感動しすぎて写真を撮る体も傾いたと思われる。江戸時代は百万石大名の加賀藩しか使うことの許されなかったラピスラズリの深い群青色の塗り壁。起雲閣が旅館に改装された時に石川県出身の所有者、桜井兵五郎が塗り替えたという。
檜の柾目材だけを使った贅を尽くした作りは宰相「内田信也」による注文。座敷に座った視点の高さで外の庭園が最も美しく見えるように鴨居や梁は低めに設計されているのだそうだ。
乳白色の電笠の上に房をつけるというのはシルエットも華やかさが増して良い。今でもどこかで専用の品を買い求められるのだろうか。
ラピスラズリの群青色と飴色に艶の出た白木の色の組み合わせがこんなにも強烈で爽快だとは。寝室には向かないが、客室だとか趣味の間に真似てみたいものだ。