祖父母と満願オートキャンプ場で思い出作り

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両親が一度、息子たちとキャンプに行きたいと言っていた。もう親もアラウンドエイティ。あと10年元気にしていられるか、もう20年生きていたとしても外泊は難しくなっているだろう。来年には健康を害して遠出が難しくなっている可能性だってある。受け止めないといけない現実がある。親戚が立て続けに亡くなったこともあり、当たり前が続くとは限らないことを思い知らされた。

色々考えるとキャンプ泊は負担が大きいだろうし、高齢でも快適にキャンプ気分を味わうなら大型コテージ泊、かつ雨天でも焚火ができるところを探してこの満願オートキャンプ場にたどり着いた。

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斜面にあるおかげでそれぞれのコテージやテントサイトからは緑が視界に多い。

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板敷だが一部が耐熱煉瓦敷になっており、屋根の下ながらBBQや焚火ができる。
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室内は思ったよりも広く焚火ストーブも備え付けられている。黒革ソファはカリモクだろうか。
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二階建ての上下に三人づつ、六人が寝られるようになっている。テント泊ほどのアウトドア感はないが雨が降っても安心、快適に泊まれた。
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この満願オートキャンプ場が素晴らしいのが徒歩数分の距離に温泉施設があって汗を流せること。奥長瀞自然渓谷を見下ろす露天風呂は昼間の明るいうちに入るとさらに気持ちがよさそうな景色の良い温泉だった。
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献立はハラミを3時間あらかじめ真空低温調理しておいたもの、豚ロース、そしてスペアリブにおろし玉葱やケチャップ、ソースなどを和えて一晩冷凍して置いたもの、玉蜀黍、人参玉葱茸の蒸焼きなどなど。
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スペアリブが好評だった。息子が炊いた飯盒炊爨も珍しく全く焦げのない完璧な炊き加減だった。f:id:mangokyoto:20230521205444j:image

翌朝はホットドッグに焼きおにぎり、トマト、野菜サラダ、焼き林檎。この粉末コーンスープに珈琲。焼き林檎は芯をくり抜きレーズンとバターを入れたもの。

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夜はハンモックチェアに揺られつつ
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ひたすら焚火台に薪をくべて焔を眺める。癒し。
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風が肌寒く空気はひんやりと清廉で気持ちが良い。遊べる川や散策できる山があるわけでは無いのでゆっくりとサイトでくつろぐ目的のキャンプ場。満室だという。

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しかもファミリーデイという子供連れしか予約できない週末を設けている。おかげで遅くまで音楽を流したり酒盛りして騒ぐ若い人たちはおらず、小さい子供連れが多かった。予約時の注意書きからは注文の多い面倒な印象も受けたが、管理人さんは温和で親切そうで嫌なところは一切なかった。宿泊してみるとそうやって客層を実にうまくコントロールしていることに気づいた。
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翌日は9時半にオートキャンプ場を出発し長瀞の岩畳へ。おそらく35年ぶりぐらいではないか。あの頃、毎日のように一緒に遊んでいた近所の幼馴染は残念ながら会わなくなってしまっている。
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ちょうど30分後に出発するというので長瀞ライン下りに申し込んだ。


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曇天ではあるものの、草木の緑は美しく、川は澄んでいて気持ちが良かった。

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ひっくり返るような危険は皆無だが水飛沫を浴びる川下りを楽しんだ。高齢な両親を伴うにはちょうど良い。
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下船後は岩畳の縁に腰掛けてバナナを食べたり、目の前を下っていく船に手を振ったり。夏に川遊びも良さそうだ。水は透き通り川底が見える。鵜を何羽も見かけたので川魚もいるのだろう。
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もう少し子供達が大きくなったらラフティングも面白いかもしれない。父がオーストラリア時代にキャンプ旅行に私たちを連れて行った際にエアマットで急流下りをして死ぬ思いをしたと懐かしんでいた。
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長瀞駅前は阿佐美冷蔵のかき氷屋だらけだった。一つ600円となかなかの値段だが、ブルーハワイとマンゴー味を5人で分けて食べた。シロップの味はどれも一緒で色だけが違うのだと思っていたが有名なかき氷だけあってマンゴー味はマンゴーの風味が感じられた。
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もう次に経験する機会はないかもしれないと思うと財布の紐が緩んでしまう。息子たちは90歳近いであろう腰の曲がった爺様が運営する射的屋で父の手ほどきを受けて射的に挑戦。戦果は無し。残念賞にアヒルの小さな玩具を頂いた。
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帰途、1日にたった一往復の蒸気機関車の発車に立ち会えた。
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子供達が楽しかったこと

