伊羅保流し鉢 X「瑠璃殿」 芸術的な螺旋根

春は植え替えの時期。外出型の娯楽がなくとも多肉植物愛好家は自宅で植え替えするだけで喜びを自給自足できるのはなんとも倹しいものだ。

拝見している他の多肉植物愛好家のブログをみても花が咲いたり植え替えの様子を報告していたり見ていて楽しい。

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私も通勤時間が無くなって浮いた時間で多肉植物株の植え替えに勤しんでいる。瑠璃殿がやたら株が鉢の上部にせりあがってきたので抜きあげてみたらこの有様。なかなかここまで綺麗に巻いて球体になることも稀。 

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 硬葉ハオルチアの「瑠璃殿」は特別に成長が早いわけでもないので、もっと控えめな根をしていると想像していた。これは地表の葉の質量と同じぐらいの量がある。

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しかも随分と綺麗に同方向に束ねられたものだ。

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 もう芸術。思わず机の上に置いて写真を撮ってしまった。

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 瑠璃殿の葉がそもそも螺旋状に回転している。葉は反時計回り。根を見てみると根も反時計回りに巻いている。こやつは地表でも地中でも反時計回りの回転体だったのか。

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 土を落としてみた。もともと入れていた土の量よりも少ない気がするのだが土が減ることはあるのだろうか。鉢穴から流れ出たとは思わない。土量が減るほどに根から吸収されるなんてことはあるのか。

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軽く引っ張るだけでとれる古い根を整理して判明したのが太く螺旋を描いていた精気みなぎる根はたった一本の根から分岐したものだということ。まるで電源ケーブルのように細い根が株につながっている。根が株元からたくさん分岐するのが必ずしも良いわけではないらしい。一本でも充実した根があれば株全体は健やからしい。

 

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瑠璃殿の枯れた下葉は抜かないようにしている。濃い緑から枯れるにしたがって赤銅色に変わっていくそのグラデーションも見ごたえがある。 

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根の勢いが強いので大きめの鉢に植え替えた。白土に伊羅保を流しかけた鉢。窯出し直後には、いまいちな出来だと落胆したが久しぶりに見たらムラと流れの濃淡が悪くないように見える。自分自身の好みも変わってきているのかもしれない。