樹々丸

前から気になっていた植木屋兼カフェに行ってきた。今出川堀川のなんともわかりにくい場所にあるのだが、そういえばここら辺に前、雑誌で見た店があるはずだけれども・・・と路地に入って偶然見つけた。2010年の6月8日に開店したばかりのお店だそうである。



町家をなんとも素敵に改装し、違い棚、床の間や古箪笥に鉢物を置いている。店のコンセプトは『日々の暮らしの中にある緑』だそうで、商品陳列棚然とすることなく、こんな風に部屋に飾れたら良いなと思える置き方をしている。こういう嬉しい発見のある店を見つけるとその日が充実感にあふれる。古箪笥の引出を上下逆さに入れて底に鉢を載せている飾り方はなかなか面白いと思う。





パンプキンチーズケーキと焙じ茶オーレを頂いた。それぞれ500円で飲み物とケーキを頼むと100円引きになるが、格別に美味しいとも思えず、なかなかいい値段だと感じた。美味いコーヒーと他では食べられないケーキを求めてというよりは、この雰囲気の中で寛ぐ対価と捉えるべきなのだろうな。


室内の鉢物は多肉植物が中心で夾竹桃やリトープス、岩蓮華、峨眉山などがある。いかんせん陽のあまり射さない室内に置かれているので徒長気味のものが多かった。洋風の陶器ではなく盆栽用の陶器を用いていて雰囲気に馴染むのだが一鉢2800円や3800円などそれなりに高いので、そこまで商品の回転は良くないのかもしれない。山野草は特に、単に植え替えたものを即売しているわけではなさそうなので、妥当な値段設定だとは思う。日光の当たる場所と室内を交互に循環させて樹形が乱れないようにするのが理想なのだろうけれども、そこまでのスペースと商品在庫が無いのかもしれない。


寒さの冷え込む中庭に面した広縁に置かれたウンベラータは葉がいくつか黄色になっていた。京都の寒さ故にウンベラータの購入を断念しただけに、ここの鉢が無事越冬できるか、余計なお世話だが少し心配である。黒法師の鉢達は全て緑色の葉色になっていた。多肉植物の良い株を知っている愛好家から見ると、商品の多肉植物徒長して緩んだものばかりで2000円、3000円を出そうとは思わなそうである。


まだ開店して半年。1歳の赤ちゃんのいる若夫婦の店である。和室とのあわせ方と雰囲気が素晴らしい店だけに頑張ってもらいたい。この店に置かれた本や雑誌を読みにまた来よう。この店に来たら観葉植物を買いたくなった。多肉植物を盆栽仕立てにしたくなった。窓際に植木の飾り棚が欲しくなった。

http://www.jujumaru.com/
京都市上京区今出川通小川東入上る北兼康町301-1
電話番号 075-432-8607
営業時間 11:00~20:00(L.O19:00)
定休日 月曜日 時折日曜日