陶虫夏草 X 野菜コラボ

ありがたいことに2週連続で日曜日は工房に来られた。工房の家庭菜園が全て刈り取られて処分されるところだったので、そのうちの捨てられる野菜で遊んでみた。

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どうだろう。唐辛子の朱色がなんとも鮮やかでハロウィンにも馴染むランタンのよう。団子虫を苗床にして生えた唐辛子ランタン。鉢単体よりも植物と組み合わさって面白味が倍増した好例だと自画自賛している。

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鬼灯が欲しくなる。それにしてもこの唐辛子の鮮やかさよ。乾燥しても色は残ってくれるだろうか。乾燥して縮んだら、鉢とのバランスはもっと良くなるかもしれない。


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こちら蠅取蜘蛛には緑と赤の唐辛子。まるで信号のようなユーモラスな組み合わせとなった。目の前にぶら下げた人参のようでもある。同じ茎から緑と赤が実るなんて不思議。そういうものなのだろうか。

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こちら、ウシアブ鉢。いや、工房の他の方はみんな、「ヤゴですか」と言う。やはり水面から現れるようなのはヤゴだろうな。ウシアブに半水棲の種がいるとは聞かない。ヤゴということにしよう。

これには爽やかにオクラの花を挿してみた。オクラの花は咲いてもキレイ。

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トルコ青釉はその鮮やかさで虫のアクの強さを遠目には中和してくれているように思う。枝モノを挿すと悪くない。

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蚕には枝実りのピーマン。怪奇な植物に寄生された雰囲気が出ている。陶虫夏草鉢に野菜なんて、合わなそうで合わせると存外に面白い。

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作業中、こうして使われていない机に一日、飾らせてもらった。遠目にも唐辛子の鮮やかな朱色が目に楽しい。


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手慰みにへんてこな山羊鉢を2つ即興で作ってみた。片方は裃を着せ、もう片方は風船のように膨らんだ塊に頭と前脚が出ている。もちろん背中には穴があり、水抜き穴も開け、中は空洞で多肉植物を植え込めるように作っている。

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もう、これは何かと聞かれても見ての通り、としか言いようがない。

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還元落とし焼成に向けて、鉄分の多い赤4号土でいくつか水挽きしてみた。吊るすタイプの鉢を複数、作ってみたい。

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削って組み立てる予定。

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秋の朝顔

いつもブログを覗かせてもらっている方から、世界でも朝顔の色や形の豊富さは日本が随一というコメントを頂き、なんだか朝顔に目が止まるようになってしまった。


実は朝顔奈良時代に中国から伝わってきた外来種だそうで、700年の間にすっかり日本の文化にも根付いたそうだ。ヒマラヤやチベット周辺が原産地と見られており、インド、中国、韓国などを伝播する過程では園芸品種化しなかったようで、とりわけ日本に伝わってしかも江戸時代に爆発的に品種作出がなされたそうだ。

ちなみに欧州で普及しなかったのは朝顔が高温を好む短日性で咲くことが難しいからだそうだ。秋になりこんなに涼しくなっても咲いているのだから、欧州でも咲きそうなものなのに。

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紫に鮮烈な赤紫の筋の入った美麗朝顔

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蔓でどこにでも絡まって咲くのだから絵になる花だよな。なぜ中国で愛されなかったかが不思議。

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こちらは一般的な原種に近い朝顔のように見える。


團十郎なんていう、海老茶色の品種まで生み出してしまう。黄色い朝顔なんてのもある。

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こちらは花の縁がフリルのようになっている。

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益子で見かけたこの朝顔は見事な斑入り

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ああ、でも中心が白く清々しい青のこの朝顔が好きだな。


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昔、京都の大徳寺で座禅前に活けた朝顔


来年の夏は庭の生垣を朝顔だらけにしてみようか。



鳩の巣渓谷

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高円寺から各駅停車で70分。10時前には奥多摩古里駅に着き、ハイキングコースを歩いて鳩の巣渓谷を経て白丸ダムへ。2時間ほどで歩き終わってしまい、少し物足りない距離ではあった。

