二層システム

マンゴーにとって夢のような息子の掴み食べ離乳食生活。


なにせ息子が床に落としたものは食べても良いことになっている。温野菜、バナナ、白米。どれも無糖無塩で調理された犬にも適切なもの。今まで、冷えたドッグフードしか食べられなかったマンゴーにとってはさぞやご馳走だろう。匂いで食べるという犬にとって、湯気の立つ食事は堪らんだろうよ。


それからは息子の食事が始まるや、息子の足元に待機するようになった。息子が戯れに零す僥倖を待ちながら。


こうして床を掃除するのが面倒な家主と美味しいものが食べたいマンゴーとの利害が見事に一致した。マンゴーの家庭内序列が不動の最下層となったのも知らずに。