ミヤマクワガタの不条理な死

 

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2021年の夏に秩父で子供たちと採集したメスが産卵したものを孵化させ2年かかって2023年にようやくミヤマクワガタを羽化させた。
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瓶の底で蛹化すると羽化時の水分が床に吸われずにベシャベシャになり羽化不全を起こしやすいと聞いてひっくり返していた。

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それが悪かったのだろうか。羽化後に身体も黒くなって外殻も硬化した様子だが全く動かないので取り出してみたらクビがグラグラとしている。死んでいる。ここまで綺麗に羽化不良を起こすことなく羽化できているというのに。
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亡くなっている。2年かけて育てた最も大きな個体が元気に動く姿を見ずに見送ることになった。悲しく虚しい。

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高円寺の「むし社」に持ち込むと標本にしてもらえるそうなのでお願いした。死後の良好な状態だと2200円ほどだが腐っていたり状態の悪いものだと3450円ほどかかる。死んだばかりで状態は良いと思っていたのだが、クビがぐらついているのはもう腐っているらしい。ただ腐臭はしないと。標本にできるか微妙なところで内臓は取り出さないといけないかもしれないとのことだが標本化を試みてくださるそうだ。

 

第一内歯と呼ばれる顎の付け根から一番目のトゲが大きく発達したフジ型のようだ。それに対してエゾ型は第一内歯が小さく顎の先端の二股が大きい。これからはエゾ型、フジ型をしっかりと造り分けられるようになった。
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器に入れて腐れるにまかせて経過観察してみたい思いもあるが、初めて採集、産卵から2年の幼虫期間を面倒みたミヤマクワガタの個体なので標本として目の届くところに飾れるようにしたい。

 

亡骸となって風化したミヤマクワガタを作りたい。