神戸の友人に2年前に開館したばかりだという神戸港の近くにある水族館に連れて行ってもらった。この球体の水槽が印象的な美しい展示で評判の水族館だ。
正直、泳いでいる魚はとりわけ珍しいわけではない。しかし水槽の形状がどれも目新しく工夫されていて魚たちや環境を如何に魅力的に展示するかが考え尽くされている。
アカメアマガエルの可愛らしさよ。完璧な造形をしている。
壁に産みつけられた卵は中にすでにお玉杓子が視認できるまで育っており、卵の中をぐるぐると動く。もう数日で卵を破り水面に落ちていくのだろう。
揚げると美味しいカサゴ。フランス人もこれ、バターソテーにしたいと呟いていた。
チンアナゴよりも華やかな魚。
アイドル、チンアナゴ。
イグアナも直近で見ると迫力だ。
ハダカデバネズミの水槽は普段は地中で暮らすその生態に配慮してか、真っ赤な照明。赤外線や赤色が見えないのだろうか。ハダカデバネズミといえば貴志祐介氏の「新世界」という強烈な小説を思い出す。
フロアの水槽の合間をゾウガメが散歩していたりするのが面白い。体重は80kgもあるそうで、迂闊に踏まれると大事故。
あちこちが絵になる。
写真撮影が趣味の人は1日いて楽しめる。
レッドテイルキャットフィッシュという特別に珍しくもない鯰も数匹で泳ぐ様は新鮮。魚の珍しさではなく見せ方の巧拙なのだよな。
この顕微鏡が扱いやすさといい、解像度といい素晴らしかった。水族館と関係ないが様々な標本を拡大して観察できる。このモルフォ蝶の構造色の様子などナショナルジオグラフィックの写真ばりに美麗に映し出せる。
欲しい。
ミヤビという和風なフロアは外国人が偏見で思い描くゲイシャ、キョウトのイメージで脂っこいというかねっとりケバケバしすぎな気がする。侘び寂び、綺麗錆、優雅なコーディネートにして欲しかった。
ありきたりな赤や朱ではなく仁清のような青や浅葱色で清涼、清浄な和の世界を魅せて欲しかった。
チームラボ的デジタルアートも次のステージを見せて欲しい。単なる一般客のわがままか。
妖しく光るイソギンチャク。エプソン水族館のように酒を飲みながら歩いて回れる夜の部を用意して欲しい。
この半ドームがたの水槽は素晴らしいと思った。透明度が高く、上から見下ろすことも横から眺めることもできる。
港だ。
行く価値のある美しい水族館だった、