さほど寺社仏閣に興味のない息子が行きたい唯一の場所が本能寺だという。あの織田信長が明智光秀に奇襲され討たれた本能寺だ。
取り敢えずは近くのスマート珈琲店で朝御飯。
そして京都市役所前にある本能寺。パッとしない印象だった。
改めて子供にねだられて再訪してみるとあれこれ頑張っているのだなとは感じた。織田信長、戦国武将と刀剣好きに最大限にアピールしている感。
しかし悲しいかなビルに囲まれた境内で風情がない。本尊に立派な仏像があって崇めるわけでもない。
そして何よりも天下統一を果たしたあの伝説的な織田信長の廟としてはあまりにも簡素なのだよな。墓石も高野山の大名の墓跡よりもはるかに小さく、境内の隅に雑然とある印象で対照的に大きな看板がますます墓石を小さく見せてしまう。墓ではなく拝所に屋根をかけることからしてチグハグした印象。
織田信長が明智光秀に謀叛を起こされ実際に自刃した本能寺はここではなく、少し離れた住宅地に石碑があるだけだ。
しかし撮影不可の宝物殿には森蘭丸が使ったという刃こぼれした太刀や髭のない珍しい織田信長肖像画、本能寺で焼失した信長の愛刀の再現刀など興味深い信長縁の品々は見られる。
建勲神社はあるものの、豊臣家や徳川家に比べて功績の割にそれを讃えるものに乏しいのは何故なのか。後の政権が前の政権を貶めがちで歴史は上書きされがちなのはわかるが豊臣秀吉の所縁の寺社仏閣が多く残るのに対して織田の扱いはどうにも軽くないだろうか。
中国征伐なんぞに踏み出さなければ信長はもう少し長く生きたのだろうか。