寺社仏閣

米国人向け京都 稲荷と牛角

先週中国で会った、中国に駐在している米国人の同僚一家が1週間ほど日本に休暇に来るので昼食でも一緒にどうかと誘われた。11歳と13歳の娘を二人連れてきているというので、これは日本贔屓にする為にも案内せねばと思い、日曜日に京都案内することになった。…

猪狛犬

狛犬の動物が猪の場合はそれをなんて呼べば良いのだろう。一般的に狛犬と呼びつつも実際は獅子と犬の対なのだが、獅子を無視してコマイヌと呼んでいるので、その動物がなんであろうとこれも狛犬なのだろう。狛は高麗伝来のという意味なので、猪やら鹿やらを…

源光庵

ここには二つの窓が並んでいる。左の丸窓は悟りの窓。右の四角い窓は迷いの窓。仏教的概念を窓の形で現しただけでその窓を覗けば悟れるわけでも迷うわけでもない。それはそうだな。ただ、丸窓が柔らかな印象を与え、景色を一層落ち着く形で見せてくれるのは…

建仁寺

久しく建仁寺は意識の中になかったが、こうして立ち寄ってみると外国人の来客を連れてくるのになかなか適した寺だと思った。今度誰かを案内する必要がある時には一つの選択肢に加えよう。 立地は四条河原町から歩ける距離で清水寺などへの通過点として申し分…

霊山護国神社

終戦記念日に参拝しようと思っていたのだが、雨が降っていたので断念していた。今回、改めて友人と東山を歩いて回った際に訪れる機を得た。祖父がビルマ戦線に兵站部隊員として従軍していたこともあり、ここに祀られる何万柱もの御魂はどこかひっかかりを感…

安楽寺 鹿ケ谷南瓜供養

この日は安楽寺で鹿ヶ谷南瓜が参拝者に振る舞われ、それを頂くと中風にならなくなると言われる。痛風かと勘違いしていたが中風だそうだ。 普段は非公開の寺院なようでこの日は仏殿に松虫姫、鈴虫姫と安楽上人の描かれた掛軸が公開されていた。松虫姫、鈴虫姫…

龍牙寺

中華街にある立派なお寺。るるぶや地球の歩き方には殆ど記載されてないが、予想以上に見応えがあった。 二階から四階は仏教美術館のようになっており、アジア各地から集められた仏像の異なる様式を一堂に見られる。しかも見映えのする傑作が多く、仏像マニア…

南禅寺

確かにここは広く知られる南禅寺の水道橋なのだけれども、部分だけを切り取ると東南アジアの熱帯林に一度は埋もれた遺跡の雰囲気がある。 どこか憂いのある表情。何百年もの歴史を讃える古刹にて、変わらぬ世を儚んでいるのか。いや、主人が写真に夢中で右下…

光明寺

西山三山のひとつ、13世紀に建立された古刹。 ここは椛で有名な寺らしいが、新緑には観光客はそんなに集まらないらしい。初夏の椛も美しいのに。門を抜けると椛のトンネル。 椛とは巧妙な漢字をあてたものだ。葉にして花のように美しいということか。種とて…

善峯寺

以前から訪れてみたかったのだがその不便さ故にいけなかった善峯寺に行く機会を得た。友人が車を出してくれるということで、紫陽花を目当てに向かった。 谷を一面覆う一万株の紫陽花の壮観な眺めで有名とのこと。例年ならば多少は咲いている頃だったのだろう…

大原野神社の鹿狛犬

こちらの神社には第三駐車場まであるのに、中は人もおらずひっそりと静かだった。雨がそれ以外の音をかき消し、視覚が強調される中で椛の新緑の鮮やかさと社殿の朱塗りの華やかさが際立つ。 狛犬の代わりに雌雄の鹿が鎮座する。聞いてみたところ奈良の春日大…

字体がかっこいいとしか言いようが無い。 八坂神社にて。

平等院 藤西方浄土

光源氏のモデルにもなった源融の貴族別荘を引き継ぎ、藤原頼通が西方浄土を夢見て建立した平等院鳳凰堂。 今年は梅も桜も山吹も須らく開花が遅れていたようで、そのおかげもあってか平等院の藤も都合良く週末に満開を迎えてくれた。 藤原頼道が造営した際に…

曼殊院

あまり足を伸ばしたことのない北白川の寺に行ってみたかったので随分と北のはずれまで足を伸ばした、静かな寺。8世紀に最澄によって比叡山に創建され、1656年に良尚親王によって一乗寺現在地に移された皇室一門が代々住職を勤めた寺だそうだ。 緋毛氈のある…

金鐘に桜

晩桜に金鐘というのもなかなかの風情。ギラギラとした脂っこさが中和されるようで。 狛犬に擬態する飼犬。 他の犬と遊ぶよりもお姉さんに可愛がって貰うほうが好きなようで。飼い主が取られて嫉妬しとるがな。ちやほやされるのが好きで、かつその可愛さが自…

