機上の熱論

キャセイパシフィック航空に搭乗中、百田尚樹氏の小説を読んでいたら、鼻筋の通った美人の日本人キャビンアテンダントが話しかけてきた。


「読まれている本、面白いですか?」と聞かれて、面食らう。


なんでも百田氏のデビュー作を呼んで感銘を受けたらしい。


「作品中で最期に主人公は何故あんな行動に出たと思います?」
と質問を重ねてくる。


搭乗中にCAさんと小説について熱く語るとは思わなかった。しばらくして、我に返ったかのように、「長々とお邪魔して失礼しました」と恥ずかしそうに会釈して戻っていった。


馬鹿丁寧なだけの接客ではなく、一人の人としてゲストをもてなしているようで、人間味が感じられて和んだ。


それにしてもCAさんをして、搭乗客に熱く語らせる百田小説は凄い。人の心を動かせる何かを生み出せる人は凄い。