と変わらぬほど日本国民の暮らしは貧しかったが顧みず国家予算のかなりの割合が兵器の購入や戦費に費やされたこと、ロシア帝国に負ければ奴隷化や搾取は苛烈だったであろうこと、当時は日本はアジアの小国でバルティック艦隊有する大ロシア帝国の圧勝だと欧米の国々は予想していたこと、日本に敗戦したことでロシア革命が起き皇帝一家は処刑され体制が一新されたことなんかを話した。今、ロシアがウクライナを侵略している現実もあって子供達は興味深そうに聞いていた。

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下総國一之宮、つまり下総國というお国で最も格式の高い筆頭神社というわけだ。飾りのない簡素な御朱印に誇りのようなものを感じる。
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参道沿いに小洒落たカフェもあって惹かれたが子供たちは和食が所望らしい。
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昭和元年創業の蕎麦屋「栄亀庵」にて昼食。
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蕎麦は無論のこと親子丼も名物らしいが、鶏インフルのせいで玉子丼になってしまうとのこと。そこでカツ丼を頂いたのだが美味しかった。蕎麦屋の丼ものが美味しいのは何故なのだろう。
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そこから10分そこら車に乗って佐原に到着。有田の古い街並みを思い出す古い木造商家が並ぶ。
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時折、石造りの洋館があったりととても好みの街並みだ。
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佐原の顔とも言える小野川に出た。舟めぐりといって小舟に乗って川を往来できる観光舟があるのだが雨で中止だった。
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天気が良い夏の日に浴衣で散歩するのも気持ちが良いだろうな。
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ビジュアル的には100点満点の鰻屋。かつては霞ヶ浦で鰻がたくさん取れた関係で、また商業で栄えたこともあり鰻屋が多いらしい。今となってはほとんど地場の鰻ではないそうではあるが。

伊能忠敬記念館では佐原が醤油や清酒の名産品を川を利用して江戸に運んで交易で栄えたこと、伊能忠敬が非常に商売に秀でており伊能家の資産を三倍に膨らませたこと、伊能家は名家であり初期の測量旅行は私財を費やしていること、測量の旅に出たのは50歳過ぎだと言うこと、伊能忠敬が測量したことで完成した国禁の日本地図をシーボルトに渡した罪で死罪となった江戸幕府天文方の高橋景保伊能忠敬の測量を支援し監督した男であることなどなどあれこれを学べた。

 

当時は40歳を過ぎれば隠居する人も多かったこと、10代後半で結婚し20代前半には数人子供がいて40歳を過ぎる頃には子供が成人していたこと、子供の死亡率も高く子供の数も多かったことなどを話した。当時の50歳は人生の黄昏時だ。50歳からあれだけのことをできたことを思うと私ももっと自由にこれまでと全く異なる何かに挑むこともできるはずだと思えてくる。伊能忠敬には自ら増やした潤沢な資産があったことは忘れてはならないが。
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また天気の良い季節に再訪したい街だ。
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通り沿いに虎屋という和菓子屋を発見。京都に本店のある羊羹の虎屋とは関係なく、佐原に1657年創業の名店。店構えがとても私好みの清廉、渋ちん。
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和菓子型のディスプレイも惚れ惚れ。
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苺のゼリーの上にビールの泡のように白い生クリームが乗った豪華なゼリー「食べるいちごびぃる」とどら焼きの間に苺や餡、生クリームが山盛りの「虎壱號」を購入して宿に持ち帰って食べることにした。
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美しや、美味しや。値段は1つ700〜800円と全く可愛らしくはないのだが、宿泊代が懐に優しめなので奮発。
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宿で2時間半ほど甘味を食べて休憩し、夕方に再度散策。
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懐古趣味に張り付けたのではなく、昔からただひたすら貼ってあった看板なのかもしれない。
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目的地は「ワーズワース」という風情ある木造のイタリアン。
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メニューもかなり豊富で近所にあれば通って開拓したくなる。パスタグラタンが大絶賛だった。
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食後には歩いて3分の距離の昔ながらの銭湯で温まって帰ることにした。入口で左右に女湯、男湯に分かれる伝統的なスタイル。磨りガラス戸を引き開けると男女双方の脱衣所を見渡せる高台の上に座るおばちゃんがおり、入湯料を払う。石鹸20円、貸しタオル20円だったかと思う。ここ数年のうちに一新したであろうタイルが清潔感に溢れつつもレトロなイメージを全く損ねない。電気風呂や泡風呂などもない湯船2槽、6人入ったら狭いぐらいのシンプルな構成。湯温は42℃を超えて子供達には熱いぐらいだったが短い時間で芯まで温まった。
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宿はホステルコエド佐原という素泊まり宿にしたのだが新しく清潔で自由度があって快適だった。
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食事は出ないが共同キッチンがありお茶やコーヒーを勝手に飲んだり食べ物を持ち込んで食べたりは自由だそうだ。
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漫画が棚にぎっしりで「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「SPY FAMILY」「東京リベンジャーズ」など最近の人気どころを網羅。流行りものが好きな次男は「SPY FAMILY」を、長男は暴力的な漫画は好きではないそうで読む漫画がないといって最終的には「働きマン」を読んでいた。確かに最近の人気漫画が過激な暴力に溢れているものばかりだと気づく。
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部屋はシンプルにして清潔、快適。部屋に2人がけの机、ハンガースタンドなどがあり、トイレとシャワーもついている。
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美味しい飲食店が徒歩数分の距離に無数にあるならば食事は提供せずに素泊まり宿にするのはアリではないか。この設備と快適さで1泊1人4500円は魅力的だ。雨なので利用しなかったがレンタサイクルもある。
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食事は出ないものの、酒や飲み物は注文できる。
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佐原名物の味醂を用いたハイボールが気になり、注文してみた。
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かなり甘めの味醂ハイボール。悪くない。これを飲みながら21時過ぎまで子供達と漫画を読み耽り、寝た。