この窓を見た際に、シャンボール城は居住性が悪かったとの説明が腑に落ちた。こんな窓を毎朝、自分で開けたくはないし、眩しいから閉めたり、寒いから閉めたり、手を加えるのにいちいち誰かに指示をしないといけないなど面倒極まりない。
見せびらかすには素敵な陶製の暖炉だけれども、このお宝のような暖炉を各部屋に設置して大量に薪をくべないといけないとなると考えもの。
銅製鍋がサイズごとにずらりと並ぶ様は見ていて気持ちが良い。
キャス・キッドソン。Cath Kidston。もう、それにしか見えない。
こちらもキャス・キッドソン系。見上げると絶妙に甘い濃ピンクと青の乙女の絵が掛かる。童話のような、少女漫画のような城住みの女の子たちの部屋。
そしてこちらは王の間。
こんな形の植木鉢を作ってみようか。金の王冠躯体はラスター光彩釉で、そして赤い布地部分を鉢にしてそこから多肉植物が十字の下から這うように育っていく。
賑やかな玉座。
これぐらい立派な椅子がやはり玉座に相応しい。鮮烈な紅色のバラードに王家の紋章。金塗りの椅子は肘掛けの先が狩猟犬の顔となっている。多分、手持ち無沙汰に犬の顔を撫で回したくなってしまうのだろうな。
どや。ルイ十四世はここで産まれたそうな。太陽王と言われるとそれらしい派手な出で立ち。
「これが玉座ですって?!!ここはお墓よ。あなたとあたしの。」
ワインテイスティングをさせてもらった回廊には狩猟した鹿類のハンティングトロフィーがずらりと飾られていた。
ヘラジカや大角鹿、レイヨウなど様々な種類。年代は1960年代や1970年代のもので、別に礫器的なものでは全く無いようだ。フランソワ1世の時代には狩猟の拠点として使われていたという話なので、かつてもこのように骨が並べられていたのかもしれない。
2時間では足りないぐらい見所に溢れていた。本当は2時間ぐらい持ち込んだ小説を読んだり、カフェでお茶したりしてゆっくりと雰囲気を味わいたかった。