先月、初めて息子を連れて祖父母や義父の墓参りに行った際に購入した日本酒を開けて飲んでいる。
出羽三山から取ったであろう「出羽燦々」と名付けられた庄内の酒適合米を用いて醸された銘蔵「上喜元」の純米大吟醸。山居倉庫で貯蔵した、ここでしか販売していない銘柄だと聞くと買わずにはいられなかった。普段は2000円前後の純米吟醸酒を愛飲している小遣い制の勤め人の身には背伸びをした出費ではあった。
今にして思えば、「酒田」という街の名前からして直球な名前だ。酒と米が美味い地域。鳥海山の湧水、地下水を用いて米を作っている。北前船の影響で京文化の香りが強い地でもある。日本酒は初孫、上喜元、菊勇、麓井、楯の川、清泉川、松嶺の富士などの銘柄が揃う。
映画「おくりびと」の舞台でもあり、藤沢周平の数々の小説の舞台になった地でもある。
とどめに、寒冷な荒海に脂ののった魚がひしめく日本海に面した漁港の街でもある。ご飯と酒と肴と三拍子が揃っている。子供の頃には感じたことのない、酒好きとしての大きな魅力を祖父母の家に感じるようになった。
また、ご先祖様に挨拶しに墓参りにいかないと。