1.BBQの肉

2.長瀞川下り

3.蒸気機関車

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実家に泊まっても息子たちと両親がそんなに長いこと会話することは無かったように思う。キャンプ場泊というテレビも無い適度にやることのない状況も手伝って息子たちはあれこれ長いこと両親と話をしていた。実家に帰っても客人になってしまう。キャンプだと色々な準備や片付けが共同作業になる。それも良いのだろう。

 

あの時は楽しかったね、と思い返せる思い出の日にできたように思う。両親と子供達との楽しそうな写真を何枚も撮れたので印刷して送ろう。それを見返して思い返せるように。今のところ、子供たちは祖父母が好きだ。孫にも愛されて自分たちの人生は悪く無かった、そう思ってもらえるような思い出を積み重ねていきたい。

最低限な親孝行を果たせたような気がしてホッとした。コロナになってからしばらく会えていないもう一方の親とも考えたい。

清めの前野原温泉 

外国からの友人のもてなしに持っておきたい手札。東京都板橋区の穴場。

 

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10km先の前野原温泉へ自転車で遠征。日本庭園のある風情あるスーパー銭湯で私のお気に入りのひとつだ。
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風呂は源泉掛け流しの強塩泉もあり、寝湯や打たせ湯も気持ちが良い。湯船の脇には椿の園芸品種が育っており見事な花を咲かせている。
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食事処もなんだか風格と風情のある佇まいで食事も美味しい。
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せいろ蕎麦を頂いた。蕎麦は美味かった。
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庭を見ながらサイダーなんぞを頂く。
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甘くシュワシュワとした炭酸が長湯で脱水気味の身体に浸透していくように染みる。
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外国人客が多かった。白人のグループ、韓国人、中国人。いろんな言語が聞こえてくる。こんなに日本的風景なスーパー銭湯はそうは無いものな。貸切湯があるのもポイント高し。人前で裸になるのに抵抗のある外国人にも楽しんでもらえる。

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貸切湯のクオリティは高い。
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こんなに開放感のある貸切湯も少ないのではないか。難点はカップルでも男女混浴ができないこと。
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もう少し近くにあるとありがたいのだがそればかりは仕方がない。
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初心者の子連れでスキーも温泉も楽しみたい、スキーに興味のない家族とも一緒に楽しめる万座プリンスホテル

日本一の硫黄泉濃度の温泉

雪山を眺められる絶景星空露天風呂

1955mの標高の高さによる雪質の良さ

山頂から初心者コースが充実

アクセス悪く日帰り客が少なく空いている

ホテルとゲレンデ直結の快適さ

小学生リフト代無料

子供の喜ぶビュッフェ。アイス食べ放題。

 

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22時に寝たこともあって5時に目が覚めた。久しぶりに深い眠りでたくさんの夢を見た。大学の友人が営む古典的で新時代的なコンセプトの溢れるカフェで長いこと話し込む夢だった。


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段々と白む山並み。客室は真東を向いているらしい。源泉掛け流しの露天風呂は朝5時から入浴している客が見えた。そう、男湯の端が見えてしまう。
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昨日の疲れからか子供達は熟睡していた。

朝風呂に行くか、と声をかけると重たげな眼をこすりながらもついてくる子供たち。温泉は嫌いではないらしい。

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繰り返しになるがこの雪山絶景露天風呂の白濁湯は素晴らしい。外気の冷たさと体の芯から温まる湯の熱さ。
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風呂で目を覚まし、7時から朝食ビュッフェへ。ゲレンデに面し大きな窓ガラスのある食堂は清々しい。古き良き昭和の時代のビュッフェに感じる。バブル期にはさぞや輝いていたことだろうよ。

 