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1時間で新宿新都心のビル街から山だらけの景色へ。あちら側では毎日、コロナ感染者数が150人だの200人超えだの騒がしく、10月30日付けの新聞では早期退職を募る企業が72社1万4000人にも上るという。

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40階建のビル群に効率よく詰め込まれた人達がコスト削減だの人員減だの巻き返しキャンペーンだの、わあわあやってる間も奥多摩の川は同じ眺めなんだろう。


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バブルの時代、日本人が世界中で我儘だった頃も、バブル崩壊後に悲壮感に打ちひしがれて不景気への愚痴が挨拶がわりだった頃も、アベノミクスで実は経済は成長し続けてあるところには金が余ってた時代も、そしてコロナで経済が沈む今も。


それでも世界は終わらない。さほど変わらない、影響を受けにくい生活というのもある。

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あの騒々しさの中に身を置くのも、その外に出ていくのも自分の判断なのだよな。

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私はなぜ、あの喧騒の中にいるのだっけ。何を求めて、何に喜びを感じてあの中にいるのだっけ。そうではない選択肢がありながら、果たして能動的に選んでいるのだっけ。

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数年前にできたという魚道。この高低差を魚が登るとはなんたる苦行か、全く。そんな上流に遡らずとも産卵して繁殖できるように進化できなかったものか。魚たちも射精すること、産卵することへの執着を捨てたら苦しみから解放されるようにも思う。イワナや鮭のような遡上する魚の中にも、他の魚と同じように遡上しない個体もいるらしい。

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遡ることを放棄した魚はヒレをボロボロにして登った挙句に力尽きることもなく、より長生きできるのだろう。それが魚本人にとって望むことなのかは知らないが。

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人生はすべからく苦しいと仏教は説くそうで、過剰な期待を持つから苦しむとのこと。幸せな人生を送らなきゃという脅迫概念に捉われてるとも考えられないか。


またまた、案の定、諦観と達観の違いがわからないという思考の袋小路にたどり着く。

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何に突き動かされて自分はより良い収入、裁量権、仕事のやりがい、住環境、食、趣味、家族を求めているのだろう。私が魚に対して、そんなに頑張って魚道を登らなくてもいいのにと思うように、私自身にも捨てていい執着が沢山あるような気もする。

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目的意識を持って働きたい。どうでもいいものは、どうでもいいと再認識しておきたい。求めるものに付随して譲歩すべきことも多いが、流されるのではなくあくまで選択的に譲歩していると自覚しておきたい。

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渓谷に架かる吊り橋のたもとにある見晴らしの良いカフェ「ぽっぽ」。鳩の巣渓谷だからぽっぽなんだろうね。

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窓際にカウンター席が一列並んでいて、渓谷を見下ろしながら食事ができる。渓流の逆巻く白波をぼーっと眺めるだけで時間が経つ。


炎、波、渦。見るだけで思考停止になれるものたち。

酸化焼成 窯出し

 

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次に使いたい人がいるので、窯出ししてくださいとの連絡を受けて急遽、仕事終わりに窯出しした。今回も小窯は自分の作品だけで焼かせてもらえた。癒着も破損もない、恙無い本焼成だった。

 

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まずはある意味、自分の中で確立したシリーズの陶虫夏草「団子虫鉢」。もう大きく失敗することはないし、予想を外すこともない。

 

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何を植えようかね。ヒョロヒョロと長いものか、小さなセダムか。

 

 

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陶虫夏草「蠅取蜘蛛鉢」。

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こちらも茎が長く暴れる銘月のようなエケベリアが合いそう。

 

 

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お白様、お蚕様。また触覚が折れてしまった。未だに触覚が完全な鉢を作れていない。

 

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植込み穴も大きめに作っているので、何か変わった種類の多肉植物を植えたい。何を植えようかね。黒法師でも良いかもしれない。

