米国が1月に発表した新国防戦略で、中国とイランを特定して「主要な敵」又は「最も重視すべき潜在的な敵」と位置づけた。あれ、イラクは、アフガニスタンは、北朝鮮はどうなった。シリアは入れないのか。この数年、米国は「敵」をとっかえひっかえして節操がない。米国は敵視だけではなく「悪の枢軸」などと「悪」視するからタチが悪い。
時代を経て、ものの見方は様々に変わる。今にして思えば蟹工船を書いた小林多喜二も劣悪な環境下で働かせられる蟹工船労働者の惨状と同様の労働環境の改善を訴えたかっただけで、その内容は今にして思えばごく当たり前のもので労働基準法の思想とも合致するものだ。しかし当時は危険思想家と目され、特高に捕まり、留置所で死ぬまで殴打され若くして拷問死した。疑わしいものは赤だの共産主義だのと呼び排除した魔女狩りの時代。翻って今、米国に危険視されている人達は果たして時が経っても悪なのか。はたまた米国は時が経っても善なのか。あまりにも明快な他国へのレッテルは胡散臭い。
留地で見た多喜二、じき 畳で散る
(るちでみたたきじじきたたみでちる)
うむ。切ない回文が出来た。合掌。
けだるき一日生きるだけ - 詠み人知らず。Web引用
(けだるきいちにちいきるだけ)