動植物の世話をする事は、私がいなくては生きていけない彼らを通じて自己肯定感を高めるという、自分を癒す行為なのではないか。他者の存在をよすがにしないと自分の存在価値が虚ろであることを自覚している人の症状なのではないか。その説が正しいとすると植木鉢や金魚、メダカ、緋泥鰌、お玉杓子、カブトムシ、ミヤマクワガタ、犬に子供たちと合計150近くの面倒を見ている私の自己肯定感は随分と低いことになる。その通りのような気がしなくもない。
元同僚にプラケース1つに7匹は過密で角が曲がる恐れがあると助言され、プラケース2つに分けることにした。
「むし社」に走り、完熟カブトムシ用マットを10L買う。
それにしてもいつ来ても眼福な昆虫屋だ。ペアで1万4520円のクワガタなんて買う子供はいるのだろうか。私が子供の頃には海外産のクワガタなど考えられなかった。
店員さんが作成中の巨大肉食コオロギのリックの標本を見せてくれたり、「あそこに生体がいるよ」と案内してくれたり。
「むし社」でいくらでも虫を眺めて時間を費やしてしまいそうになるのを断ち切り帰宅。購入したマットに適度に加水して、蛹室を作りやすいように少し固めて7匹を分けた。モゾモゾと土の中に還っていく。
発育の差なのか、雌雄の差なのか。勝手に大きい方が雄なのではないかと思っている。マットも交換したのでこれで7月までもう手放しで良い筈だ。後は成体になって出てくるだけだと思っている。
そのうちヘラクレス・リッキーなんかも幼虫から育ててみたい。
子供たちと6km先のメダカ屋まで自転車を走らせた。
ここの店主は緋メダカを趣味で飼い始めたのが高じて今では高級品種を養殖して板橋の住宅街の中の自宅で販売している。
漆黒のオロチ系で胸ヒレや尾ヒレが長く黄金色で優雅なサタンゴールドは1匹5000円近くする血統品種だそうだ。
一番高価なのはこの「プラチナ星河リアルロングフィン」で5000〜10,000円だとか。1匹の値段だ。死ぬとショックも大きいという。
青白く輝くのは鉄仮面という幹之系メダカ。小さいながらも全身が発酵しているようで素晴らしい。こちらで1200円だそうだ。
子供たちも大喜びでこれめっちゃピカピカしてるだの、大興奮。
グッピーのような高級メダカを飼って養殖してみようかと思って子供と来てみたが値段に怖気付いてしまった。結果、1匹どれでも300円のミックスメダカの中から背中がキラキラした幹之メダカから6匹を掬って持ち帰ることにした。メダカ掬いそのものが子供にとっても楽しいイベント。
気の良い店長が4匹加えてオスメス5匹づつにして10匹を2000円にまけて下さった。おっさん1人で来るとこうはならないが、子供とくるとこんな好意を頂けることがある。多謝。
さて、今年の夏も蚕の幼虫は学校から我が家に養子に来るのだろうか。飼育生物が増え続けているので早いところお玉杓子を蛙に育て上げて元の池に返しに行きたい。
後脚も出てきた。尾が短くなっていき、前脚も出て成体になるまでここから2週間ぐらいだろうか。
キャベツも死肉もなんでも食べる。飢えると互いに共喰いし合う。なかなか逞しい生き物だ。10匹連れ帰ったが弱っていた1匹は翌数日で仲間に食べられてしまった。弱っていたところを仲間に齧られて絶命したのか、絶命したのをそれならばと仲間が食べたのか、どちらなんだろう。残り9匹を無事に池に還せるだろうか。
陶器鉢のインスタグラムを始めました。