七宝樹錦と石蕗

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冬になり暴れ始めた七宝樹錦。
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その小さな鉢と土からはアンバランスなほどに大きな葉を茂らせる。
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床に着き、そこを足場にして上へ、太陽へと立ち上がり始めた。どこまで伸びていくのだろうか。微量な痩せた土だけで光合成と水だけで生成していけるものなのか。

 

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庭先の石蕗が綺麗だったので摘んで一輪挿型の陶蟲夏草鉢に投げ入れた。
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打ち上げ花火のように四方八方に放射状に咲き、花びらも陽光を透過して陰影を作って輝いてくれる。
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眩しいほどの生命感。

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フワフワとした窓辺の白サボテン区画。その菌糸体のような見た目が気に入っている。
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高密度な林立鉢を作ってみても良いかもな。

 

 

 

国立科学博物館常設展で作陶アイデア探し

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相変わらず美しい、西洋を無心に追いかけた時代の建物。1928年竣工。
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高校生だった鈴木少年にちなんだフタバスズキリュウ。水中でなければこの首の長さはあり得ないのだろうな。
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陶のキノコを花壇に植えるのはどうだろうか。
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スッポンタケはなんとも創作意欲の湧く形と色をしているが、そっくりに作れても「何これ?」と言われてしまうのだろうな。
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こんなヒダも造り甲斐がある。
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アリの巣を苗床にするキノコなんてものもあると初めて知った。
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美しいゾウムシ。
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いつか陶器で骨格標本を作ってみたい。
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こんなんとか。
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一般的なイメージと違う気がする本物の忠犬ハチ公の剥製。秋田犬だから大きい。足元に侍る芝犬のイメージだったがこれが真実。
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整然と海洋生物の標本や模型が並ぶ中で、一箇所だけ躍動感溢れる魚を捕獲中の烏賊の模型。
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星座盤を手に入れて夜空の星を探すようになった子供達にはこれまで見向きもしなかった昔の天球儀が興味深い対象となる。

 

毎回、発見がある。何せ収蔵品455万点のうち常設展示は1万4千点ほどだというから気づかないうちにあれこれ変わっているのかもしれない。

ウシシカまみれ剥製天国

リーチュエという偶蹄類を知らなかった。とても好みな角と体格をしている。

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いそうでなかなかいないS字湾曲で大きな角。

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V字に広がりつつ前後にS字湾曲している優美なフォルム。
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そして角と体躯のバランスも良い。リーチュエもいつか作陶しなければと思う。

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コンゴザンビアアンゴラなどに住む、湿原を自由に走り回るウォーターバックの一種。何度も国立科学博物館に来ていたはずなのに視界に入らなかったのが情けない。
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アルガリ
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トムソンガゼル。
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この座った姿もとても参考になる。脚が細過ぎて模して作陶するのはしんどそうだ。
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地球館3階は私にとって天国のようなエリア。いつまでも見ていたい。
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様々な形の角を見ているのは楽しい。
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こんな真上から見られる博物館はそうそうない。とても勉強になる。想像の姿よりも耳が大きく前を向いている。
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この通りに造形しても違和感を感じてしまいそうだが、これが現実。
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四本脚で棒立ちした姿の剥製だらけになりがちだが、ここ国立科学博物館はこのように寝そべった姿の剥製があるのが素晴らしい。
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ビッグホーンは完全に装飾的な非実用な角となってしまっている。
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アフリカにいそうな印象だがインド、ネパールに生息するブラックバック。
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この角も作り甲斐のある魅力的な形状。
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オオヘラジカ、ムースなんかも作りたい。

いつになったら陶芸を再開できるのだろうか。

国立科学博物館「毒展」

子供にねだられて国立科学博物館で11月から開催されている「毒展」へ。動物、植物、鉱物や合成物の毒がテーマだそうだ。

 

前日決めた話なので日曜日の予約チケットは売切れて既に無く、開場30分前に到着して当日券狙い。8時半に到着。朝イチなので当日券は購入できたが既に20人近く並んでいた。そんなに人気があるのか、毒展。

