昆虫ふれあい展でクワガタムシの蜜争奪戦を高みの見物

 

新宿小田急百貨店20日まで行われている昆虫展に子供を連れて行った。

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入り口付近には巨大なダンボール製のカブトムシ、カマキリにアリ。案外、巨大化するとアリが一番カッコ良かったりする。

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緑に輝くゾウムシ。世界、特に熱帯を探すと大抵の種類の金属光沢種がいるのは何故なのか。

 

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数千の昆虫標本が並ぶ。瑠璃花蜂を間近で見たかったが残念ながらいなかった。この形状で瑠璃と黒の縞模様だなんて、限定彩色のシークレットでしかない。

 

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この穴蜂とて、宝石のようだけれども。

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 ビワハゴロモツノゼミと並んで私の中の怪奇昆虫。

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牙を露出した状態の良展示。こんなフワフワしているくせに、不釣り合いな鋭く尖った長い牙。これが毒持ちで高速で動き回るとしたら、それは恐怖でしかない。

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ヘラクレスオオカブト。ゼリーや蜜を舐める時は完全に下顎が邪魔だということがわかる。昆虫界のサーベルタイガーというかバビルーサというか。

 

トマソンという概念がある。「存在がまるで芸術のようでありながら、その役にたたなさ・非実用において芸術よりももっと芸術らしい物を「超芸術」と呼び、その中でも不動産に属するものをトマソンと呼ぶ」。昆虫の過剰に発達したそれらは実用性の彼方へと達してしまっていて、なんだかトマソン的でもある。

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網で40畳ほどのスペースが囲われ、300匹ほどのカブトムシやクワガタムシと触れ合える巨大コーナーが作られていた。百貨店の催事スペースにしてはかなりの力の入れようだ。小田急百貨店では昆虫展は今年が初めてだという。

 

ウッドチップが敷かれた上に朽木が散在しており、その上に蜜やゼリーなんかが置かれている。子供達は自由にカブトムシやクワガタムシを捕まえられるようになっているのだが、なかなか大人でも木から引き剥がすのが難しいくらいカブトムシの鉤爪は鋭く力は強い。

 

飛び回るアトラスオオカブトもいて、若いお母さんがキャーキャー叫びながら逃げていた。

 

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私が子供の頃はこんな海外のカブトムシやクワガタムシは図鑑だけで見る憧れだった。そのかわり、国産のカブトムシやクワガタムシはそこらの雑木林で採りに行けるものだと思っていた。

 

都会の子の親になってみれば、近くに雑木林はないし、田舎に出かけてクワガタムシやカブトムシを捕まえに行く日程的な余裕はない。大人の入場料500円だけで未就園児2人を虫に触れさせられるのは手軽でありがたい。

 

結局、子供2人は怖がって遠巻きに見ているだけだったけれども。もう少し、虫を触れるようになってほしいものだ。家に出没するGをビニール袋越しに手掴みして潰さずに家の外に放り出すぐらいのスキルは身につけてほしい。

 

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ドヤ。

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喧嘩が始まったので急いでカメラを向けたら、モンスターにエンカウントして戦闘が始まったかのような視覚効果写真になった。

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互角な戦い。顎が長くて外側から挟み込めるほうが有利か。全くの同種同士だとそんな印象だった。

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しかし案外、小柄なヒメノコが立派なノコギリクワガタをうっちゃり投げる。体格差を補う積極性と俊敏さ。空回りする大きすぎる顎を横目に、脇からコンパクトに挟み込めるヒメノコの方が強かった。何か、教訓めいたものを無理矢理、くみ取れるような気もするが、まあ虫の喧嘩だ。

 

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田舎でもそう簡単にこんな高密度でカブトムシやクワガタムシが喧嘩をする様は見られないし、なんだかんだ都会にものは集まるものだなあ、と思った。私が東京よりも関西の方が食べものは美味しいと言うと、意外に京都の友人は「上等なものは何でも東京に集まる。お金さえ出せれば何でも手に入る」と言っていてその当時は反発心を覚えたけれども、実際はその通りだったりする。北海道や豊後の朝獲れの海産物すら空輸されて夜には皿の上に並ぶ。都会はお金がものを言う環境なのか。なんか面白くないが、それも現実。

 

最終日には朝の10:00に整理券を配り、16:00からカブトムシやクワガタムシを捕まえて一匹無料で持ち帰ることができる。こうして、企画後の生体は全て子供達の手に渡って整理される。朝と夕方に2回来ないといけないが、数分で整理券に長蛇の列ができて10時10分ほどに着いた人にはもう整理券は残っていなかった。

 

金魚を使ったアートアクアリウムは企画後に金魚を大量に処分する商業性から非難轟々だったそうだが、あちらも参加者に持ち帰ってもらった方がまだましなのかもしれない。

 

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出口には人類の食糧の未来、昆虫食の展示が。クリスピーな食材が陳列されていた。高タンパクらしいけれども、歯の間に挟まりそう。小さい頃から食べ馴染めば、どうってことはないのだろうけれども。

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慣れればこれをみて食欲は湧くのだろうか。何に食欲が湧くかはその生物種の生態であり本能なわけで、果たして人間の本能はこれを見て唾液が分泌されるようにできているのだろうか。

 

私の子供達は、おっかながってカブトムシにもクワガタムシにも触らずじまいだったが家に帰ると。クワガタの喧嘩、凄かったね、カブトムシ、たくさん飛び回ってたね、と繰り返していたので刺激はあった様子。良かった。