美麗標本を眺めながら呑める「昆虫館BAR」

 

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通常は「サイエンスバー インキュベーター」として営業し、オリジナルカクテルをビーカーや試験管で提供するバー。
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そこが日月祝日限定で「昆虫館バー」として間借り営業している。
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お通しのクッキーはインキュベーターと共通。何の式か聞けばよかった。Googleで調べればいいのだが。
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蟷螂カクテルを頂いた。チェイサーの水はビーカーに入って供される。

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昆虫の研究で博士号を取得したという店長は働きながらも趣味というかライフワークで研究所に所属してカマキリの研究を続けているのだそうだ。カマキリはまだ知らないことも多いそうだ。一方で蝶はある程度調べ尽くされていて発見の面白みに乏しいそうだ。質問するとハキハキと底なしの知識を分けてくれる。

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店主が各国で採集した標本が揃いのガラスドームに入れられて並ぶ。先月はフレンチギアナに昆虫採集旅行に出掛けていたそうだ。
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美麗な緑光沢のハナムグリ。カブトムシのようにしか見えない。カブトムシとハナムグリの判別は口の形状でするらしく、角の有無はハナムグリとカブトムシの判別に関係なく、角の無いカブトムシも多いのだそうだ。
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2杯目のタガメサイダーを使ったハイボールが予想を遥かに超えて美味しかった。マスカットのような果実香があり甘く美味しい。タイなどでは香り付けのハーブのような役割でタガメが用いられるのだという。

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ヨツコブツノゼミがこんなに小さいとは知らなかった。ペルー産のものが多い。
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日本でもツノゼミはいるそうで長野県諏訪で採集されたツノゼミもあった。ツノゼミはコブシなどツノゼミが樹液を吸う樹木を探し、蟻と共生関係にあることが多いので蟻を探すと見つけやすいのだそうだ。
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立派な蛇蜻蛉。
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左はタガメ、右はタガメモドキ。全くもってタガメに思える。コオイムシ科はコオイムシ亜科とタガメ亜科に別れるそうだ。ならばコオイムシ科が上位であることを思うとタガメコオイムシモドキと呼ぶ方が筋が通る気がする。さもなくばタガメコオイムシ亜科とするかだ。
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蝶だけだとか特定の昆虫に偏らずに多種多様な標本が並んで飽きない。美麗な図鑑や書籍、雑誌も手に取って読みながら飲める。
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間借り営業ではなくフルタイム営業に移行するために移転先を探しているそうだ。是非、むし社もある高円寺に来て欲しい。
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憂鬱な月曜日に楽しい目的地ができた。

日、月、祝日15:00〜02:00

 

銅製蝉幼虫の5年の経年変化を観察する

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物々交換して手に入れた水晶冬虫夏草ペンダント。本物の蝉の抜殻に銅鍍金をしてあり、背中の裂目から水晶が生えている逸品。私の好みど真ん中でありながら私の陶芸とは全く技術的には別ジャンルなので入手できて嬉しい。
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脚の微毛までしっかりディテールが残っている優れもの。鍍金なので本物の蝉の抜殻が中に閉じ込められていると思うと感じ入るものがある。本物への鍍金なので造形としては完璧だ。

 

土から特徴を掴んで形にしていく陶芸とは異なるが、本物の形状にはやはり容易には真似られない存在感がある。

 

この水晶冬虫夏草ペンダントが酸化して鈍色に黒ずみ、緑青が湧いて複雑な表情を見せるところまで育てていきたい。

 

陶器を部分的に鍍金するとかどうだろうか。一定寸法以内のモノは依頼すると鍍金してもらえるらしい。作品の一部を鍍金した陶器。金や銀の上絵付けとは異なる陶器は見たことがないので一度試してみたい。

桜と花粉

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なんだか花粉のせいで桜の季節が年々、素直に楽しめないものになりつつある。勿体無い。こんなに美しいというのに。

