太陽のような。コロナのような。いや、わかっちゃいるけど鉢に対して大きすぎる。このまま乾かしきって、制作途中のウシアブ鉢に合わせたい。
300円で買った一株のピンクッション。この時点で2週間ほど乾かしているのだが、まだ40%程度の生乾きといったところか。このまま、色が残ってくれるだろうか。
どうしても字面がピンク・クッションに見えてしまうのだがピン・クッションが正しい。針山、針刺しのような容姿から名付けられたのだから。これがピンクだったならば混乱著しかっただろうな。
ちなみにひょろひょろと細長く表出されているのは雄蕊だそうだ。
鉢に乗った蟬の幼虫もけっこう、眼が可愛く仕上がったと思う。しかし異なる意見が多い。脚はもっと細くすべきなのだけれどもなかなか最低限の強度を考えると難しい。
ドライフラワーを飾った鉢は陽が射さない室内を彩るには重宝する。
それにしても、アフリカやオーストラリアの花を「ネイティブフラワー」や「ワイルドフラワー」と呼称するのはどうなのだろう。南半球原産の花という説明がつけられることも多いが、アマゾンやチリなど南米原産の花をネイティブフラワーと呼ぶことはない。対象はアフリカやオーストラリアということになっている。
そもそも花なんて多くが「ネイティブ」で「ワイルド」だ。アフリカやオーストラリアが多分に未開で野趣溢れているという「偏見」をそのジャンル呼称から感じてしまう。いやいや、欧州やアジアの花々と違い、品種改良が進んでいない種が多いからなどという反論も想像できるがアマゾン原産の膨大な種を対象外にする整合性は感じられないし、欧州やアジアの園芸や品種作出の歴史の長い国でも原種に近いままの花々も多い。なんだか、浅はかな「脳味噌お花畑」なジャンル名称に感じてしまうのだよな。
いくつかの園芸サイトや花屋の紹介を見ていると、キングプロテアやこのピンクッション、バンクシアだけでなくケイトウすら含めていたりする。大振りで異形なものを「ネイティブ」「ワイルド」かつ「アフリカ」「オーストラリア」と恣意的に紐づけているならば偏見を助長する差別的呼称と言われかねない。数年後には死滅している言葉かもしれない。
雑誌紙面や花屋での会話で通の符牒のように、「ネイティブフラワーとは」などと「この業界ではこう分類しているんですよ」という説明から入られた時の不快感の理由が今日、改めてわかって良かった。