1ヶ月間ラフォーレ原宿B0.5階の「愛と狂気のマーケット」に出店した感想と備忘録。
私のような作品を作る場違いな出店者がどう見られるのだろうと警戒していたが店員さんがとても親切。助言もしてくれる。お客さんも奇抜な格好をしている人は多いが礼儀正しい。偏見、先入観、思い込みは良くないと思った。万引きされた場合は作家負担なのだが万引き被害も全くなかった。(ちなみに防犯カメラは始終回ってはいる)普段私が接することのなさそうな人たちとたくさん会えて正直面白かった。
客層、時間帯
土日に限っての話だが11:00〜20:00のラフォーレ原宿の営業時間帯のうち、お客さんの数が顕著に増えるのは16:00ごろから。無論11:00〜13:00のお昼時間帯が一番人は少ない。
100人のうち99人は目もくれないがそもそもの来客数が圧倒的なので100人に1人でもそれなりの絶対数になる。大都会、怖い。そして目の前でひたすら大勢に見向きもされない光景を見続けるのはかなり精神が削られる。自己肯定感が下がっていく。惨めな気持ちになっていく。接客したくない作家が多いという話も納得できる。売り上げ報告とか「作品見ました素敵です」みたいなDMなど良いニュースだけ待っている方が良い気分でいられる。
たまに、「どれもカワイイ」と言ってくださるお客さんがいる。受け止め方は人それぞれだけれども「カワイイ」かは未だ疑問だ。もっとエグい尖った作品を作って「さすがにこれはカワイイとは言わんけど良い!」と言わせたい。
初ラフォーレ
私の作品があることで普段ラフォーレ原宿に来ないお客さんが来てくれたら嬉しい
→ラフォーレ原宿に普段来ない、今まで来たことないけれども私の作品があるから来たというお客さんが結構きてくださった。私のことを女性だと思っていたという方が数名。こんな蟲とキノコや粘菌を作っている人をなぜ女性と思うかは不明。
ゴスロリ、メイドや原色系の若いギャル(死語)が私の作品を見つけて「なんか知らないけどいーじゃん」と1作品でも迎えてくれたら、自分に最高点をつけたい。冬虫夏草や蟲が好きなギャル、いるはず。
→プライベートパーティーに来てくれた20代の若い子はラフォーレ原宿の上階のお店で買ったというパステルカラーの超厚底靴を履いていた。そんな子が2作品もお迎えしてくれた。先にSNSで連絡してプライベートパーティーに招待させていただいた子ではあるけれど、原宿らしい若い女の子に受け入れてもらえたと言ってもいいのではないか。
実は目の前でお客様にお買い上げいただいた瞬間に立ち会ったことがない(注文を除く)。目の前で「これいただけますか」と言われてみたかったので嬉しい。
作家本人と会って幻滅しやしないかと内心ドキドキする。目の前でお話しさせていただいて、現物を見て、なんと複数お迎えいただいた。丁寧に梱包して袋を渡してお礼を一連の流れを始めてさせていただいた。思い返して余韻に浸りながら白米だけで茶碗一杯食べられる嬉しさ。
外国人客
海外に住む来日観光客にお買い上げいただけたら一つの目標を達成したことになる。雑談とよろず観光相談も受け付けたい。
→12月中旬はクリスマス帰省する前に日本らしいお土産を買い求めている日本在住の欧米人が多かった。クリスマス前となるとバケーションに入ったインバウンド客が増えるかと思いきやむしろ少ない時期だった。
多かったのは中国人客。とりわけ転売目的の客だ。中国で人気の作家さんが展示されていてその人の作品目当ての人ばかりだった。スマホで電話して確認しながら、あるいはスマホの画像かメモを見ながら作品を選んでいる。自分のためではなく転売目的なので私の作品や他の作家作品には見向きもしない。
蟲愛を語る
学術的でなくとも、蟲ブリード経験や虫取り、虫飼育、好きな虫談義をお客さんとしたい。敢えてラフォーレで。
→その願いはあまり叶えられなかった。私の作品を熱心に見ている若い女性2人に話しかけようと近づいたら「虫とかほんとキモい。ありえない」と話しているのが聞こえて退散したり。蟲好きなお客さんが来て下さった時はとても混み合っていてゆっくり話せなかった。もったいない。
お迎え目標
3割を目指したい。たくさんの人に作品をみてもらいたい。
→結果は上々。予想外に1人で2つ、3つとお迎え頂く。相当ニッチだが気に入ってくれる方にはぶっ刺さる様子。そんな仲良くなれそうな人はぜひ私にDMしたり声をかけてほしいと願ってる。毎回、店頭を訪れるとショップカードが無くなっているので合計120枚以上は貰っていってくれた。その中からインスタでメッセージを送ってくれたり作品を迎えたりしてくれる人に繋がることに期待。
出店料回収し黒字化
初日に達成してしまった。目標が保守的すぎた。でも嬉しい。
93組の出店作家の中でディスプレイ大賞とトロフィーをいただいてしまった。スーパーでシメジ1パックを買って作品に挿して遊んだりしたのが功を奏したのかもしれない。知らんけど。
ありがたや。見てくれている人はいる。刺さる人も100人に1人はいる。