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中央が深い紅の桜。

ランチを持参して花見でもするか、と思い立っても次の瞬間には花粉のことを考えてしまう。それでも行くか。

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背景が黒いとうっとりするほどに引き立つ

 

灯螂舎の昆虫焼菓子「蟲菓」

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昆虫を取り入れることで食味の良くなる組み合わせのみを「蟲菓(昆虫焼菓子)」として製品化して販売している「灯螂舎」さん。試食した感想や疑問を記録しておく。

 

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昆虫食がバッシングに遭っているらしい。どこぞの自治体で学校給食に出され、昆虫食に肩入れしすぎていること、昆虫のアレルギーの懸念が軽視されていることなどが問題視されたらしい。

 

私は蟲は好きな人が食べれば良いと思っている。強く他人に強いるべきものではない。エネルギー生産効率が高い未来の人類を救う可能性のある食材とされている。しかし食品ロスが3〜4割も出される現状をまずは改善すべきだと思う。さらに言えばマクロに見れば日本人が昆虫食にシフトしてエネルギー自給率に貢献する度合いなどより中国人が肉食率を高める影響の方が遥かに大きいと思っている。

 

結論として昆虫は食べたい人、興味のある人への嗜好品だと思っている。
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左の「こおろぎサブレカシューナッツ&タイム」は苦味が強い。しかし食用イエコオロギパウダーの苦味なのか、タイムによる苦味なのかがわからない。積極的にまた食べたい味ではないかもしれない。

 

右の「かいこディアマンクッキー紅茶&プラリネ」はとても美味しい。友人知人に勧めても香ばしい、美味しいと言ってくれる自信がある。真っ先に感じるのはアールグレイの香りで食用蚕ペースト固有の風味が何なのかはわからない。結論としては美味しいしまた食べたい。


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左「こおろぎディアマンクッキー 塩ココア&八角」は普通に美味しい。ココアの香りが優っている。ただ、こおろぎ入りという知識で味わっている気もする。

 

右「かぼちゃサブレ 蚕沙使用」はこれも香ばしく美味しい。かぼちゃの風味は感じない。蚕沙とは蚕の幼虫の未消化物、つまり糞だそうだ。蟲というだけで脱落する人も多そうだが蟲の糞だと聞くと脱落する人はさらに増えそうだ。なのに美味しい。私としてはアリ。

 

結論としては好みの問題でしかないが、蚕入りクッキーやサブレは美味しく、また食べたい。こおろぎは苦味がありクセがある。ジンジャークッキーなどが好きな人は好みかもしれない。

 

ここで疑問。

・果たしてどれだけが蟲固有の味なのか。

・話題性のために味に影響の出ない程度に微力混ぜているだけなのか。

・蟲抜きでも普通に美味しいのではないか。むしろ蟲無しのほうが美味しいのではないか。

・蟲は栄養のある「かさ増し材」なのか、風味の為に積極的に入れたい材料なのか。

 

8個入り1200円なので安くはない。大手メーカーの大量生産品よりもかなり高い。そんな蟲菓を食べる人は蟲が入っていることに興味や価値を感じているのだろうから4種詰め合わせは全て異なる味の蟲入り焼菓子にするよりも蟲食材を入れたものとレシピは全く同じ蟲抜きを2種食べ比べることのできる詰め合わせが良いのではないか。「かいこディアマンクッキー」が蚕抜きよりも蚕入りの方が美味しい可能性はそれなりに高いと思っている。蚕が入らないとあの風味は出ないと伝われば美味しいお菓子を食べるために蟲入り焼菓子を選ぶ積極的な理由になるはずだ。

 

是非、蟲入り&無し食べ比べセットを作って欲しい。蟲の魅力の真価が伝わるのではないか。

 

