親子の林間コース滑走の思い出を求めて

初日、10時過ぎに到着して妻をアウトレットへ下ろす。私は息子達を連れて一番近い軽井沢プリンススキー場へ連れていった。基本的には人工雪だがアウトレットモールのすぐ横にある便利さで、小学生はリフトが無料なので良しとする。2月の最寒期ならば雪質も許容範囲。

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子供をスキースクールに参加させている間、私は2時間の自由滑走を楽しませてもらった。ゲレンデには人もまばらで傾斜30度以上の上級者コースもコブが出来ずに均一なまま急斜面になっていて嬉しい。

一応、高校の部活で競技スキーをしていた自分としてはゆるゆるでバックルを締め付けられないブーツとレンタル用の安いスキー板でも、3年ぶりのスキーでも、すぐに上級コースに行っても恐怖心も感じずに滑れてしまうものなのだな。

若い時に染みついたスキルは中年の身体に老いた今でもまだ確かに残っていてくれる。このように仕事のスキルも身体に染み付いてくれていると良いのだがそんな実感はあまりない。スキーは10代の身体に染み込ませたスキルだからだろうか。

 

なんて金のかかる娯楽なんだと思う。ウェアも防寒防水の機能が必要で高いし、道具一式は買っても借りてもそれなりにする。そもそも東京から遠く離れた雪山に行かねばならないし、大抵は宿泊とセットだ。子供を引率するとなるとその準備やら前後の段取りも面倒だし、常に自分自身も不測の事態に備えて余裕を持っておかないといけない。

 

私が小学校の頃に父が、そして時折、出張がちで家を空けることの多かった父に代わって伯父がスキーによく連れて行ってくれた。林間コースを父、母、兄弟と親戚家族で滑るのは楽しかった。子供たちが大人に「去年よりも上手くなったなあ」と褒められるのが定番の会話だった。

 

結局、独身時代も自分1人だけでもスキーしにいくことはなかったのでそんなにスキーそのものは好きではなかったように思う。陶芸や一人旅ほどに衝動を感じない。スキー技術の向上を突き詰めたいと思ったことがない。

こうして子供をスキーに連れてくるのは親子で林間コースを滑るあの楽しい思い出を再現したい、子供たちにも経験させたいからなのだろう。子供であった私は楽しかったし、大人達も楽しそうだった。

その楽しい思い出の延長でスキー部に入部したけれども林間コースを和気藹々と滑るような楽しさなどは体育会系の競技スキーにはなかった。常に苦痛と恐怖の連続で、その合間にアドレナリンが分泌されて興奮する瞬間はあったけれども、私にとってのスキーの一番の魅力は親子での林間コース滑走だったのだろう。

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斜面の降りた先にアウトレットモールが見え、遥か正面には浅間山を望む。コースは短く、筋肉痛になるほど滑り込めず消化不良だったが下の息子をスキーデビューさせられたので良しとする。16:30にレンタルスキーセットを返却し、17時にはエクシブ軽井沢に着く。宿もスキー場も至近距離にあってコンパクトで便利だ。今回はこれで良しとする。

 

3月に2泊3日でまたスキーに来れないものか。中1日を目一杯滑ったら子供達も一気に上手くなると思う。小さなリュックにビールやお菓子を入れて、見晴らしの良い山頂を満喫したい。