外国からのお客さんの接待に使われることの多い六本木の「権八」へ。ここはクエンティンタランティーノ監督映画「キルビル」の大乱闘シーンのロケ地として知られている。
キルビルって何年前の映画だよ。調べると2002〜2003年の映画なのでもう20年以上も昔となる。20年前の映画のネタで未だ賑わっているのか。
しかし考えてみたらもてなされる訪日外国人は40代、50代のお偉いさんが多いわけで彼らが若い頃にヒットした映画なのでむしろ妥当なのかもしれない。
ユマサーマンもカッコよかった。その後の映画に引き継がれる黒スーツにサングラスで刀を振り回すヤクザのテンプレートを広めた作品だとも思う。
ジョージブッシュJrと小泉首相来訪時の写真が飾ってあったり、流れているBGMはボンジョビだったり。割烹料亭のガチ繊細な和食はよく分からないし興味はないけれども、わかりやすいなんとなく日本っぽい有名な店に行きたいアメリカ人には最適なんだろう。予約客で満席で予約なしの客が外で並んで待っていた。印象として9割が外国人。残り1割の日本人はもてなし役の同行客という印象。外国人もアジアから来た客は少なく欧米あるいは豪からと思われる。
最上階には落ち着いた寿司カウンターもある。
「ッシャイマセー」
「ウェーイ」
「○×△ッシター」
店員が何かあるたびに大声で聞き取れない何かを叫んでいる。会話が聞こえないぐらい賑やかな店内。
揚げ物ばかりで、食事が出てくるのもとても遅い。飲み物をオーダーしたくとも店員が全然きてくれない。叫んでる店員は何十人もいるのに。食事の提供が遅すぎて来客は飽きてしまっていた。テンポは大事だと思った。
キルビルといえば栗山千明演じる「GoGo夕張」という制服女子高生が鎖付き棘鉄球をぶん回すキャラが鮮烈だった。前髪ぱっつん美少女といえばGoGo夕張、Go Go夕張といえば栗山千明だった。それにしてもGoGo夕張とはとんでもないサブカル悪趣味全開(タランティーノに対しては褒め言葉になるはず)なネーミングだと思う。映画公開数年後、2007年に夕張市が財政破綻したのは何の因果だろう。作中の栗山千明も鎖鉄球で、夕張市も財政でGoGoしすぎてしまったのか。
ちゃんと和食の繊細さ、深さを味わおうとしてくれる海外のお客さんを連れていくべきところでは断じてない。日本を代表する店と思われたくはない。しかし大事なのはお客さんの好みに合わせて喜んでもらうことだと思う。ルーマニアに行ったら悪趣味なドラキュラレストランがあれば行ってみたいし、中国にコテコテなキングダムやら三国志レストランとかキョンシーレストランとかがあれば行ってみたい。日本に来たからにはゲイシャサムライニンジャっぽい堅苦しくなく気楽に楽しめるとこないの?というのもわかる。
懐メロジャパニーズキルビルダイナーとして頑張って欲しい。アメリカ人サイズのどでかい神戸ビーフバーガーなんかを4000円ぐらいで出すのが良いのでは。ショータイムに女忍者がクナイを2階から舞台の的に投げるのとかウケルと思いますよ。