今年の正月はコロナで実家に帰らなかったので取寄せお節を分けて送ってもらった。そのお節が入っていた桐箱が何かに使えるはずだと取り置いていた。それが日の目を見ることに。上等な袋や箱を捨てられない貧乏性が役に立つこともある。
透明アクリル板をくり抜いた天板に嵌め、蚕を観察できるようにした。また、アクリル板にはドリルで無数に穴を開けて空気が入るようにしている。塗装のない白木の桐箱なので木が適度に湿気を吸う調湿機能付き。計測すると気温25℃、湿度70%なので完璧だ。
拘りは2段重ねの箱の上段底に5mm穴の金網を入れることによって蚕や桑の葉はそのままに蚕の糞だけが下段に落ちるようにし、糞掃除を格段にしやすくしている。
また、側部にもドリルで穴を開けて通風を図っている。蒸し暑い日には上下段の間に割箸か何かを挟んでさらに通過をよくすることもできる。
緑道にも桑の木が生えている場所を2箇所見つけ、さらに遠くの公園から失敬した枝をネメデール溶液に浸けて発根管理している。うまく根付かせられれば、いつでも新鮮な桑の葉を食べさせられる環境ができる。
これで蚕種「小石丸」の幼虫をさらに十頭預かって育てる準備が整った。
昨年、小学生の有志家庭で育てられた蚕は繭を絹糸にし、シルクスカーフに仕立て上げられてオリンピックUAEチームの贈られたそうだ。地域特性を生かした小学校による素晴らしい企画だと思う。
そして後日。
子供が大事そうに蚕種「小石丸」の幼虫を10頭ほど連れ帰ってきた。宿題をやる際にも傍から離さない。寝るときは枕元に置くと言いかねないがそれは困る。事故があってはいけないということで最も目が行き届く快適なところを検討した結果、私の仕事部屋に置かれることになってしまった。
大きさにバラつきがあって4令と思しきものから2令ぐらいのものまで様々。
糞が網の下から落ちる仕組みが機能している。これで掃除がしやすくなり、カビの発生や病気のリスクも下げられる。
弱そうで死なせずに育てられるか少し不安だが上手く育って欲しい。