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精巧で巨大なハブとオオスズメバチの模型が出迎えてくれる。記念写真に良い写真スポットだ。
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この状態で牙と頭が飛んできて、肉に刺さると牙の先から毒液が一気に内部に注入される。こうして見ると蛇は目で標的を視認できていないのだろうが、舌で把握できるから問題ないのか。噛み付く際には舌を引っ込めるのだろうか、それとも目標に弾着するまで舌を出して方向確認をするのだろうか。
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巨大なイラガの模型。トゲトゲ過ぎて、子供達がまたがって遊んだりできるように払い下げることはできない。展覧会後はどこに行くのだろうか。先着で実物大イラガのシールも配布されていたらしい。イラガがハブ、オオスズメバチに並ぶ人気毒役とは知らなかった。
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ドクゼリ。毒芹。爽やかな印象。
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枇杷の果肉が未熟なうちは毒だと知らなかった。柿しかり、梅しかり、熟すまでは毒を持って食べるなと警告する。熟したら食べて種を運んでくれと毒を消し果実を甘くして誘引する。何も考えずに何でも食べようとする捕食者を諭すかのようだ。
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枇杷の種が毒だなんて知らなかった。

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寝床で見たくないものその一。
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ブタゴリラは人間の名前、みたいなものか。蜘蛛と鳥を混ぜて恐怖具合が増すネーミング。
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自分で噛ませてレベル評価した向こう見ずな学者様がいたらしい。

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ソクラテスの死刑は毒殺。クレオパトラは毒蛇による自殺。

チェーザレボルジアは毒殺で政敵を容赦なく排除したが愛用したのはカンタレラという白い無味無臭の毒で毒展では亜砒酸説を採っているようだ。「砒素化合物はその摂取経路や摂取量によって症状が慢性や急性に変化するため亜砒酸をカンタレラの主成分であるとすれば「処方により即効毒にも遅効毒にも自由に操れた」とされる当時の記述にも矛盾が無く説明がつく」そうだ。

塩野七生著「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」は読み返したくなる名著。
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ヤマカガシの毒は全て食するヒキガエル由来だそうだ。それ以外の餌で育てれば無毒ヤマカガシが養殖できるのだろうが需要はなさそうだ。
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惚れ惚れする骨格標本。組み立ての労力を想像すると気が遠くなる。
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ヤドクガエルオールスターズ。トリカブト毒矢文化圏、ヤドクガエル毒吹矢文化圏などの分布図は学術的で興味深かった。
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メグミは赤と青と覚えた。
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オーストラリアの人気者といえばコアラ、カンガルー、ウォンバット、カモノハシ。コアラは数少ないユーカリの毒素を解毒できる生き物。カモノハシは自身に毒を持つ。
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美しいハコフグ。鮮やかな背景。昔の美術館や博物館は背景色がつまらなかったが最近はカラフルになったと思う。
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誰もが名前を知るワライタケ。少しばかり舐めてみたいと思う。
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アカテングダケトリカブト、トラフグ、キングコブラヒョウモンダコセアカゴケグモスズメバチが茸、植物、魚、爬虫類、頭足類、蜘蛛、昆虫各界の誰もが名前を知る代表のように思う。単なる毒性の強さだけでなく外見的特徴も踏まえた認知度において。今でもキノコ代表はカエンダケではなくアカテングダケだと勝手ながら思っている。
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辰砂は水銀を含むそうだ。陶芸ではたまに使うのでどきりとしたが釉薬の辰砂は銅であり赤い発色が似ているというだけの別物らしい。
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毒を持つ生物と毒を持たないベイツ型擬態の生物を見分けるのは本当に難しい。ヒレを見ればわかると言われても実際には動いているわけだ。

生き方としては毒の生成はエネルギーも使うのでベイツ型擬態が効率的で見習いたい生き方だ。存在がブラフ。「虎の威を狩る狐」という表現は狐に不当だからベイツ野郎とでも呼ぶことを提唱したい。
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ラーテルの剥製は初めて見たかもしれない。コブラの毒が効かず、分厚い皮を持ち、ライオンも象も恐れずに喧嘩を売る攻撃性を持つ好奇心の塊のような行動的な動物、ラーテル。一匹狼の言葉が本来意図するものは一匹ラーテルの方が当て嵌まると思っている。
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国立科学博物館の展示は一般的な客が求める、かつ吸収できる水準を超えた正しい知識を浴びせてくれるのが素晴らしい。コブラの毒がアルファ神経毒であり、呼応するのはニコチン性アセチルコリンエステラーゼ受容体であることも学べた。
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さてさて、売店コーナー。ヤドクガエルは体型、色ともに素晴らしいが思っていた以上に小さい。大型のヤドクガエルがいれば見てみたい。
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アカハライモリがそんなに毒だという印象はなかったが、毒だからこその警告色。
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色違いのヤドクガエル型の定期入れ、小さなポシェットになっているものも見つけた。
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毒生物クッキーも印刷のクオリティは高いと思われる。おそらく前回の植物展と同じ発注先。
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サカナくんが被っていそうなハコフグ。なかなかオシャレな模様をして、目がつぶらで可愛らしい。
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とても欲しいと思ったヌイグルミ。今回の展示で特に印象に残ったのはハブの噛みつく際の開口の大きさ。今まで蛇のヌイグルミはどれも口を閉じた形状のものしか見たことがなく興味を持たなかったが、これは躍動感があって良い。しかし息子達に「必要?」「2400円もするよ」と嗜められ我慢した。子供達に止められるとは。肌触りも良いし冬、首に巻いたら暖かそうなのだが。
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地球館にある精養軒が運営するカフェへ。値段は少しお高いのだが昼しか営業していないので仕方ない部分はある。毒展スペシャルメニューを頂いた。
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量が少ないとか色が奇抜とか思ったが、何だこれ。相当に美味しい。真フグのクルート焼きに紫キャベツのソースだそうだ。それにパンとスープがつく。1800円なり。

