高円寺で5年ぶりに酒を飲み交わす

久しぶりに友人が海外から来日した。かつては日本国内の某最高峰の大学の客員研究員もしていて、帰国後も本国の大学で研究を続ける宇宙物理学者だというのだから人は見た目ではわからない。いや、見た目通りなのかもしれない。今回は本国から若い弟子というか助手のような人も連れてきていた。

 

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突発的に来日の連絡が来て、合意した時間に当然のように遅刻してくるのも想定通り。頭のスイッチを切り替えて付き合うのが良い。

 

記録によると5年ぶりの再会らしい。その間に彼にも第二子が生まれ、結婚生活に自虐的なことを言うようにもなった。宝石屋を営む奥様はお元気らしい。

 

好きな言葉はチンピラ。今回はポンコツという言葉を教えた。

 

宇宙物理学が何なのか知らない。はやくタイムマシン作ってくれよ、とかビッグバンの前のことを教えてくれとか適当なことを話した。彼は彼で宇宙飛行士なんて科学者じゃなく宇宙紹介ガイドだよみたいなことを言っていた。

 

若い女将が着物で熱燗と小料理を出してくれる「non」に連れて行った。

4人で10合ぐらいは頼んだだろうか。外国人3人の好みは甘口よりは辛口の日本酒で「カネナカ」が一番好評だったように思う。「杉錦」「いずみ橋」らへんも美味しい、美味しいと飲んでいた。牡蠣の山椒煮やピリリと辛い漬物を喜んでいた。ここらへんは欧州人の方が米国人よりも一般的に受容性と感受性が高い印象がある。

 

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高円寺は東京のインドと呼ばれるのだ、ということを実感してもらうためにガード下の焼鳥屋「バリトラ」に梯子した。オシャレに言えば外のテラス席。駐車禁止の柵の上に棚を置いて屋外席を作って公道を不法占拠営業している自由奔放、賛否両論の店だ。

 

そういえば、ルーマニア人の友人と昨夜、ビデオ電話をした。ウクライナからの難民を支援するNGOで働いていたが昼夜祝日を問わない激務で心身を壊しかけて辞めたという。燃え尽きたらしい。全てを引き払ってシンガポールの友人の家に身を寄せ、東南アジアのNGOの働き口を模索しているそうだ。

 

元々は大企業の人事マネージャーをしており、志は高く、善意に溢れた素晴らしい友人なのだが、適度に長く働けるような環境ではなかったのが勿体無い。やりがいがあり、適度な労働時間の仕事というのは案外なかったりしてやりがいのある刺激的な仕事はえてして激務だったりする。ちょうど良いバランスにならないものか。

 

ドイツにサッカーの試合に勝って喜び、飲み屋で友人との再会に喜んでいる間にもウクライナではミサイルに怯えながら停電で寒い夜を過ごす大勢がいる。ウクライナのように話題にもならずにミャンマークルド、イエメンやらスーダンで不当な境遇で人が亡くなり続けている。私にも何かできるのだろうが何もしないで今日を終えて明日を待つ。