- オランダ人の女主人ハネカさんが気さく。
- あてがってくれた部屋が高級旅館の貴賓室級で破格の1泊5000円でありえない。
- 谷崎潤一郎で日本文化の卒論を書いたそうで色んな議論や意見交換ができる。
- 有田や日本の文化慣習に対する彼女の考察を聞けて面白い。
- 水回りはトイレも風呂も清潔。
- リビングが広くセルフでお茶や珈琲も飲める。
- 自転車を無料で貸してくれるので広範囲を移動できる。
こんな素敵な和室に最後に泊まったのはいつのことだろう。元々は有田の貿易会社の社長だかが自宅として建てたもののその家族は転居してしまい別の会社の社長に売却譲渡。しかしその社長が倒産してしまい競売にかけられていたものを落札したのだという。トラック7台分も廃棄してこつこつ修繕して現状まで改善したという。
とはいえ格子や建具などはそこらで簡単に調達できるシロモノではない。もともと社長が贅を尽くして作ったモノがとても良質だったようだ。
この広縁の雰囲気が素晴らしい。デザイン雑誌に出てくるお手本のような光景。
客室で話す相手もいなかったから座らなかったが、夫婦やカップルで来ていたらここでビールでもプシュッと空けて歓談したいものだ。
寝室部分は8畳に2畳の床の間。
時代箪笥も立派だ。
そしてその横には茶室の小上がりが連なっている。
網代天井に銘木の柱と贅沢な作りをしている。
元からあったのかはわからないが長押の釘隠しが有田焼きの絵付けだったりと細部も雅やか。
持って帰られたらシャレにならんぞ、と心配になる漆の重箱や茶器。
玄関ホールはこんな感じで階段下のローテーブルでチェックイン。
磁器のドアノブを掴んでガラス戸を開けると
大きなリビング。テレビを観るもよし、セルフでお湯を沸かして珈琲やお茶を飲むもよし、トースターやレンジの利用も自由だと言う。
自宅にこんなバーカウンターを作るようなグレードの豪邸なわけだ。
私の他にもイギリスの美術館で日本の磁器のキュレーターをしている若い女性が泊まっていて、夜、ハネカさんを交えて3人でこのカウンターに座って2時間近く話した。
コロナ禍で昨年よりも売上が8割近く落ちたという。スタッフも解雇せざるを得なかったという。コロナ禍以前は7割が外国人客でその大半が中国、韓国、台湾などのアジア近隣国からだったそうだ。他にも英語を教えていたりと宿泊業以外の収入源もあるおかげで何とか耐えられているとのこと。