紅葉の秋に訪れ、今度は桜の咲く春に訪れたが、醍醐寺はなかなか満遍なく充実した観光地だと改めて思う。
- 建築好きには堪らない世界遺産にして京都で最古の建造物となる豪壮な五重塔を備え、
- 歴史好きには興味深い太閤の花見を初めとする無数のエピソードが残る
- 庭園好きは三宝院庭園の亀島を覆う均整の取れた樹齢600年の五葉松や石組みに刺激を受けるだろうし
- 仏像好きを国宝41点を有する醍醐寺霊宝館の傑作が出迎えてくれる。小生の好きな如意輪観音坐像もある。
- 雨月茶屋では贅沢に精進弁当を頂くか、露店で饅頭や蕎麦煎餅なんかをつまむことができる
- 散歩好きには上醍醐まで1時間の山登りまで楽しめる
- 秋には美しい紅葉で包まれ、春には遠くからも一体が桜色に染まるのがわかる
- 洛中からは離れているけれども、秋と春はとりわけここを目当てに来る甲斐はある。
とりわけ三宝院奥の憲深林苑が桜の季節は素晴らしい。非毛氈の敷かれた席を半円形に囲むように地面すれすれまで河津桜が咲き垂れる。その瀧のような桜をくぐって内側に回り込むと若芝の緑と寺紋の染め抜かれた紅白の幕とのコントラストが美しい。この時期にあっても人が混みすぎていないのも嬉しい。
東福寺、伏見稲荷、東寺、延暦寺、平安神宮と並んで幅広い興味を満たしてくれる観光寺院として自分の中では満足度が高い。