北千住から東武線の特急りょうもうに乗り、赤城駅から上毛電氣鐵道に乗り換えて大胡駅へ。東京から3時間半をかけて辿り着く「灯螂舎」。
14点ほど納品した。消しゴムハンコを掘って作ったロゴ入り名刺も納入。
ここは「より美味しくなる限りにおいて」昆虫原料を香料のように使った菓子が美味しい。昆虫を食べることを目的にはしていない。粉末にして使うので見た目にはわからない。新しい美味の境地の開拓ルートとしての昆虫なのが良い。
蚕の蛹と糞のクッキーは優しく柔らかい味。蚕は桑の葉しか食べない完全草食なのでその糞も言うならばオカイコサマに加工された桑の葉。蟲界のコピルアクと呼んでも良いぐらい。珈琲とともに頂く。
コオロギ入りのカヌレ。東京の一等地やホテルで出しても受け入れられる味だと思うし、この風味は他にない。この風味はどうやって出すのかと聞いて驚く人は多いかもしれない。
店内はカメラを片手に撮って遊ぶだけで1時間はあっという間に経ってしまう。片隅に目を配るとこんなとこにあんなものが。モノの数は多いけれども雑多にならず、誇りっぽくもならず。目が行き届いた理想的なバランス。私もこんな厳選したものが詰まった、かつそれぞれのものが十分に引き立つ空間を書斎に作りたい。
博物館を退官した方から譲り受けた蝶の標本を古材に贅沢に散りばめた店内装飾。
個体のレベルも高く、柔らかい光の当たる窓際で蝶の美しさが一段と際立つ。
控えめに言ってここの店長はセンスの塊だと思っている。
銅板作家奥住さんのコノハムシの大作。
作品の展示の仕方も感心する。ブリキの金属板に小さなマグネットで展示していたり
ドライフラワーとともに吊るしていたり
鳥籠の中に蝶の標本が飾られていたり。
奥村さんの小さな小物入れ。想像していたよりもちいさく子供の手に収まるサイズ。その小ささでこのツノゼミのディテールはすごい。
さあ、私の作品もにょきにょきと並んだ。