劇作家、脚本家で教育者でもある平田オリザはこんなことを書いていた。少子化によってスキー人口が減ったのではなく、スキー人口が減って少子化に繋がったと脚本家は考えるものだと。かつて若い男が比較的健全な理由で女性を外泊に誘えるきっかけがスキー旅行だったのだと。ゲレンデマジックというやつもある。皆がスキーをするわけではないがそのようなレジャー熱の低下、さらに言えば遊興費に使える経済状況に少子化の一部は起因しているのかも。

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シェフがささっと焼いてくれるオムレツが美味しかった。明太子にチーズを入れてもらった。子供たちは朝からアイスやらゼリーやら。旅行中は甘いものばかり食べていても口を出さない。
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荷物を車に積み込み、妻と長男と別行動して次男と早速ゲレンデに出る。妻と次男は11時のチェックアウトまでホテルで過ごし、シャトルバスで万座高原ホテルという姉妹館に移動してそちらの温泉に浸かるのだという。昼頃に滑り終えて万座高原ホテルで合流する算段。無理に全体行動せずにきままに別行動するのはお互いに存分に楽しめて良い。
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8時半からすぐにコースに出れるのはスキー場併設ホテルのありがたさ。まだスキー客は少なくピステの跡の残る圧雪斜面を気持ちよく滑る。
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山頂は群馬県と長野県の県境だそうで遠くに北アルプスを望める。標高1955mのパノラマリフト山頂の高さから滑り降りられる初心者コースもそうはない。考えてみたら昨年登った百名山那須の茶臼岳よりも高い。
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リフトに乗っている間は同席相手と話す以外にやることはない。いつにも増して子供は饒舌になる気がする。そんな時間も悪くない。

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新雪を見つけてはダイブを繰り返す親子。
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成長の記録。

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11時45分ごろにレンタルスキーを返却した。ゲレンデから建物に入ってすぐ返却、そのままホテルを出て車に乗れる動線の良さ。数百メートル先の万座高原ホテルにゲレンデを降りて15分後には着いていた。

 

ここはプリンスホテル宿泊客はチェックアウト後も無料で入ることができる。黄緑色をしたここだけしかないという日本一の硫黄含有量を誇る温泉をはじめ4つの源泉の湯を楽しめる。
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これもホームページからの借用した写真だが湯の色が異なるのがわかる。

 

天候に恵まれた週末だった。吹雪かれると初心者にはしんどい。標高も高く寒い。しかし幸にして澄んだ青空、夜には星空、道路も凍っておらず帰りは3時間強で帰ることができた。

 

往路の4時間半休憩なしの運転はなかなかしんどかった。再訪したいかと問われると答えに窮するが、一度は来たかっただけにささやかな達成感がある。毎年万座に行くという友人がいて新幹線で軽井沢まで行き、そこからバスだという。再訪するなら私もそうするかもしれない。

私が子供の頃、万座温泉にこそ連れてきてもらった記憶はないが、志賀高原草津、越後湯沢など父にあちこちスキーに連れて行ってもらった。与えられた良き思い出を私も息子に与えたい願望があるらしい。

 

雪山絶景露天風呂の万座温泉へスキー

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またもや大寒波、東京でも雪が降った翌日。中央道は雪のために通行止めだそうで長野に向かう車が皆、関越道に流れてきてバブル期並みのスキー渋滞だそうだ。朝5時に出発した人がまだ10時ごろに伊香保付近だなんて聞いた。松井田妙義から碓氷軽井沢まで4kmの距離が45分と表示されており、松井田妙義から降りて下道を走った。ちなみに新潟方面は赤城からさらに85分の渋滞と出ていた。今回は水上や越後湯沢などにしなくてよかった。
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軽井沢を通過し鬼押有料道路、万座ハイウェイと抜けていく。遠近法の模範例のような直線が走っていて気持ち良い。
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左手には白化粧の浅間山の山容が拝めた。
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4時間半かかって12時に万座プリンスホテルに着いた。ホテルで昼食をとるもラーメン1800円、お子様カレー700円とかなり強気な値段設定だが気にしないことにする。ホテル内のレンタルショップでスキー一式を借りていざ出陣。レンタルは半日で大人4000円、子供2000円。
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妻はホテルに留まって温泉でのんびり。チェックイン前から風呂に入れたそうで、部屋にも少し早く案内してもらえたそうだ。
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息子たちと林間コースへ。どうぶつの森コースとやらでコースの脇には熊や鹿、栗鼠、猿などの看板が可愛らしい。