伊勢神宮の森

伊勢神宮は日本国民の最大宗教である神道の総本山にして、皇室の氏神を祭る神社なわけだが、そのような格式にも拘らずその神社のつくりは随分と簡素である。装飾も塗装も施されず、白木のままに立っている。 東照宮や北野天満宮のように建物や文化財が素晴ら…

平安神宮 紅しだれ

平安神宮の紅しだれコンサートに足を運んだが、溜息をつくような景色だった。見事な桜、幽玄な回遊式庭園、連日の響き渡るヴァイオリンやピアノの旋律。時代祭などのそこらの祭よりも心に響く催事としてはこちらをお勧めしたい。 桜瀧。竹の格子から溢れ落ち…

醍醐寺-春

紅葉の秋に訪れ、今度は桜の咲く春に訪れたが、醍醐寺はなかなか満遍なく充実した観光地だと改めて思う。 建築好きには堪らない世界遺産にして京都で最古の建造物となる豪壮な五重塔を備え、 歴史好きには興味深い太閤の花見を初めとする無数のエピソードが…

御香宮

日本酒作りが盛んな伏見を象徴するような神社。 境内より良い香りの水が湧き出し、その水を飲むと病が治ったので、時の清和天皇から「御香宮」の名を賜ったという由来があり、名水百選に選定された「御香水」が今でも湧く。自由に汲める湧水に参拝者が絶えず…

雪の愛宕山詣で

友人に付き添ってもらって兼ねてより登りたいと思っていた愛宕山に登った。目当ては雪山ハイキングと京都人の台所必携の品、愛宕山の火伏せの御札である。この愛宕山、京都の最高峰にして現代に至っても徒歩で2時間以上をかけて登るより参拝する手段が無い。…

東大寺

奈良の大仏と言えば京都の修学旅行生も一日足を伸ばす観光名所。 でも、どう見ても大味。国の統一と平安を祈願して作ったと言うが、目の前の大仏を見る限り一意入魂の作品というより権力誇示の公共事業という印象を受ける。素晴らしい造詣を巨大化したという…

武闘派神鹿

奈良は東大寺の大仏、興福寺の国宝仏像群、若草山焼きなど見所は多いが、なんといっても一番楽しいのは鹿と遊ぶことだろう。 鹿との交流は観光客にとってはかなりのハンディキャップ戦を強いられる。相手は「天然記念物」と「神鹿」という肩書きを持ち、一般…

下賀茂神社 蹴鞠初

京都に移り住んだのだから、京都らしい祭事を見てみたいと思っていた。装束を纏った平安貴族の姿で優雅に蹴鞠に興じるなんて、これでもかというぐらい京らしい。しかも秦氏ゆかりの世界遺産の下賀茂神社とくれば隙が無い。サッカー全日本のシンボルでもある…

伏見稲荷 初詣

本来は家長が年明けに氏神の社に籠る年篭りが、やがて除夜詣と元旦詣の二回に別れ、ついには単にその年の最初の参拝という意味になった初詣。昔は氏神社かその年の恵方の神社に詣でるものだったらしいが、それもうやむやになりつつ初詣が一般化したのは明治…

南禅寺

晩秋の毘沙門堂

石段に紅葉が降り積もる様を拝みたかったのだけれども、もう散った後で紅葉はもう掃き除かれてしまっていた。しかも紅葉が落ちても紅い色を保つのは極僅かな時間で、すぐに茶褐色に枯れてしまう。 目の前に若いお姉さんのいるときのマンゴーの足並みは速い。…

実光院

勝林院の僧房のひとつで、宝泉院や三千院に比べると特徴に乏しいであるとか訪れる観光客は少ないなどと評されていることも多いが、非常に好印象の寺だった。 欄間には江戸時代中期の狩野派の画家の筆である三十六詩仙画が掛けられている。それにはさほど歓心…

宝泉院

三千院に次ぐ人気観光地、勝林寺僧房の宝泉院。絶えず観光客が押しかけており落ち着いた風情には欠けるが物珍しいものに溢れている。如何にも京都らしい借景庭園のひとつの類型が見られる。 鶴亀庭園の樹齢700年の五葉の松が見所のひとつ。門をくぐって左手…

寂光院

大原の三千院や勝林院僧房群からも離れたところにぽつりと残る寂光院を訪ねた。そして歴史に明るい人からすれば何をいまさらというようなことにいちいち驚いている。史跡や歴史を知り、八百年前、九百年前のことが伝説でもなく実際にあったことに実感が湧い…

永観堂夜紅葉

洪水のような人。長蛇の列。4年前は入場するだけに並ぶほど混んではいなかったと記憶しているが、こんなにも混んでいるのは日曜の夜だからか。しかしそれでも京都の紅葉を楽しむのに永観堂ははずせない。寺の大半が4時や5時で閉まるため、食事以外に夜間に楽…