世界遺産城塞都市Cuenca

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マドリッドで王宮やプラド美術館を回るのも悪くは無いが一度行った場所を再訪するよりも行ったことのない場所へ行きたいというもの。

急遽日帰り旅行に出かけることにした。
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300km以上の速度で走るスペイン版新幹線で1時間の距離のクエンカへ。
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赤茶けた乾いた大地を走る。旧市街まで歩くと1時間半かかる街外れの新幹線駅に着いたがバスが30分は来ない。固定運賃12€と高いがタクシーに乗ってプラザマヨールへ。ちなみに帰りはバスに乗ったが2.5€。
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大広場に面するようにクエンカで最も高い丘の上にクエンカ大聖堂が聳え立つ。5.5€の入場料を必要としたがそれに見合う世界遺産の中核となる壮麗な大聖堂だった。

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入口近くには最後の晩餐の木像群。最初から見応えがある。ちなみに上がiPhone、下がコンパクトデジカメ。

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iPhoneは説明的に視界に入るものをすべからく明るく撮るのが手軽な気がする。一方、コンパクトデジカメは暗めの階調も被写界深度も丁寧、繊細に撮ることができるような気がする。使いこなせていないだけで設定次第かもしれないけれども。

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12世紀から建築が始まったそうで戦争で尖塔は焼失し、ファサードはそもそも未完成のままなのだそうだ。長い長い年月の中で歴史になりながら作られ続けてもいるということか。

窓越しの光を変えて降り注ぐ黄金色に照らされた堂内。荘厳で圧倒される。私が中世の教養もない貧しい農民だと神の存在を感じるのかもしれない。
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中央の左右にオルガンで挟まれた礼拝所もその権威の高さを感じる。オルガンが奏でられたらさぞ迫力があるだろうよ。
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外観からの建物の高さから想像できないほど奥行きがあり無数の礼拝所が連なって見所が多い。
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それぞれに趣向や様式が異なっていて教会装飾美術館ともいえる。
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1時間半ほど鑑賞してまわって大聖堂を後にした。
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適当にあてずっぽうで降りて行くと名物の鉄橋「san pablo」橋に辿り着いた。歩行者専用で谷底からかなりの高さがあり、手摺りの低いこと、大勢が歩くと木板が揺れるので少し怖い。

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その橋から眺めるクエンカの岸壁の上に聳り立つ家屋「casas colgadas de cuenca」が名物らしい。

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岸壁の上の高台にこんもりと盛り付けたように5〜6階建ての建物が建ち並ぶ。
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頼りなげな鉄橋を歩いて渡った先にはパラドールと呼ばれる城や修道院を改修したホテルがある。アンダルシアを新婚旅行で回った際に素晴らしいパラドールに何ヶ所も泊まった。ここも遜色なく素晴らしそうだ。一泊15,000円は全くもって高くない。

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対岸から見て孤立した崖上のお城のように見える建物がパラドール。教会が隣接していてそちらは現代美術館になっている。道路と渓谷の川がぐるりと180°囲むようになっているので眺望は抜群だと思われる。
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白黒のタイルが張られた回廊と広々とした中庭。

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中庭と建物越しに見える巨岩、奇岩がスペインらしさを増してくれる。
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バー、カフェテリアとなっていてビールを飲んでいる人がちらほら。
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大きな晩餐会に使われるであろう部屋も。
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窓からの景色も素晴らしい。赤茶けた岩肌と低木は数百年前から変わらないままで今がどの時代かを忘れさせてくれる。部屋からの眺望はさらに素敵なのだろうな。
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大広場に戻りテラス席で遅い昼食をとる。
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14€のフィックスランチコースは一皿目、二皿目をそれぞれ6種類ほどから選べ、ワインやビール、コーヒーもついている。それで2100円はとてもリーズナブルに思える。

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一皿目はスープにした。白濁したスープは熱々で供されて塩気も強くなく、肉や脂で疲れ気味の胃腸が生き返るような有り難さだった。
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二皿目はラムチョップ。ラムは脂も含んでおり、じゃがいももオリーブとパプリカで調理されているので一皿目にスープを頼んでおいたのがとても良かった。ラムは柔らかく臭みもなく美味。
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調子に乗って勧められるがままにレモンパイと珈琲を頼んでしまった。レモンパイがかなり甘い。入れた砂糖の量を見たら唖然としてしまうだろうな。せっかくスープとラムチョップ、ビールでご機嫌になっていたのに無理して完食したレモンパイの甘さに気持ち悪くなってしまった。
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ちなみに美味しいと思ったビールは店内マイクロプリュワリーで醸造しているようだ。

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かれこれ7時間滞在して存分にクエンカの旧市街を堪能した。やはりマドリッドよりもこの乾いた郊外の街がスペインらしくて好きだ。
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