 

黄金虫、兜虫、象虫、芋虫を次に作りたい。想像通りに出来あがるのは、ささやかで、じんわりとした満足感が得られる。

 

 

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今回の実験的創作、ウシアブ鉢。水紋にトルコ青をムラのあるままに塗ったが、どうだろうか。存在感のアクの強さがそれなりに出ていて、有りのような気もする。

ドブ漬けして均一な青にしたほうが良かったか。ムラがあったほうが表情があって良いがもう少しトルコ青で覆われている方が好みだ。

 

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ウシアブ本体も薄塗りなので赤土の色が透けている。

トルコ青を塗り直し、ウシアブ本体も真っ白く二度塗りして再焼成すべきか悩んでいる。造形は及第点。アクの強いドライプランツを入れるも良し、キングプロテアを挿しても鉢のアクに負けないかもしれない。

 

 

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息子との合作鉢。これに合わせる多肉植物は何だろう。オベサのような球体を載せるか。

 

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黒土にトルコ青、さらに金ラスター。これはこれで気に入ったのだけれども、派手過ぎて私の多肉植物棚に調和しないと思われる。この鉢そのものよりも、息子との合作である点が気に入っているのかもしれない。

 

 

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実験的創作その2。面白い表現が出た。明るい蛍光灯の下で見ると、黒い網目の間に紫や暗緑が複雑に現れた。

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離れた距離から見ると、黒にしか見えない。太陽光の下でどう見えるだろうか。

 

面白い実験結果だったけれども、私の求めている鉢のイメージではないのだよな。何を植えたら良いのか想像が湧きづらい。お決まりの常盤忍を植えたら渋くなるだろうか。

 

 

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日本酒を飲むための酒盃。形はキレイに作れたのだがな。色が違う。違う。

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こちらも、微妙。実用に使うことはできるけれど、愛用するに至るかは疑問。自作だというだけで、店で見かけたら買いたいと思えるレベルではない。

 

 

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双頭山羊鉢。もう少し白をしっかりと載せたかった。これは再焼成すべきかね。

 

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やはり、しっかりと白いほうが良いなあ。土肌を透けさせるなら、赤土ではなく黒土に限る。よし、焼き直し。

 

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根上がりの硬葉ハオルチアの群生株を載せたい。二回目とはいえ、油断せずに慎重に台を付けて焼き直そう。

 

総合的に55点というところか。歩留まりが悪い。特に実験的試みは失敗の方が多いけれども、失敗を恐れずガラクタの山を踏み越えていきたい。

久しぶりに作陶

10月は一度も作陶できず。久しぶりに作陶した。


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双頭山羊鉢の素焼きには体軀をマグネシヤマットを筆塗り、角には金ラスター釉薬を筆塗り。

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あまり頑丈そうな鉢ではないので風で倒れそうな屋外ではなく根上がり気味にハオルチアを植えて室内窓際に飾りたい。


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何かサボテンを植えようかね。彩度の低い釉薬で遊んでみたい。鎬の中に飴釉を入れ、マンガン窯変釉を掛けてみようか。フェロカクタス「日の出丸」を納めようか。


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謎な植木鉢も作ってしまった。風船のように膨らんだ山羊。

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瞳を山羊独特の楕円の瞳にしてみた。可愛らしく作るのを無意識に拒絶してしまう。


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焼成待ちの作品がだいぶ増えてきた。陶虫夏草3鉢、山羊2鉢。その他、実験体が無数。

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そして異形な鉢が増えてきた。子供と作った暇つぶしの不本意な鉢は始末に困るのだよな。

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小窯で酸化焼成。左上の空間が余ってしまった。中途半端な高さの鉢が紛れているとこのような非効率となる。残念。


来年2月には大窯で「還元落とし」焼成をするらしい。冷却時にゆっくりと時間をかけて還元をかけることで土の鉄分が燻されるとか。是非やってみたい。その為にはもっと素直な形の器を焼かないと。