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スキーゲレンデの途中にホテルがあるのでスキーを脱いですぐに部屋に戻れて快適至極。しかも子供はリフト代が無料。強いて難点を挙げるならば初心者の林間コースが上から下まではなく途中で若干急な斜面を通らないといけないところか。

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積雪140cm、気温-1℉、快晴無風と子連れには優しい天気だった。気持ちが良い。
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山頂でバーナーで湯を沸かしてカップヌードルを食べたりとかしたいんだがな。2月末にバーナーやコッヘルを持って御岳山でも登ろうかな。
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部屋はシングルベッド2つにソファベッドが2つ。部屋からは男性露天風呂が少し見えてしまうが山並みの眺望のある良い部屋だった。

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いつも人がおり、携帯電話も厳に持ち込み禁止なのでホテル、じゃらんの写真を拝借。

これぞ露天風呂という白濁硫黄泉の掛け流し。そして広々とした標高1800m雲上の山並みの眺望。夜は男性の露天風呂の一部が混浴になっており女性は湯浴み着やタオルを巻いて別の入り口から入れる。混浴部分は適度な少しぬるめの湯で長時間入っていられる温度、そしてさらに熱い芯まで温まる42℃ほどの湯船、さらにぬるい37℃の湯船と複数あって氷点下の気温でも楽しめる。
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夜、満点の星空の下で妻と子供たちと待ち合わせた。あれがオリオン座、そしたらあれがデネブ、アルタイル、北斗七星はどこだと星を探しながら家族で入った。親がのんびり浸かる間に子供たちは湯船の淵で雪だるま作り。なんだか絵に描いたような幸せなひととき。

家族みんなで入れる温泉風呂が好きなのだよな。しかし家族風呂は大抵の場合は室内風呂で眺望のある露天風呂では少ない。その点、万座温泉は最高だ。
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遠いとわかっていたが、一度は来てみたかった雪山の露天風呂。いやあ気持ち良い。もっと近くにこんな温泉があれば最高なのだがな。

奥利根スノーパークと辰巳館

・焼きおにぎりを美味しく作れるようになりたい。

・川魚の塩焼きを上手に焼けるようになりたい。

 

水曜日から首肩にかなりの痛みがあって金曜日に整形外科に診てもらった。明日の週末から子供をスキーに連れていく予定があるのだが大丈夫か聞くとお医者さんは随分と子供に理解のある方で「そりゃお子さん楽しみにしてますよね。運動したらダメということもないです。鎮痛剤をお出ししますので」「ブロック注射、今打ちますか?それが一番効きます。当日も座薬の鎮痛剤を持って行けば大丈夫でしょう」

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ブロック注射とか座薬の鎮痛剤なんてのは高校最後の大会だとか、県大会の正念場とかそのような状況で出てくるものではなかったっけ。医者に止められたら温泉に浸かるだけの旅行にしたのだが、スキーしても良いというならば仕方ない。


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投薬して一路、群馬県水上へ。東京は青空だったがさすが群馬は雪だ。気温-3℃。1月26日からここ数日は最大の寒波が来ているらしい。この利根川の向かいの白い建物が今夜の宿「辰巳館」。
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利根川を臨みながら昼食を取り、妻を旅館に降ろす。妻は旅館に早くチェックインしてのんびり温泉を愉しむとのこと。
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辰巳館から車で20分ほどの奥利根スノーパークへ。
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いい感じに雪も氷柱も出迎えてくれる。
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最寄りのノルン水上スキー場はしっかりリフト券が子供でも必要だが、こちら奥利根スノーパークは子供はリフト券無料。ありがたや。人も少なく快適。
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なかなか大ジャンプをきめられる。
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風も都合良く山に遮られる立地で視界も良く、ここ数日で一番の寒波と大雪のおかげで雪質も最高。
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東京に一番近いスキー場の一つでありながらキュッキュと音のする低温な雪だった。
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子供達はまだスキー2日目なので初心者林間コースをのんびりと繰り返し滑る。長男は全くスピードを出さず慎重派で転ばない。次男はスピードを出してスイスイ滑り、派手に転ぶ。性格と運動神経は同じ親を持ってもこうも個性が違ってくるものか、と眺めながら後ろについていく。
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随分と楽しそうでよかった。
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魚拓のような人の雪の跡をなんて言うのだろう。
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宿は広々とした10畳+6畳。
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料理は囲炉裏端のようなもの。

