銭湯カフェに番付をつけるならば西の「さらさ西陣」(京都)、東の「レボン快哉湯」かね。
かねてより訪ねたかった鶯谷にある銭湯カフェ「レボン快哉湯」。風格のある破風を備えた銭湯。
整然としていて美しい。
昔は傘が高級品だからこのような鍵付きの傘入れもあったのだそうだ。便利。
下駄箱はそのまま活用。
浴室は男女湯の仕切りの壁が取り払われており、株式会社「ヤマムラ」という会社のサテライトオフィスとなっている。自由に見学できるのは嬉しい。
こちら側もカフェスペースにしてくれたら嬉しいのだが。まだ修復途中なのだろうか。この富士山は高円寺出身の銭湯絵師、丸山清人さんによるモノだろうか。
改修が終わったらテーブルを置いて2人掛けカップルシートになったりするのだろうか。
書架も造られている。
オフィスにしてしまうのは勿体無い。
番台の席、体重計、曇りガラスに書かれた女湯の印。平成の終わりまで営業されていたそうだ。
私の好物な佇まい。
「快哉湯」と書かれた精工舎の古時計も元からあった文化財級のもの。それにしても梁の分厚さよ。赤松かね。
古めかしい焙煎機が置かれていた。現役だと思われる。週に一回程度使われるらしい。
雲南発酵珈琲がメニューにあったので迷わず選択。ブルーベリーアイスクリームとのマリアージュを楽しむ。他にもココナッツアイスにコロンビア珈琲やキウイアイスにコスタリカ珈琲、珈琲カフェオレなど。
この無垢のウォルナットのトレイも気の利いた一品。
ブルーベリーアイスは酸味が強く、雲南発酵珈琲に合うのかはよくわからなかった。ザッハトルテと一緒に食べた時の感動はない。甘いデザートに甘いデザートワインを合わせるように、甘い香りの雲南発酵珈琲にはしっかりとした甘味のケーキを合わせた方が良いように思う。相互補完よりザッハトルテとの相乗のマリアージュが良かった。
平日は食事もあるらしい。WiFi、電源もあるので仕事利用する客も多いらしいが週末はもっぱら立ち寄り観光客。
西の「さらさ西陣」が横綱だとするならば東の「レボン快哉湯」は関脇ぐらいか。
さらさ西陣は食事の充実度合いが高い。さらに銭湯の浴室、洗い場の中の臨場感が素晴らしい。快哉湯は浴室がオフィスになっていて飲食スペースは改装された脱衣所エリアに限定される。
とはいえ銭湯のような庶民の文化財をカフェに転用してくれるのは嬉しい。東京はまだまだ保存活用できる風情ある銭湯が沢山あるように思う。
こういうカフェが銭湯集中エリアの高円寺中野界隈にできてほしい。