5年ぶりだろうか。パリはモンマルトルより北にあるクリニャンクールの蚤の市。
蚤の市というには没落貴族の放出品のような高級品からジャンク品までピンキリの商品が並ぶ。
ギリシャやイタリアの石像だろうか。安っぽい石膏像ではない。
こんな貝や珊瑚の店もあった。ウニの骨格の大きなこと。
とても綺麗な貝が多いが日本でもう少し安く買えるものばかり。鮑貝を真珠質まで磨いたものが35€で売られていたのには驚いた。貝に関しては東南アジアに近く沖縄も擁する日本の方が豊富に手に入るのだろう。
室内にも店は続く。
クグロフなどの銅製菓子型は壁に飾っても素敵だし、実際に使えるのだろうけれども我が家には宝の持ち腐れだろう。
羊の頭の真鍮飾りは興味があったが店員がずっと他の人の接客をしていて終わるのを待つのも面倒に思えて店を出た。
基本的に接客は冷たく雑で「欲しいものがあるなら売ってやるよ」なのか「どうせ見るだけだろ」なのか。まあ、フランスの標準的な接客態度とも言えるけれども。
一際大きな狛犬というか狛熊とでも呼ぶべき一対の熊像。
奥には巨大な大理石のマントルピースや大理石の噴水、イスラム様式のタイルの暖炉など。鑑定書付きとのこと。おそらく値段は数百万、へたしたら一千万円を超えるのかもしれない。
箪笥一つとっても豪華。買う気は全く起きないけれども見ていて楽しい。
フランス人富裕層にも東洋趣味、日本趣味の人はそれなりにいるのだろう。そういう人たちが放出したと思われる侍の武具甲冑なども売られていた。
安いイミテーションではなくそれなりにきちんとした古物だと思う。
庭に置く鹿の鉄像も良い感じだ。赤錆がそのような色の鹿に見える。
屋根のある二階建ての一画には古いレコード、ポスター、雑誌など
さりげなくなかなかの絵があちこちに置かれている。
結局何も買わなかったが2時間近く歩いてとても良い時間潰しになった。