病床週末

二月はインド、中国、東京出張が連続した為、家で休めた週末が二日しかなかった。疲労も溜まっていたらしく、息子が児童館でもらって来た風邪を移されてしまった。


三年ばかし風邪などひいてなかったので、鼻水も喉の痛みも花粉症だと信じたかったのだが、嫁さん曰く風邪だというので観念して寝てばかりの悲観的で虚無的な思考に囚われたどんよりとした週末を過ごした。


きっかけは振り返ると先週に二十代の職場外の女性二人から別々に相談に乗るよう頼まれたことにある。一人から、結婚相談所に登録しようかという話の中で相手の年齢上限は35歳だと言われた時、自分も除外されるような年齢に差し掛かったことにはたと気付いた。もう一人からは自分が学びたいことの為に転職を考えているという相談を受けた。それらがレバーに突き刺さったボディーブローなのだと思う。


世に聞くミッドライフクライシスと言うやつなのだろう。少しづつ減って行く可能性と期待感。形が明らかになっていく不安。亡くなった近しい親戚を思い出して、彼にとって一生従事した仕事はどんな意味があったのか、自分にとって今の仕事は何なのかを考えてしまう。


それらを顔に出さずに、偉そうに相談に応じている自分にもウンザリだし、こちらの地に足のつかない戸惑いも知らずに真面目に聞いている若い友人も滑稽だ。そりゃ考えられる限りの真面目な相槌を打っているつもりだが、そもそも相談相手を間違えている。


なんとなく、憂鬱になった理由がわかった。彼女らの若さを羨ましいと思い、その裏には自分の過去5〜10年の過ごし方に後悔があることに気付いてしまった。