自分好みの酒器で日本酒三昧。「日の丸」「青天の霹靂」「久保田 千寿」

f:id:mangokyoto:20210124111159j:plain

徒歩圏内の高円寺「オオゼキ」スーパーのおかげで、お酒を買いに探しに出るのが楽になった。

大きな買い物用マイバッグに日本酒を入れると重くて転がるので座りが悪い。そこで日本酒を買うぞと意気込むときは山形県酒田の銘酒、上喜元の布地を使ったマイバッグを持参する。

f:id:mangokyoto:20210124103854j:plain

この日のオオゼキスーパーは作の「神の穂」が入荷されていた。おいおい、どこまで行くのか。六根はエメラルドなどの銘柄が売り切れていた。さらに鳳凰美田が数銘柄、新たに並ぶ。しかも定価で全く上乗せされていない。

 

f:id:mangokyoto:20210124103903j:plain

私は焼酎飲みではないのだが、焼酎も盛り上がっているらしい。「魔王」は「森伊蔵」「村田」と並ぶ3Mと呼ばれるプレミア入手困難人気銘柄だと聞いたことがある。これがその「魔王」なのか。これだけスーパーで定価販売されてしまうと、ちょいとお高い料理屋で飲む際にスーパーから買って飲めば幾らなのに、x%もマージン乗ってそうだな、などと思ってしまいそうだ。

 

1月に飲んだお酒の備忘録。

f:id:mangokyoto:20210124111252j:plain

秋田の純米吟醸酒「日の丸」。

まずはラベル買いして正月に飲んだこちら「日の丸」。正月用の限定銘柄だが、酒造の名前が「日の丸酒造」なのだ。日の丸酒造と聞いても馴染みはないが「まんさくの花」と聞けば酒呑みは覚えがあるかもしれない。東北は秋田県横手の酒蔵で、横手を舞台にした43年ほど前の朝ドラ「まんさくの花」から採用した代表酒。

極寒の冬に春の兆しを感じづらいぐらいにまだ寒さの厳しいうちから「まず咲く」「真っ先」から転じたという「まんさくの花」。2021年を開くにはうってつけな「まんさく」で「日の丸」な酒だと思った。誰かと食事する際には物語のある銘酒も良い。

f:id:mangokyoto:20210124131413j:plain

味はお節には合うもの、合わないものが結構別れるので、もっと個性の控えめな万能の食中酒のほうが良かったかもしれない。味が濃いものには合う。

酒器は今のところ、持ちやすさの点では一番気に入っている形の酒杯。赤2号土に辰砂釉と特殊変化を起こす試料を塗ったものを1230℃で酸化焼成

 

f:id:mangokyoto:20210124133519j:plain

青森の大吟醸酒、「青天の霹靂」。

これは覚えておこうと思って早々にラベルを剥がしてしまった。

青森が2015年より一般販売を開始した「あっと驚くような旨い米」を目指して新規改良された食用ブランド米。それを100%使った大吟醸純米酒だ。それでも2000円を超えない。

通常、日本酒は山田錦や雄町などの酒造好適米と呼ばれる米で作られる。タンパク質が少なく、心白という中心部分が大きいお米で食用米より病気に弱く収穫も少ない。

この「青天の霹靂」は炊いて食べる食用米を用いて醸造している。酒としての味は落ちるのか興味があったが、普段飲む少しばかり上等な食中酒としては全く遜色がなく美味しかった。友人とオンライン呑み会をしたのだが、4時間話に花が咲いた後には四合瓶が空いていた。それぐらい、食べながらでも、満腹になって酒だけを飲む状態になっても楽しめる酒だった。大吟醸酒というほど香りの自己主張が強くないのも良い。

コロナ禍で飲食店での日本酒消費量が落ち、酒造好適米の需要も落ちて農家は困っていると聞く。酒造好適米は日本酒以外への転用はなかなか難しいのだそうだ。その点、食用米でここまでの日本酒を醸造できると産業としてはリスクが減るのではないか。もしかしたら、未来の日本酒は技術力が上がり食用米で作られるようになるのかもしれない。

 

 

f:id:mangokyoto:20210124110853j:plain

新潟の純米吟醸酒「久保田 千寿」

学生の頃、飲み会で飲むちょいと良いお酒と言えば久保田だった。それも本醸造などで純米酒で既に背伸びしている感じで、千寿や万寿など置いているような店は行ったことがない。

久しぶりに久保田を飲んだ。千寿も綺麗でスッキリ、そして穏やかな米の香りでおそらくお節料理には飲んだ銘柄の中ではこれが一番、万能選手として合わせられたのだと思う。萬寿、碧寿とさらに精米歩合の高い値段も高い銘柄もあるのだが、千寿で十分美味しい。肴も無しに1人でチビチビと飲むのに良い穏やかな酒だ。

f:id:mangokyoto:20210124163653j:plain

そんなわけで、今晩のご馳走、蟹しゃぶのお供は久保田 千寿に決定。その選択は正しかった。

 

f:id:mangokyoto:20210124163703j:plain

それにしても蟹しゃぶ、美味しい。こんな自慢、嫌味ったらしいのだろうけれども、自宅で蟹しゃぶなんて人生初めてのことなので浮かれることにも容赦願いたい。そして、ふるさと納税様々だ。北海道東端の漁港など行ったこともありませぬ。

 

酒杯は年末に窯出ししたものを初めて使ってみた。4、5勺ほど入る容量で、食中酒としてだけでなく、穏やかなお酒を日中にそれなりの量を飲むのにも都合が良い。大吟醸酒よりも控えめな香りなので少しばかり径の大きな杯のほうが香りを感じやすい。

黒土の轆轤成形で杯の腰から上が金ラスター釉薬、脚と台が無釉の焼締。

 

黒ばかりだ。白い酒杯があっても良い。