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特製タレを塗りながらジンギスカンのような鉄の上で焼く。外国人のもてなしに良いかもな。

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岩魚の塩焼きが美味しくて驚いた。塩加減、焼き加減が絶妙だった。こう上手に焼けるようになりたい。

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身離れも良い。
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桜海老を与えて養殖した鯉の洗いやら、猪豚の味噌鍋やら、鮟肝の真薯やらお腹いっぱい美味しく頂いた。
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締めには自慢の米名人のおにぎりを練り味噌をつけて焼いて食べる。これもまた美味しかった。外がカリッとして、中はふっくら。少し焦げた味噌が香ばしい。しっかりとおにぎりを焼いてから味噌をつけて炙るのが肝心なようだ。
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自宅BBQでもこんな焼きおにぎりを再現したい。今度、自宅で山椒味噌を作って最高の焼きおにぎりに挑戦したい。
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それにしても首肩が痛い。

 

放浪の画家、「裸の大将」こと山下清が1960年に辰巳館の依頼で投宿して描いた原画を元に2ヶ月かけて制作したというタイル絵を眺められる広々とした湯船で肩を温めたら少し和らいだ気がする。サラサラとした湯で気持ちよかった。

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谷川岳と大峰沼の光景。この辰巳館は私が社会人になって初めての勤務地である高崎時代に観光ガイドで見て知っていた宿だが少しばかり高いな、と思って眺めるだけの宿だった。

 

19800円の宿泊料にコロナワクチン接種証明書を提示して観光支援の特別割引が4人で12,000円もらえ、さらに4人で4000円の土産物などに使えるクーポンが貰える。この宿泊客室のグレードや広さ、料理やお風呂で1人14800円と考えたらまずまずの値段。どれだけの税金がばら撒かれているのかという話でもある。がっつり納税世代であるから遠慮なく利用させてもらう所存。

 

ああ首肩が痛い。

糸川の熱海桜と熱海保養所

桜は単なる視覚的な美しさだけでなく、春の終わりの季節の移ろいを象徴的に実感するものとして愛でていることを知った。

 

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熱海には糸川沿いに日本で最も早く咲く桜の並木がある。熱海桜。

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不思議なもので、1月だとまだ花見を楽しむ心境にならず気持ちの盛り上がりに欠ける。
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桜は薄桃色でしっかりと美しいのに、長かった冬が終わるあの期待感を伴わないと晴れやかな気持ちがついてこないことに気づいた。

 

桜は、花見は、花だけを愛でていたのではなく季節の移ろいを、しかも冬の完全な終わりと春夏秋という活動的な季節の始まりを視覚的に実感する象徴だったのだと気づいた。おそらく夏に桜が咲いても同様に気持ちは昂らないのだろう。
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海龍に獅子の頭がついたような石像。
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何故かタコ。バブルの頃にお金をかける余裕があったのだろう。
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なんとも風情ある羊羹屋をみつけた。ここの一口羊羹は熱海の定宿のお茶請けで出されるものだった。

羊羹は宿にあるし、口は饅頭を欲していたのでその一区画先の和菓子屋へ。
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子供が梅昆布茶がえらくお気に召していた。1月の花見でも、花より団子は変わらず。
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熱海は東京に比べても一段と暖かいのだろう。散歩してて元気な露地植えの多肉植物に出会う。ミセバヤの一種が鈴なりに花を咲かす。
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石垣にクラッスラの古木が無数に生えている圧巻の一景。20年、30年は経っていそうな幹の太い「金のなる木」だった。私も10年後、20年後を見越して自宅の花壇に何か多肉植物を植えたいが雪を被ると死ぬし、立派になると勝手に引き抜いていくような輩が都心には残念ながら多い。何か適した植物はないものか。
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そんなわけで再び熱海保養所へ。もう熱海に来る際には毎回、ここに泊まることになるのだろう。
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今回は建物の左端の部屋なので少しばかり左側の壁が視野を狭くしているが相変わらず眼下にミニチュアのように新幹線や在来線が見えて楽しい光景。