知恵熱が出そうなぐらいに学べることがたくさんの「毒展」だった。

目黒 とんかつ「とんき」

目から鱗に感じた広い広い配膳場のある間取り。提供する店員の動きやすさが最優先。こんな配膳場が劇場のようなレイアウトも面白い。

 

とんかつ「とんき」は以前から聞いたことのある店名だった。ここがあの有名な「とんき」か。

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広い店舗にコの字型にカウンター席が並ぶ独特なスタイル。
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何せ、配膳場が広い。カウンターも床も全て白木なのが粋な老舗和食屋。そこを目まぐるしく店員さんが歩き回る。
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ヒレとんかつ定食を頼んだ。印象としてはかなりしっかりと揚げている。肉も柔らかさをウリにした最近の流行りのものではなく、しっかりとした噛みごたえのある味の濃い肉。

そしてここ最近では食べたことのないぐらいのカラシ。涙が出た。

なるほど、ヒレカツ定食2100円と少しお高めだがご飯、豚汁、キャベツはお代わり無料。客足が絶えない理由に納得。

 

外国人客も多い。ディスイズ ベスト ポークカツレッツ レストラン イン ジャパンとか言ってるのだろうか。
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頼みもしないのに、追加おかわりキャベツいかがですかと回ってきてくれるのも嬉しい。

また来ます。

柿 美味しい「味覚」の持ち帰り

備忘

秋の地方旅行は渋柿を買える

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富岡製糸場の門前でご高齢の爺様が営む自宅前の農産物小売。目に留まったのが渋柿。

 

けっこうな重量物なのでネットで買うのも送料が高いし、東京のスーパーではそのままでは食べられない渋柿は売っていない。

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せっせと皮を剥いて
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紐を括り付けて熱湯に30秒ほど浸けて殺菌。

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これを風が通るバルコニーに吊るす。今年の東京の初冬は風が無く、乾く前に黴が生えてしまわないか少し心配。しかし扇風機をつけるのも何か違う。
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ほんのりハロウィーン飾りのようでもある。

 

干し柿は買ったら楽だし手っ取り早いのだが、時間を費やして達成感を得る。なんちゃって丁寧な暮らしというやつか。

 

売物は乾燥され過ぎている。中が半生トロトロが最高に美味しい。流通に向かないからその状態のものは出回らない。やはり好みの状態のものは自分で作るしかない。

椎茸 美味しい「味覚」の持ち帰り

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こんにゃくパークに売られていた栗の木をホダ木に用いてホダ木全体が菌床と化した業務用仕様の逸品、なんと600円。蒟蒻よりもこちらの方が嬉しい。Amazonで売られている「もりのしいたけ栽培キット」は1700円もするのだもの。
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購入日の姿。

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3日目
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4日目。もう収穫すべきだったと今になって思う。

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5日目。息子に収穫を頼んでいたが、父ちゃんと一緒に収穫すると可愛いことを言って収穫しなかったそうだ。もう完全に収穫時を過ぎつつある気がする。
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6日目。収穫。どら焼きかと思うような大きさになった。完全にカサが開くと本来、椎茸は平たいキノコだとわかる。

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収穫する時は大小問わず全て収穫するのが良いのだそうだ。そして10日ほど乾かし気味に休息させ、そこから一気に水没させて吸水させると菌糸が刺激に驚いてまた一斉に発芽するらしい。