高円寺 「薔薇亭」焼失

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年末の12月28日未明に中通り商店街と庚申通り商店街の角のアフターアワーズと薔薇亭が入居する建物で火災が発生したらしい。


幸にして怪我人は出なかったそうなので、記録しておこうかと思う。

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焼け方の激しさを見ると火元は薔薇亭よりもアフターアワーズのほうだろうか。警察、消防の現場検証によると出火原因は不明だが、アフターアワーズとクレープ屋の壁の間のケーブルが火元らしい。漏電か鼠に齧られたのか、わからないらしい。誰も悪くない不運ということなのか。


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高円寺の薔薇亭はローズ亭と読む。1973年創業でご夫婦が48年営業されてきた老舗で、個性的な店として知られた存在。


食べ方のマナーがなっていないと指導される。

携帯を見ながら食事などはもってのほか。

荷物を隣の椅子の上に置くと指摘される。

店内禁煙だけど店の親父は厨房で吸う。

おかみさんが派手なカチューシャやら帽子飾りやらをつけていて、テレビにも度々取り上げられている。

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そういうのを煩わしく思う人は敬遠するが、常連も多いらしい。


地方から上京してきた人には、東京のオカンのような存在になる。

カウンター中心の一人で入店しやすい店で、「しばらく顔出さなかったけど元気にしてた?」みたいなやりとりのできる店だ。初めて入店した時もおかみさんが話しかけてきてくれた。

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高円寺で学生時代、独身時代を過ごした人達の中には強い思い入れのある人も多いようで、焼け落ちた店の前に置かれたメッセージボードには再開を望む声、励ましの声、感謝の声で埋め尽くされている。

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街角定食屋の48年間の生き様がメッセージに現れている。こんな店が幾つあるだろうか。


ぶっちゃけ、美味しいと思ったことはないのだけれど、それを目的に行く店でもない。腹を満たしに行くのではなく、人寂しさを紛らわしに行く店というか。食事は栄養摂取だけが目的ではないと気付かせてくれる。

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賃貸テナントだったのだろうか。火災保険で再建されるのだろうか。ご夫婦もかなりの高齢なので、果たして再開されるだろうか。何もこのコロナ禍で追い討ちをかけるようなタイミングで火事に見舞われるとは。


ファンが待っているので可能ならばまた蘇って欲しい。