半年ぶり近い轆轤での水挽き。大小様々な陶蟲夏草鉢にするために大小様々に作っている。しかし同じ径、同じ高さで作った方が後々、梱包など楽だとの思いもよぎる。しかし蟲を鉢の寸法に対して合わせて調整していくのは嫌だ。無意識に作るそれぞれの蟲のサイズ感という感性的価値を大事にしたい。実寸でもないのにこの大きさがしっくりくる、という謎のおさまりがあるように思っている。
それにしても下手くそだな。悲しくなる。望む薄さと寸法に轆轤で挽く技術は半年ぐらい訓練校に通えば身につけられるのだろうとも思う。いや、1週間ひたすら挽いては潰す特訓をするだけで変わるかもしれないしそれならば覚悟さえ決めればできるはず。
水をバシャバシャかけて轆轤の周囲を泥だらけにせずに作れるようになったのは無駄が少なくなったからで昔に比べたら進歩とは思える。
一気呵成に蝉の成虫の上半身を作った。明暗を反転させると造形の様がよく見える。今回は眼の形を丸めた団子をつけるだけではなく輪郭を湾曲させ少しタレ眼にしたら蝉らしさが増した。
躯体は適度にデフォルメしつつも眼だけは作り込むのが良いのかもしれない。今回は翅の翅脈も少しばかり作り込んだ。
半磁土で薄く作って中から照らしたらじっさいにこのように薄く光るオブジェができるのだと思う。技術的に難易度が高くて他に作りたいものが多いので時間を費やす気にはなれないが備忘記録としておく。
明暗反転していない画像。
まずまずの造形ではないか。作っている本人が完成にワクワクするのは良い兆候。
作り途中の蟲たちにも信楽白土で変形粘菌を加飾した。
楽しみなのがタランチュラ。径の大きな鉢に載せ、あたかもタランチュラの死骸から鮮やかな小さな花が一輪咲く鉢にしたい。
ゆっくりと乾燥させるためにビニール袋に入れてムロで保管。
最後に飛蝗を鉢に載せた。初めての造形としては及第点か。
飛蝗の身体は細長いのとある程度の大きさにしないと植え込んでも飛蝗の体内から芽吹いた感じにならないので、鉢の上部を斜めにすることでやりくりした。粘菌の子実体を多めに盛る。少しゴテゴテとしているので子実体に翡翠色はつけずに白溶岩にしてみようかと思う。