次回は是非、鉄分の多い赤4号土で還元落とし焼成用の水挽きをしよう。外見のスッキリした鉢をいくつか作りたい。


高円寺界隈の新規開店ラッシュ

今年の上半期は閉店ラッシュだった。秋に入り、あちこちで閉店後のテナントで改装工事が始まり、新たに開店し始めた。タピオカ店はまるで山火事のようだった。短期間で何店舗も広がり、ほとんどが定着することなく半年ほどで閉店し、そこに多くの新しい店ができつつある。山火事の後の焼野原に芽吹くが如く。

 

 

庚申通り商店街、100時間カレーの隣に焼き小籠包の店ができていた。105(ダパイダン)というらしく、大阪なんばや福岡にできた店の姉妹店のようだ。本場中国の点心師による本格台湾屋台飯とのこと。

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大一市場の中のベトナム料理屋のような屋台風の店内で手前には立ち飲み席のドラム缶テーブル、奥にはテーブル。壁や床はコンクリート剥き出しでお金をかけず、大きな写真パネルを配置して台湾屋台の臨場感を出している。

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ランチの小籠包と麺か飯から選んで組み合わせるセットは800円と手頃、かつ短時間で熱々で提供されるので利用勝手が良い。皿も全て紙皿。テイクアウト用と共用でさらに蓋をするだけだと思われる。

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魯肉飯、坦々麺、麻婆豆腐など、昼だけでなく夜にもビールに合いそうなラインナップ。

流行る、儲かるお店という印象。随所に効率性や工夫が見られ、肝心なことに食べ物は安くて美味しい。開放的な店舗で長居せずに本格的なスパイシーな台湾屋台飯を食べたい人には最適。

ここがほとんど客の入らなかったタピオカ屋だったことを思うと同じ立地、同じ店舗スペースでも経営手腕で客も喜び店も儲かり土地は高稼働するのだな、と痛感。

 

 

 

その先にも装飾のあまりない薬膳家庭料理「168厨房」という店ができていた。チェーン店のように見えない。

 

 

精肉店JUMPの向かいにはGclefという高円寺でも長く営業していた紅茶さんがまた戻ってきた。賃料が高くなって出て行ったところを、また安いテナントが見つかって戻ってきたのか。

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場所も駅前から遠くなく、近過ぎず、元から長く営業していたので土地勘もあり、周辺住民にも店と商品の認知もある。惜しまれながら閉店した印象が強いので、うまくやっていけそう。

 

「てんてこ」の跡地にできたたこ焼き屋はまだ食べていないが、私としては「てんてこ」に残っていて欲しかった。「てんてこ」よりも客の入りは常に少ない。やはり「てんてこ」の方が住民には求められていたのではないか。

 

倉持惣菜店の先、大一市場の横にキツネというチェーン店らしき天婦羅屋もできていた。「天すけ」「しん泉」「小宮山」などがすでにあるが、どうだろうか。

 

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エトワール商店街のはずれ、松本洋食店跡地に淡路島バーガーができていた。

淡路島バーガー、オニオンリング、ソフトドリンクのセットで1300円。いわゆるグルメバーガーというジャンル。淡路島ビールを推しているものの、ビールはセットに組み合わせられない。

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素材の味で勝負している美味しいハンバーガーという路線なのだろう。店内やメニューにもっとジャンク感の居心地の良さがあっても良いのにな。

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全面ガラス張りにしたり、あるいは半開放のテラス席風にしたり、気軽に立ち寄ってハンバーガーを食べやすい店の作りになっていたら良かったかもな。

「俺は世界のハンバーガーを食べ歩いてきたぜ」と言わんばかりの巨漢外国人がやっていた「ファッツ」というハンバーガー屋が懐かしい。

 

 

業務スーパー裏にクレープ屋さんができていた。ハニービークレープと同じぐらい美味しいならば、あの店まで行かずにクレープを食べられるならば利用価値は高い。

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しかし、え、こんなとこに、と驚くような通行客数が少ない裏通りなのでどう気づいてもらえるかが悩ましい。

