パリ出張中に本焼成され窯出しされていた。
今週末は教室はないのだが気になって見に行ってしまった。出来上がりを見ながら何を植え込むか考えたい。
雌雄のツガイのような雰囲気だとしても角があるからには両方とも雄ということになる。大きく歪む事なく耳が破損することもなく無事焼き上がった。マットな焼締の質感といい、珍しく満足のいく焼き上がり。鹿シリーズは思う通りになってきたので嬉しい。いっそのこと7頭ぐらいの群れにしても良い。
偶然に耳の縁だけが焦げるという奇跡。なるほど、耳の縁だけ希釈した釉薬を塗って意図的に焦がすのも可能なわけか。さらにディテールにこだわる道が見えた。
植え込む部位はお尻に大きく開いた穴。何を植えたら良いのか、とても難易度が高いものを作ってしまったかもしれない。「銀月」が頭の中に真っ先に浮かぶ。底は浅いので根張りに支障はないだろうか。「緑亀」のような品種のほうが合うか。
立った鹿には逆紡錘型のシルエットの多肉植物を何か植えたい。「帝玉」のような塊でも良いかもしれない。
もう一つ、鹿モチーフで作った歪み碗。緋色が大きく出ている。この鉢の隣に何か干渉する他の器があったのだろうか。単調に焼きあがるよりも動きが出てよかった。
瑞雲を描いて見たり。
縁に続く模様は鹿の角だったりする。まあ、遊びだ。
この鉢には何を植えようかね。カランコエ「仙人の舞」を移植して大きく育ててみようか。
モビール用の犬の陶板シルエットが焼き上がった。筆塗りだとムラが模様となって出てしまうがそれも味わいとしよう。左下のものだけあまりに発色が悪いので塗り直して再焼成したい。
団子蟲鉢はなかなかインパクトが強い。有機的で汚濁した感じ。まだ菌に侵されて栄養を吸い取られ分解されている最中の印象。この菌に寄生されたら助からないだろう、という毒性のありそうな菌。
菌糸に侵された感じ、地衣類に覆われたような感じが右の白い部分にうまく出ているのではないだろうか。結晶の析出の仕方はコントロールすることは困難で濃淡掛けわけた先は運任せ。
左手に見える釉溜まりの膨らみが青緑と黒に混ざるあたりは表情が複雑で素晴らしい。これが全て同一釉薬の濃淡と塗り重ね加減なのだから奥深い。
黒土だと赤土に比べてトルコ青の発色とコントラストが強くなるように感じる。好みの問題だろうが、禍々しい印象になった。鉢の印象が強くなった分、それに引けを取らない多肉植物を合わせるのが難しくなった。
参考までに今、家にある蝉茸。下地が赤土だと全体が白っぽい。やはり、これを見てると団子蟲鉢にも同様に「老楽」を植え込みたいかもな。
吊り下げ鉢が二つ。既に家にあるものと連ねて三連鉢にしたい。
せっかく吊るす鉢なので乾燥に強そうな強刺類など、子供の手に届かないところにしか置けない棘サボテンでも植えたい。
こちらは素焼きが終わったもの。中に水苔を詰めてトキワシノブを植え込む為のもの。
制作ペースを上げたい。もどかしい。
鹿をもう2、3頭。蟲鉢をもう1つ。鹿の頭骨壁掛け鉢に大聖堂のヴォールトを模した鉢。作りたいものは沢山ある。