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今回は昼御飯をおにぎり1つだけにとどめたのでお腹が鳴るほどに空腹だ。
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もうそれぞれの料理の説明は覚えていないのだがどれも本当に味が良い。皿や盛り付けを豪華にしたらもっと上等そうに見えるだろうが、美味しいことを知っているので良いのだろう。
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刺身も相変わらず美味しい。
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煮物、揚物が食事中に追加で出される昔ながらのスタイルで食べ終わった皿を下げてもらいながら食べないと目の前が埋まってしまうほど。
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味噌豆乳鍋。自宅で味噌豆乳鍋をやろうと心に決めた。
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人生で初めて食べたアンコウの唐揚げが絶品だった。からしソースのようなもの、レモン汁と味変しながら楽しむ。
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揚物こそは揚げたてが嬉しい。
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梅祭りの時期なので汁椀も梅風味。
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美味しいものを食べて温泉に浸かって寝る。その為のまさしく「保養所」であって立派な露天風呂や設備のある観光旅館ではない。

 

新宿からロマンスカーに乗ると終点小田原駅まで子供の乗車賃が50円で済んでしまう。赤字路線のない小田急線のなせるサービスだ。特急料金を大人1名、子供2名分だけ合計2000円払えば良い。とても美味しい食事が朝夕付いて大人1名子供2名で7000円と3500円。しかも子供半額でも料理は大人と同量出る。親子3人で総額2万円で1泊2食と交通費を賄えてしまうからなんとも懐に優しく気軽に来られる。かなり前から予約し計画も予算も意気込むような「旅行」ではなく、週末に保養所に予約の空きをみつけたら即座に思い立って行ける「週末保養」なのだ。

 

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朝日が昇る。6時50分頃。

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誘惑に負けながらも宿題をする息子の図。頑張れ。1月の子供のおねだりによる熱海保養。

湯檜曽の保養所はオーベルジュ

備忘

食用菊のテリーヌ。柑橘類の香り付け。

クレムブリュレ、林檎のコンポート入り

自分でも作れるようになりたい。

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熱海の保養所に続いて群馬県湯檜曽の保養所にも泊まってみた。湯檜曽川沿いに建ち、川向かいには建物が全くない山々で景色が素晴らしかった。

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部屋は古い昭和旅館の和室の造りをしているが清潔で不満はない。

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麻雀室やカラオケルームのあるような昭和の施設。
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熱海の保養所と同様にあいも変わらず料理旅館、オーベルジュと分類しても異論は出ないだろう食事のクオリティの高さ。群馬の山中の保養所とあってキノコなど山の食材も豊富。
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赤鯛の何やらフレンチじみた一皿。
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海なし県の刺身なんてと思うが鰤、鮪、赤貝も美味しくて驚いた。新潟から東京への大動脈である関越自動車道のみなかみインターを降りて近いので輸送時間的には新潟港に近いということなのだろう。鮮魚の美味しさで大人気の「角上」と同じルート上にあるわけだ。
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茄子の天麩羅。わかさぎの天麩羅も群馬らしくて良い。榛名湖のわかさぎ釣りは冬の風物詩。
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食用菊をたっぷりと閉じ込めたほんのり甘く柑橘の酸味が引き立つテリーヌが絶品だった。レシピが欲しい。再現したい。
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海老の真薯は外れない美味しさ。
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鍋の出汁も飲み干したい旨味だった。
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上毛牛かね。
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そしてクレムブリュレもそれだけでも美味しいのだが中に林檎のコンポートが入っていて酸味も加わって絶品。こちらもレシピが欲しい。

 

これで1泊2食7000円とは。都心でこのクオリティのフルコースを頼むだけで7000円ぐらいしてもおかしくない。陶器の皿ももう少し品のある器に変えるだけで高級感も一気に引き立つ気がする。肝心の中味は申し分ないのだから。

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朝の布団の中からの眺め。
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風呂は単純泉ながら温泉で気持ちが良い。深夜もいつでも入浴できる。せっかくの川沿いなのだから人工物の全くない対面の山を望む露天風呂があったらもう何もいうことがない。そこだけが惜しい。

 

夜、就寝前に建物の外に息子たちと出た。息子が持ってきた星座早見盤と空の星々を照らし合わせる。まだ夏の大三角形が存在感を放っていた。なるほど、カシオペアはWだった。東京とは見える星の量が比較にならない。