 

秋の我が家の中の植物たち

 

そろそろ冬支度かね。 

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4月まで油断できない寒の戻りが続き、6月下旬からは梅雨。7から9月は蒸れやすく最も致死率の高い時期。11月からはもう防寒に気をつけ始めなければならない。そうなるとサボテンや多肉植物の成長期というのは短い。

 

遅々とした成長のじれったさと寿命の長さがサボテンや多肉植物の魅力なのだろうけれども、はよ、大きくならないかといつも思う。

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豆鹿の骨に生えてくれた「唐印」も良い塩梅で紅葉し始めた。真っ赤に染まったら室内に取り込んで鑑賞しようかね。


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瓦礫鉢シリーズも元気に育っているようだ。一番小さな鉢に植えたエケベリア・フロスティーだけが葉形も崩れて元気がない。

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こちらは「薄氷」。青白さと葉の薄さが魅力の品種だが、うっすら紅葉して黄味を帯びている。

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「緑亀の卵」ははちきれんばかりに丸い。

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樹氷」は樹のように枝分かれしてきた。


エケベリアは一部頑健種を除いては、ある程度の土の深さのある鉢にしっかりと根を張れないと元気に育てるのは難しいのかもしれない。

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ホームセンターで280円、2.5号鉢のサイズから育て始めたゴーラム、宇宙の木と呼ばれるこの株も9年の月日を経て随分と大きくなった。言いようによっては9年でここまでしか大きくなっていないとも言える。多肉植物は幼苗ばかりで大株が出回らないのは採算が取れないからだろうね。


我が家の紅葉が美しい多肉の優等生。

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1年間、露天で雨晒し、直射日光晒しで育てている二鉢の「錦晃星」。

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もうかなり紅に染まってきた。モフモフと毛に覆われて毛布のように暖かそうなのも良い。

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あと2週間もしたら屋内に取り込もうか。大量に増やしたいのだが、葉挿しはうまく行かなかった。枝挿しで増やすべきかもしれないが、枝を切るのは惜しくなって躊躇している。


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2.5号鉢のサボテンたち。本当は水耕栽培に一部、切り替えたかったのだけれどもそのまま10ヶ月経ってしまった。そろそろバルコニーを温室化する為にビニールシートを設営しなければ。来春こそはサボテンの一斉植え替えをしよう。


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庭に無造作に切った多肉植物の枝などを挿している投げ込み再生プランターがある。折れた碧瑠璃のようなアストロフィツムのサボテンがあったのだが、ここ半年ほど元気に直射日光を浴び続けたら白い点が無数に出てきた。これが本来の姿だったのか。さては五角鸞鳳玉だったのか。

 

寒いからこそ、黴や腐りの心配のない冬の間に暖房シートを購入して実生栽培をしてみようかとも思う。

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一輪挿しの青が鮮やか過ぎてエリンジウムの青が目立たない。この組み合わせは失敗か。

 

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いや、それにしてもこの一輪挿しの器が800円だなんて。二重掛けした釉薬の縁に下側の釉薬と反応した水玉模様が析出する。下側の釉薬は土灰釉のような基礎釉薬のように見える。上側は銅系の何かか。工房に先生がいなくなって、こういうときに教えを乞う人がいなくなって困る。素人の学びの歩みは止まってしまう。

こういう釉薬は何度もテストピースを焼いて最良の組み合わせと分量を突き止めないといけない。

 

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エリンジウムは中央の花の茎が短く、中央の花が最も青が強いのが不思議。

 

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ドライプランツが徐々に増えてきた。

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陶虫夏草にドライプランツを挿したものを集めたコーナーも少しづつ増えている。


もっと鉢を増やしたいが、所狭しと並ぶようになるのは避けたい。一つ一つが認識できる、空間を伴った陳列にしたい。やはり、家の中で蜜と疎のゾーニングをしっかりするしかない。