海洋堂ミュージアムに胸が熱くなる

大阪城天守閣は30分以上の行列とのこと。天守閣は外から観てこそ壮観だし、天守閣から観られる景色は大阪のビルや府庁舎でしかないので登らないことにした。

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その代わりに目と鼻の先にある海洋堂ミュージアムに入ることにした。本丸の中心地に海洋堂ミュージアムがあることには違和感を覚えるが好きだから気にしない。

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本気度の高いゴジラたち。コレクターを満足させられる品質。
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ビオランテは案外、記憶に残っている名前。
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懐かしいチョコエッグやペットボトル飲料のオマケのフィギュアの数々。

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思えば素晴らしい時代だった。ペットボトル飲料を購入する値段で素晴らしい精度のフィギュアぐついてきたのだから。飲料メーカーがCMを打つよりも効果的だと認識して数千万円のマーケティング費用を投じたその恩恵を私たちは受けていた。そんな経済の仕組みが造形師の仕事を生み出し、素晴らしいおまけフィギュアの文化を生み出した。
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イカコレクション。職場で多くの人が机の周りに並べていたっけ。

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3Dスキャンのない時代にこれだけ精密な生物を形にしていた。造型師の作った原型をプラスチック鋳型にする鋳型師の熟練度もすさまじいものがある。
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それも景品表示法だか何かが変わってオマケの価値が商品本体の価値の一定程度を超えてはいけないなどという制約が課せられてしまい、姿を消してしまった。120円のペットボトル飲料に対してオマケの制作費は半分以上はかかっていたのではないか。

 

総付景品と呼ばれる全ての商品につけられるオマケは1000円未満の商品取引について景品類の最高額は200円になったとのこと。1000円以上の商品取引は取引価額の20%。ペットボトルのオマケフィギュアは200円では原価が収まらないということか。
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300円でこれだけの精度のフィギュアが買えた時代。
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ダイオウグソクムシの素晴らしさをフィギュアにする嗜好はわかる。ここまで明確に「腹側の蠢く多脚を見せたい」という製作者の意図の強さを尊重しているのが素晴らしい。

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岡本太郎シリーズも熱い。
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青山の岡本太郎記念館の庭先にある不思議陶オブジェのフィギュアは顔がほころぶ。
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太郎先生。
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マイマイカブリだろうか。チョコQに私の造形の原点はあるのかもしれない。
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タランチュラが欲しい。
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イモムシコレクションも質が高い。
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十二支の頭蓋骨根付けキーホルダーという発案者を褒め称えたいシリーズ。想像の動物である龍もきちんとある。羊が欲しい。いつ売っていたのだろう。再販売してくれないものか。

調べると2014年に1つ300円で売られていたそうだ。驚異的。

■原型制作:山本聖士
■原型制作:木下隆志
■原型制作:寺岡邦明
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リボルテックタケヤシリーズも展示されていた。実物をこんなにたくさん一堂に観たのは初めてだ。
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今でも軍荼利明王、風神、雷神が欲しい。1グループ展ごとに1つ買っていってしまおうか。
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空也上人というチョイスの良さよ。
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自在置物シリーズもその可動域の広さに驚かされる。リボルテックはフィギアも関節が稼働して当たり前という異次元の期待値を生み出してしまった。
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20年前の作品とは思えない。弁慶、義経沖田総司と一目で想像がつくわかりやすいさ。
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自分で形を作ることの喜びの原点にはチョコエッグの安価で多彩で豊かな世界があるのかもしれない。「松村しのぶ」「竹谷隆之」という造型師は最もよく目にする名前だった。
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海洋堂ミュージアムは若いころのワクワクを蘇らせてくれた。

 

3Dスキャンを駆使することでバンダイの「いきもの大図鑑」が魅力的な自然造形物のフィギュアを生み出し続けてくれている。素晴らしい進歩だ。しかし岡本太郎フィギュアやらそういう自然造形以外の精度の高いものは少なくなってしまっているように思う。海洋堂復権を求む。