昆虫入りの方が美味い。ついでに生産エネルギー効率も良い。そうなると普及に加速がつく。

3月の緑道 椿尽くし

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1月末に首肩をやられ、長時間の運転やら子供をスキーに連れて行き板を担いであげたり無理したら回復が長引いた。そんな状況で阿佐ヶ谷で寒い夜、階段を踏み外して腰を強打してしまった。酒に酔っていたが酩酊のせいではなく雨で階段が滑りやすくなっていたせいだと思っている。1週間以上痛みが続いた。老いた。

 

そんなわけで食べつつも運動はせず、体重は69kgを超えていた。泣きたい。久しぶりにジョギングを再開するも身体は重いし花粉はまだ待っていてクシャミが骨に響く。踏んだり蹴ったりだ。

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赤と白の混ざった絢爛豪華な大輪八重咲の椿。その後ろには白、赤の椿も咲く。並んで植えた銘品椿の枝をうまいこと横に伸ばして色とりどりの椿が同空間に咲くように工夫している。随分な数寄者、風流者。
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こちらも
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薄桃色の八重咲椿。
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これぞ古風な正統派椿。街ゆく人に椿を描いてもらったら描いてくれるのはまずこれだろう。そして地にポトポトと落ちる花も椿ならでは。
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紅白混じりも目を引く。

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気のせいだろうか、今年は昨年よりも見事に咲く椿に多く出会う。
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花弁の少ない椿の方が好みだな。

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なんだか野暮ったいほどに蕊の量の多い品種も見かけた。こんな椿が頻繁に通る道に咲いていたとは。
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炸裂した花火のような蕊よ。

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そして数学幾何学的な端正な椿。千重咲きというらしい。この容姿で白や赤もないものだろうかと思ったが、「くす玉」など赤や白の品種も当然あるようだ。

 

今年は椿が狂い咲き。

 

国立新美術館

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もうそれ自体がアート作品ともいえる国立新美術館は適当に撮っても良さげな写真になる。
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緑色のガラスを透過することで生まれる色のグラデーションも綺麗。

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この円錐の上の子供心が踊るような特等席にフレンチのひらまつが運営するポール・ボキューズというカフェがある。

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バニラアイスが500円強、ケーキとドリンクのセットが1500円とかなり場所代込みの良いお値段だが、息子曰く「今まで食べたバニラアイスの中で一番美味しい」とのこと。しっかりと黒胡麻のようなバニラビーンズが入ったものだった。
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国立新美術館の建築費は380億円程度だとか。東京オリンピックのために作られて利用のアテに乏しく維持費だけでも毎年18億円円かかると言われ公費で10億円負担することが決まっている新国立競技場は建築費1529億円だったとのこと。大規模修繕で50年にわたり650億円が見込まれているという。
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国立新美術館は採算性はわからないけれども絶えず催しがある。しっかりと活用されている。利用率と需要をしっかりと検討して箱物は建築して欲しい。サンプラザ中野の建替えがまさに直面している問題。
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この曲線美。私が若い頃、数年の間は雑誌に紹介される最新のおすすめデートスポットの定番だったような気がする。

陶蟲夏草鉢「ダンゴムシ」 X 「シルバーブルニア」

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腹から生える今までの形状ではなく背中の外殻の隙間から生えるタイプを作ってみた。自分としてはアリではないかと思う。実験的な試みだったが満足の結果。

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腹には穴が空いていない。体躯の下に空間があることで団子蟲そのものが苗床になっている印象を強められるのではないか。また、腹を下にしながら脚を見せるのも意図。懸念は土容量が少ないので乾燥と低栄養に耐性のある多肉植物を選ばないといけない点だ。サボテンをコンパクトに育てるならばいけると思っている。
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乾燥させたシルバーブルニアを挿しているが葉を取り除くと、粘菌の子実体のような見た目になって実に好みだ。

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頭と尻に水抜き穴が空いているが、その穴を大きくして根が下に繋がるようにできたら土容量の制約を克服してより大きな多肉植物を育てることができるようになる。大きな鉢の上のディスプレイカバーのような位置付けだ。
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もう2、3作品ほどこのタイプを作って植え込み方のバリエーションを変えて楽しんでみたい。